リニューアルで販売倍増
キリンレモン 原点回帰のリニューアルで販売倍増|MONO TRENDY|NIKKEI STYLE
キリンビバレッジの「キリンレモン」が絶好調だ。2018年4月、発売90周年を機にリニューアル。当初、販売目標は年間360万ケースだったが、7月には500万ケース、10月には600万ケースへと上方修正した。1~8月の販売実績は前年同期比でおよそ2倍となった。
14年に高校生と共同開発したパッケージから大幅なリニューアルを行っていた。
開発チームが取り組んだのは、現状の問題点の洗い出しと、ブランド価値の根本的な見直しだった。キリンレモンは10年前、80周年のリニューアルでファミリー向けにかじを切った。その後、14年のリニューアルでは若年層にアピールしようと、パッケージを高校生と共同開発した。その結果「子供向け」「ジャンク」といったイメージが思っていた以上に強くなっていたことが、ユーザー調査の結果分かった。
新たなパッケージは90年前のデザインを踏まえてリニューアルした。当時のガラス瓶は「着色料不使用」を伝えるため、透明度の高いものを特注した。今回のペットボトルの容器も、できるだけ瓶に近い形のものを採用。ラベルもかつての紙ラベルと同じように、正面中央だけに図版を置き、透明感を強調するものにした。味は甘さを控え、香りも天然の果実に近いものに変更した。
14年のリニューアル時は、消費者がもともと持っていたブランドイメージから乖離しすぎてしまったのだろう。
新たにメインターゲットとしたのは、ナチュラル志向、健康志向の強い20~30代の女性だ。この狙いが当たった。パッケージのナチュラル感が評判となり、SNSに投稿する人が増えた。キリンレモンは従来、ファミリー向けの需要が大きく、スーパーで大サイズのペットボトルを買って家族で飲むというケースが多かった。新たなユーザー層を取り込むことに成功した結果、小サイズのペットボトルの比率が大きく高まり、コンビニでも戦えるブランドになった。
ナチュラル志向、健康志向の強い20〜30代の女性をメインターゲットとした、とのことだが、年代別の販売実績詳細も見てみたいところだ。
筆者が思うには、行き過ぎたパッケージ揺り戻すリニューアルを行ったことが功を奏し、一度離れた30代後半〜50代のオールドファンが戻ってきて、その層の購入数が一番多い気もする。
どちらにもいける、パッケージングに結果としてなったように思われる。
筆者が思うには、行き過ぎたパッケージ揺り戻すリニューアルを行ったことが功を奏し、一度離れた30代後半〜50代のオールドファンが戻ってきて、その層の購入数が一番多い気もする。
どちらにもいける、パッケージングに結果としてなったように思われる。
時代に合わせたブランドマイナーチェンジについて
消費層が変わることを予期し、ターゲットを再設定する必要が出てくる。
ロングランブランドならば、時折その観点からブランドのマイナーチェンジは確かに必要だろう。
炭酸飲料は確かに若年層が好きなものであるのは事実だ。だが、一方今の60代、70代は炭酸飲料の飲用習慣が乏しいかもしれないが、バブル前後に若者だった40代後半〜50代なかばの層は炭酸飲料の飲用文化が根づいており、かつ人数も多い。
そのあたりの消費動向も踏まえ、数年もしくは十数年かけて段階的にマイナーチェンジをしていくのが現代に合っている気がする。
ロングランブランドならば、時折その観点からブランドのマイナーチェンジは確かに必要だろう。
炭酸飲料は確かに若年層が好きなものであるのは事実だ。だが、一方今の60代、70代は炭酸飲料の飲用習慣が乏しいかもしれないが、バブル前後に若者だった40代後半〜50代なかばの層は炭酸飲料の飲用文化が根づいており、かつ人数も多い。
そのあたりの消費動向も踏まえ、数年もしくは十数年かけて段階的にマイナーチェンジをしていくのが現代に合っている気がする。
間違えに気づいたら、少し時代に合わせてブランドを少し「揺り戻す」。今回のキリンビバレッジ社のブランドのマイナーチェンジは非常に参考になるのではないだろうか。
また、最終的には14年時のパッケージに十数年後戻っているかもしれない。
今回の試行錯誤を行ったことで、その適切なタイミングを図るための知見と判断材料が会社としても蓄積できたのではないだろうか。
今回の試行錯誤を行ったことで、その適切なタイミングを図るための知見と判断材料が会社としても蓄積できたのではないだろうか。