2017年7月5日 更新

店頭マーケティング ~パッケージと店頭演出の考察~

店頭のVMDには、パッケージと店頭販促物の調和が不可欠である。数ある店頭マーケティング論の中でも、店頭リサーチ、店頭分析、店頭レポートの作成などにしっくりくる切り口とは。

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2000年代、流通再編成の波が訪れ、「販売」のパワーバランスが変わり、メーカーから流通主導になりました。ちょうどテレビをはじめマス広告の効果が疑問視され、「購買場所」を重視した店頭販促が最も重要視された時代かもしれません。

2010年代、ソーシャル時代が訪れると、購買行動がパラダイムシフトします。
ソーシャルメディアが情報発信、情報収集のメディアとなり、web上では様々なメディアが立ち上がり、個人でも団体でも、そして企業でも、ネットという単一の平等世界で発信がなされるようになりました。
スマートフォンやタブレットなど超高機能機動力デバイスとネットメディア、さらにはネット通販の拡充と物流整備のおかげで、「いつでも、どこでも、誰とでも」という状態で『検索』→『購買』という流れが進化しています。その流れの中で、店舗の役割は「商品を売る」売り場としての意味や場所だけではないものになっています。

今まで数々の企業や機関が、店頭マーケティング論、店頭マーケティングソリューションツールなどを開発してきましたが、ここにきて、Amazon Goがその全てを置き去りにしてしまうような「店舗」と「購買方法」と「購買分析手法」を打ち出しています。

こういった変遷の中で、店舗でのVMDや装飾演出や店頭販促を考える時にどのような切り口で考察するのがよりbetterなことかを考えていきたいと思います。
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今まで、数々の会社が独自に店頭におけるマーケティング論を発信、展開してきました。

どうでしょう?しっくり落し込める「分析手法(論)」や「店頭レポートの出し方」に出会ったことはあるでしょうか?

店頭では、情報を発信したい『商品』の左右上下には競合商品が陳列されています。
時には、競合商品の方が、もっと派手に、もっと大規模に、もっと分かり易く、情報を発信しています。
その状況の中で『買い手』に商品を手にとってもらうためにはどうしたらいいのか?
その商品を買う決断をしてもうらためにはどうしたらいいのか?
商品がどのような情報を発信していけばいいかということを考察し、表現する場合の分析手法としてしっくり腹落ちできる方法を模索していきたいと思います。

店頭における商品個々のVMDをパッケージから考えてみる

店頭プロモーションを考える際によく言われることとして、『自分ゴト化』というフレーズがあります。購買の前段階でターゲットに『自分ゴト化』させることが、購買の動機付けに繋がるという理論です。
『自分ゴト化』を創るにはどうすればいいのでしょうか?
この『自分ゴト化』には下記の3つのアプローチがあります。

・今買わないといけない事に気づかせる
・自分のための商品である事に気づかせる
・客観的な評価で買い物を正当化させる

そして、「気づかせる」「正当化させる」ためには
しっかりと「商品の価値を伝える」ことが重要です。
(商品の価値の伝え方には、コミュニケーション開発が重要ですが、
コミュニケーション開発に関する話は今は省かせて頂きます。)
そして、「商品の価値を伝える」ということを以下2つの側面で考察しましょう。

① 商品側(売場側)からの価値と伝え方の考察
② ショッパー(買手側)から感じる価値と伝わり方の考察

この考察の時に使いやすいフレームワークが二つあるので紹介させて頂きます。

① 商品側からの価値と伝え方の考察 にあてはめやすいフレームワーク

商品の4つの価値の整理

商品の4つの価値の整理

これはパッケージデザインで用いられる
手法ですが、左図のように、
●情報性価値
●機能性価値
●識別性価値
●情緒性価値
を「見える化」して理性的、感性的に
デザイン制作をするというものです。
基本的にパッケージが4つの価値を発信していると仮定するならば、店頭を演出する店頭販促物は、この4つの価値で隠れている情報を、商品と買い手との距離である『遠』『中』『近』の距離ごとに発信代行する演出物と成りえたら、「商品の価値を伝える」というミッションの遂行率が高くなります。

買い手側の『購買』という行動の前段階には、『判断』があり、その前段階にはパッケージを読む『吟味』があり、その前段階にはパッケージを『手にとる』という行動があります。
パッケージを手にとってもらうために、商品の4つの価値を伝達できる店頭販促物があればいいですね。

基本的な店頭演出は、このパッケージが発信している商品の4つの価値を、どのようにして店頭販促物で表現できるかということが第一段階になります。

② ショッパー側から感じる価値と伝わり方の考察 にあてはめやすい購買行動モデル

次に考察が必要なのは、買い手側が感じる価値と伝わり方です。

この考察手法は様々ありますが、電通さんが提唱されている「ARCAS」理論は
買い手側からの理解として非常に分かり易い考察理論だと思いますので紹介させて頂きます。
購買行動モデル ARCAS
 (841)

A:Attention  気づき
R:Remind  思い起こし
C:Compare 比較
A:Action   購買
S:Satisfy  満足
ARCASモデルを使って、それぞれの段階(A・R・C・A・S)で評価をしながら、商品とターゲットとの距離『遠』『中』『近』でどのような感じ方をしているかを数値化しながら競合商品と比較することで売場(競合商品が色々発信している状況)の中のその商品の発信力を分かり易く分析することができます。

『Attention』や『Remind』には、コミュニケーションデザイン力が必要となります。そこに結びつけるためのメディアプランも必要です。これはまた、『Action』にも寄与します。
キャスティング、コンテンツタイアップも重要なファクターですし、web施策、デジタルソリューションの利用、イベントプロモーションからの誘因なども重要なファクターになります。

「店頭分析からの提案」や「店頭レポートの提出」

前述の
「商品の4つの価値の抽出と表現と可視化分析」+「買い手が感じる伝わり方分析」
を行うことが店頭プロモーション考察の基本となると思います。
あくまで基本です。

逆に言うと、店頭リサーチ、店頭レポートは、
「商品の4つの価値の抽出と表現と可視化分析」+「買い手が感じる内容の数値化(感情の数値化)と競合商品との比較」をうまくまとめたものが、最適解ではないかと現時点での我々は考えています。

最後に余談ですが、
上記のように考えると、その商品と買い手との接点という「売られる場所」を考えた際に、パッケージデザインと店頭販促物デザインは同時に考えるというのが効率的であり、理にかなった売場づくりの最適解だとも考えることができます。
 (846)

コミュニケーションデザインとパッケージデザインと店頭プロモーションを同一部署で同時に考えながら「一気通貫」したブランド戦略と販売戦略を練って施策に落とし込むという課題こそが、
購買者を一人でも多く生み出すという重要目標達成指標への重要な課題であるとも考えています。

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