2020年1月28日 更新

店頭ディスプレイのデザインノウハウ。ハーフミラーを使った見せ方。

見せ方、見え方を考える店頭ディスプレイデザイナー達。素材知識、加工知識をクロスして表現方法を考えます。素材の使い方や加工によっては、未知なる見え方があるかもしれません。ワクワク感の提供も必要です。

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見え方、見せ方を考えて素材や加工を選ぶデザイン力

デザイナーのTKです。
今回は、ハーフミラーという素材について、ご紹介したいと思います。

不思議な鏡の世界

ハーフミラー利用したクリエイティブ作品

ハーフミラー利用したクリエイティブ作品

私がまだ学生の時です。
海外のクリエーターの展示会に行った時に見た作品で、不思議で面白かったものがあります。
それがどういうものかと言うと、上部写真のものなのですが、下から光らしている透明のケースの中に雪だるまのような物体が数体並んでいるのですが、
合わせ鏡で写したように、透明のケースの中がどこまでも広がっていて、雪だるまのような物体も何十体にも何百体にも並んでいるように見える作品でした。
その時は、合わせ鏡になっていると思っていましたが、鏡なのに何故中が透けて見えているのかが解らず、不思議に思っていました。
店頭ディスプレイの仕事をするようになって、あの時のケースがハーフミラーだったのだと言うことが解り、モヤが晴れた覚えがあります。

ハーフミラーの仕組み

さて、このハーフミラーという素材、なかなか面白い素材で、ミラーなのに透明にも見せることが出来ます。
いったいどういう原理でそのように見えるのかというと、普通のミラーは、透明の板にミラーの銀箔が隙間なく塗られているのですが、ハーフミラーは銀箔が、細かく穴が開いた状態で塗られていることにより、反射したり透過したりするのです。

では、どういった状況では反射し、または透過して見えるのかというと、レースのカーテンを思い浮かべてみてください。
昼間明るい外からレースのカーテンのついた窓を見ても暗い部屋の中は見えませんよね。しかし、夜はレースのカーテンの窓から明かりのついた部屋の中が見えます。
また、昼間のビルの窓は、鏡のようになってオフィスの中は見えないのに、夜は中で働いてる人が見えたりしますよね。
それと同じような現象がハーフミラーにも起きていて、明るい方から暗い方を見ると反射して見えて、反対に暗い方から明るい方を見ると透過して見えるのです。
昔見た作品もそういった原理を使って、中を光らせてたんだと思います。

店頭ディスプレイへの応用

このハーフミラーとLEDを使って、少し面白いものを店頭ディスプレイで作ったことがあります。下の写真です。
ミラーとハーフミラーの間にLEDを周囲に仕込むことで、まるで底なしの穴が開いているように見えるのです。
電飾を使うにしても、他の素材と組合せて、『見せる』ことで、未来感・先鋭感・技術感などを表現して、見る人を『魅せる』ことができます。

なかなか不思議で面白くないですか?
LED電飾とハーフミラーとミラーをミックスした店頭ディ...

LED電飾とハーフミラーとミラーをミックスした店頭ディスプレイ

他のおもしろミラー利用

最近森美術館で行われてたレアンドロ・エルリッヒ展でハーフミラーでは無いですが、ミラーを使った物で面白かったものをご紹介します。
 (3072)

 (3073)

地面に建物の壁を作って、巨大な鏡を斜めに設置して鏡には垂直に壁が映り込みます。
みんな地面の壁に自由にポーズをとってミラーに映った自分を撮ってました。めちゃくちゃ大掛かりで面白かったです。
ここまで大掛かりな物は、店頭ではあまり需要はないですが、展示会やイベントブース、ポップアップストアなどで、非日常的な体験とフォトジェニック感を出して集客できるアイデアになりそうですね。商品と絡めて商品ベネフィットやUSPを訴求できて、来場者に商品理解を促進できたり、商品のファンになってもらえたらもっと良いですね。

店頭ディスプレイのデザインに必要なこと

店頭のような様々な物が置かれている所では、忘れられないような工夫が必要です。
このように少し不思議に思うような物や、驚いたり、少しクスッと笑えたりするような物は、人の記憶に大変残りやすいですね。

だいたいの媒体広告は、発信者と受信者が1対1になりますが、店頭では、情報発信している商品の上下左右で競合商品多数が同様に情報発信をしています。

いかにプレゼンスアップをして、ショッパーに対してアテンション力を高めることができるかという点が店頭ディスプレイのデザインには重要です。
そんなデザインをするには、幅広い素材知識や理解、加工知識や理解が必要です。
もちろん、経験値は必要です。しかし、経験値にプラスして、常に自ら外に出て、色んなことに興味を持って、参加して、実際に見て、発見を得て、どんな「見え方、見せ方」を意識したのかなと考えることが大切だと思います。
何か新しい素材を使ったり、工夫した見せ方を考えて、ちょっと不思議だったり面白いものを作りたいですね。

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