2019年10月11日 更新

マーケティングを考える、下半期の食品キーワード

独身世帯増、少しずつ高齢化、ネットフリックスやhuluなどの配信サービスの充実による1人時間増加、そのような現状が新たな食品のスタイルを生み出しているのかもしれない。

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19年下半期の食品キーワードを考えてみる

マーケティングを考える上では、世の中のトレンドを捉えることが必要になる。食品業界ではどのようなトレンドがあるのだろうか。nikkei styleの記事を元に考えてみたい。

キーワード1「ワンハンドミール」

パッケージの上部を剥いたり、切り取ったりして片手で食べることができる商品が流行っているようだ。
セブンイレブンで売られているサラダチキンスティックをはじめ、剥いてそのまま食べられる商品もあるが、冷凍食品にもワンハンドフードの流れがきているそうだ。
「まぁるい焼豚めし」(ニチレイ)は具材入りの焼き飯料理を丸いおにぎり形状にした新しいタイプの冷食。カレーを混ぜ込んだご飯を焼き上げた「まぁるい焼カレー」、ビビンバ風ご飯を焼き上げた「まぁるい焼ビビンバ」の計3種を展開する
「もっちりマルゲリータ」(マルハニチロ)。朝食にミニサイズのピザを食べる人が増えるなか、もっちりの生地を使った人気のマルゲリータを1人前冷凍ピザで展開。最大の特徴は、折り畳むと片手で持てる形状になる工夫が施された紙容器
ワンハンドも一つのトレンドなのだろうが、「冷凍食品に一人分のものが増えている」というもう一つのトレンドも発生しているのだろう。特に首都圏では、独身者も増え、そのようなニーズが増しているのは間違いない。

キーワード2「頭活」乳酸菌系飲料

一方、胃腸や免疫に作用する機能が注目され、売り上げを伸ばしている乳酸菌領域では、新たに「『頭活』乳酸菌系飲料」がキーワードになる。認知機能の一つである注意力と計算作業効率の維持に役立つとされる、乳酸菌が生み出した成分ラクトナノデカペプチドが配合された「はたらくアタマに」シリーズのドリンク類(アサヒ飲料)がそれだ。ラクトナノデカペプチドはアサヒグループのカルピス研究から発見された成分。中高年を対象としたヒト試験で、8週間の継続飲用によって注意力、12週間の継続飲用で計算能力が改善されることが実証されたとうたう。
最近TVCMの露出が多い脳研など、認知症兆候の検査を行う会社も出始めてきた。
超高齢化社会を迎える日本において、認知症問題は避けて通れないだろうが、その予防的な機運が高まっている現状をマーケティングし、このような頭活商品や、脳検定などの検査商品が出始めているのだろう。今後もしかしたら伸びる事業分野なのかもしれない。

キーワード3「掛ける大豆」

18年にテレビの情報番組から火が付いた「おからパウダー」は、ダイエットに効果があるといわれ、ヨーグルトに振り掛けて食べるブームが急拡大した。ただ、混ぜたヨーグルトは単調な味になってしまいがち。そこで、大豆をパフ状にして、かつ味を付けて食べやすくすることで課題を克服したのが、「ヨーグルトにかける大豆 きなこ風味パフ」「同 いちご風味パフ」(マルコメ)だ。
植物性タンパク質を取ることができる大豆は、納豆や豆腐などこれまでも食用方法があった。だがそれをパフ状にしてヨーグルトにかけるという、新たな食用方法の提案をしている商品だ。

納豆や豆腐などは好みの問題であまり食べられない人もいるであろうが、この食べ方なら嫌う人は少なそうだ。チャレンジングなマーケティング戦略と言えなくもないが、プロモーション展開によっては、今後広まるかもしれない。

キーワード4「超早炊き」

パエリアやジャンバラヤといった家庭では難しい料理が簡単にできる「お米付きRiceDish」(日清フーズ)も注目株だ。アルデンテに調理できる「超早炊き」の米を同梱し、外食の本格的な味を、自宅で短時間に調理できるのがポイント
時間のない人向けに早炊きの米を添付した食品も増えている。パエリアやジャンバラヤも食べてみたいときにニーズが有るのかもしれない。これも、独身者でパエリアやジャンバラヤを出す店に1人で行きにくいもしくは外食のコストを下げたいという人には人気が出るかもしれない。

キーワード5「大人味アイス」

デザートでは黒蜜きなこや濃厚チョコ風味など、「大人味」のものが「バイヤーズグランプリ」ではランキング上位に。なかでも、「雪見だいふく」と「アイスの実」という定番の2ブランドが、共にチョコ味を追加してきたのが興味深い。今冬は、暖かい部屋で濃厚アイスを楽しむ場面が増えそうだ。
「大人味」も最近のトレンドワードだろう。濃厚で味に深みのあるアイスに人気が出ている。

今後の食品業界のマーケティング

今回取り上げた商品をひと通り見たときに、コンビニを基本ステーションとし、週末はネットフリックスやhuluもしくはアマゾンプライムを1人で楽しみながら、過ごしているシーンが浮かんだ。

・ネット社会になり、リアルの場に出ていく機会が減る
・特にお相手のいない人が増えている
・可処分所得も横ばいもしくは減少の場合も
・少しずつ高齢化

このような状況により、できるだけお金をかけたくないが、少しでも違う味わいを楽しみたい、1人でもいつも同じものを食べたくはない、というようなニーズが浮かび上がるのだろう。
おそらく、所得の高い人はまた別の傾向があるのだろうが、そうではない人たちのほうが母数が多いということを踏まえて、各社マーケティングしている結果なのだろうか。今後もウォッチしていきたい。

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