2024年3月13日 更新

見たら特する!おもしろ店頭販促ディスプレイ特集!2024年第一弾

店頭で面白い売り方や面白い店頭販促物を見つけてきました。その報告です。ワクワクする売場(買場)が創出されています。

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凡美社では店頭を常に観察している。
売場の変化は定点観察、そして各種店頭販促ディスプレイも追っている。
今回紹介するのは2023年の暮れのリサーチレポートである。
随時面白く、ワクワクする売場(買場)をレポートしていく。

店頭販促ディスプレイ特集

① ウェルダー成型アテンション

POP広告の伝統的手法の一つであるウェルダー成型の意欲的なアテンションPOP。
キャラクターが可愛らしく、遠目からも目立っている。
最近、デジタル施策よりも、こうしたアナログ施策の方が目立っている気がする。
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空気ビニールボールを思い浮かべると分かり易いが、同じ加工である。
動物キャラなどが使われていると、こういったウェルダー成型でアテンションPOPを作るこが多い。
起き上がりこぶしのパンチングなども同じ加工だ。
軟質塩ビが強度が一番強いが、焼却時にダイオキシンを出さない素材であるEVA樹脂(エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂)やTPU(サーモプラスチックポリウレタン)などが使われたりもする。
ただし、軟質塩ビに比べると、価格が高く脆いという難点がある。

② 自己推薦ロボットを活用した店頭プロモーションサービス

サイバーエージェントさんの例のあれ。
先進のIT企業が、古典的なギミックにチャレンジするのが面白い。
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ロボットが感知&判断をして商品を推薦してくれる。
サイバーエージェントさんがリテールプロモーションまで手掛けるという時代。
旧のセールスプロモーション業界には脅威だ。
AMAZONEのように、消費者の購買行動を何百種類かに分類し、その行動パターンを割り出しているとか。webでの購買行動データをアナリティクスしてきたからこそのエビデンスとその活用である。
さらに、ギミックとして注目すべきは、ロボット(メカ)に注目がいってしまうため、
その部分を仰々しくしていないこと。
あくまで注目させるのは、商品(商品パッケージ)である。
メカはあくまで販売促進器具であるという解釈が素晴らしい。

③ 壊れたサイネージの行方は

2年ほど前に設置された、ワイン売り場のサイネージ什器。
タッチパネルでワインの特性などを知ることができる。
大がかりな装置であるが、数枚のサイネージが故障していた。こうした什器はメンテナンスが課題。
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④ 華やかなハンドクリーム売り場

秋シーズンからハンドクリーム売り場が華やかになる季節。
什器だけでなく、パッケージも多彩になり、売り場がとても映える。
パッケージ業界関係者も注目する季節である。
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一般的にパッケージデザインは機能性価値伝達、識別性価値伝達、情報性価値伝達、情緒性価値伝達の4つの強弱を考察したりもする。
それは店頭販促物も同じである。
情緒性価値をメインに置きながら識別性を出す。
さらには、機能性価値も一撃で伝えることができるデザインであればなおさら良い。
「○○で1位」や「売れている」や「○○に掲載」などの情報性価値の伝達も購買動機付けになる。

⑤ コンビニ+お酒の美術館

最近話題のコンビニバー。
ローソンとファミリーマートで展開中。
コンビニも、既存の業態からの進化を模索している。
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コンビニの個店はフランチャイズ経営が主だ。
個人事業主が経営する店舗でのさらなる個人事業の展開といったところか。
おもしろい。京都に加盟している店舗が多いのはなぜだろう?

⑥ よく分からない商品には、AIタレント

PCRやガンなどの簡易検査キット売り場。
中には、怪しそうな検査キットもあり。
こうした商品には、既存のタレントは使いにくそうだが、AIがそれを解決してくれた。
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タレントの契約費ほどの費用も必要ないし、スキャンダルの心配もない。
イラストもAIで描かれる時代になった。
こういったものを取り入れながらグラフィックデザインや動画制作を行っている。

まとめ

購買行動というのは、決まりきった購買行動がある反面、実に不安定であやふやでもあると考える。
極論、例えば今日いきなり可愛いコに告白されたという事象で、購買行動が変わるかもしれないし、ブランドシフトをするかもしれない。
それでもある程度の行動は推して測ることが可能である。
ネット上であれば、共通の興味・関心やライフスタイルを持った集団に対しての
製品の開示ができる。トライブを利用できる。
ただ、旧態依然とした店舗の棚割りは、トライブではなくカテゴリーである。
それは仕方ない。なぜなら多種多様なトライブに応じての陳列は不可能だからだ。
それでもカテゴライズされた陳列とそれを破る、クロスMDが昔から成されてきている。
このトライブマーケティングによる最大公約数的な最適化された陳列の仕方を打ち出す小売り店が出てくるかもしれない。
どうだろう。
小売り店舗からすると客単価アップ目的で店舗を回遊してもらう方が店頭戦術としては利があるのも分かる。

何も時短だけが良いことではない。買い物は「用事」ではあるが、だからこそ楽しみたい。店頭に人間味を感じることができる方が良いとも思う。

だが、今はその逆の傾向もある。

2024年問題がニュースでも言われるようになったが、年末年始にはイオンのピックアップ場のCMが入ってきていた。BOPIS(Buy Online,Pick-up In Store)。
アメリカの店頭レポートではコロナ禍を経て平常化されているそうだが、
日本でも当たり前のようになるのだろうか。
時短か人間味か。
もっと生き方を変えると、買い物を慌ただしくしなくてよいとも思うのであるが。。。

了。

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