浜崎あゆみのコンサートでも導入されたダイナミックプライシング
昨年末に実は出産していたというニュースも会った浜崎あゆみさん。辛い産褥期にもかかわらずなんとかコンサートは開催されましたが、そこで用いられた仕組みがダイナミックプライシングです。
需要と供給に応じて価格変動するという新しい仕組みです。
需要と供給に応じて価格変動するという新しい仕組みです。
ダイナミックプライシングって何? |サクサク経済Q&A| NHK NEWS WEB
価格設定の現場でいま何が起きているのか。経済部の記者が解説します。
チケット収益は通常の1.5倍にも膨らんだそうです。需要と供給のマッチングが上手く行けば、チケット収益が最大化するのは想像はつきますが、他のメリットも大きいようです。
一般にライブなどの興行でダイナミックプライシングを導入する理由は大きく分けて3つある。
1つ目が不正転売の防止だ。不正転売では、供給より需要が大きいために販売済みのチケットが定価を超える高値で売買され、定価との差額が転売屋の利益になる。ダイナミックプライシングによって販売段階で主催者が需要に応じた価格を設定できれば、転売の利益が小さくなり、不正転売を抑えられるという考え方だ。
2つ目がチケット収益の最大化。人気が高いチケットを需要に適した高値で売れば、収益を拡大できる。
3つ目が観客動員数の最大化。興行に残席が出た場合、チケット代を値引きして販売すれば、空席にするよりも多くの観客を呼べる可能性が高い。その分の売り上げは2つ目の収益の最大化にもつながる。
1つ目の不正転売の防止はうなずけますね。
3つ目は浜崎あゆみさんくらいの人気があるアーティストだとだと、むしろチケット価格は高止まりし、収益の最大化が行なえますが、人気のないアーティストや興行だったとしても需要に応じて価格を下げれば、満席に近づく場合もありそうです。
3つ目は浜崎あゆみさんくらいの人気があるアーティストだとだと、むしろチケット価格は高止まりし、収益の最大化が行なえますが、人気のないアーティストや興行だったとしても需要に応じて価格を下げれば、満席に近づく場合もありそうです。
広がりつつあるダイナミックプライシング
タクシー配車サービスのuberが手掛けるフードデリバリーサービス「uber eats」でも、ダイナミックプライシングの仕組みが導入されているようです。
【便利なものには裏が…】Ubereats(ウーバーイーツ)の仕組み | めしコイ
便利なものには裏がある…!家からほとんど出ずに、「待っているだけ」でお店のおいしいごはんが食べられるUber Eats(ウーバーイーツ)。Uber Eatsの仕組みって考えた事ありますか?どこにお金はいくの?誰が得するの?気になるUber Eats(ウーバーイーツ)の仕組みとお金の動きを説明します!
雨などで天気が悪いときは、配達する人も乗り気が出ないことがあると思います。その場合は配達サービス料を自動で段階的に値上げしていき、手を挙げる配達人が現れるまでそれが続く仕組みです。
逆に晴れていて、配達人が過剰な場合などは、配達料は相対的に下がり、頼んだユーザーの満足度向上に貢献する場合もあるのでしょう。
ダイナミックプライシングが変える消費者意識とプロモーション
ダイナミックプライシング、と言うとわかりにくい感じがしますが、古くからリアルの場でもある仕組みです。
近所のスーパーのお弁当売り場で、19時以降になると200円引きなど、値札が重ね貼りされているのを見たことがある人は多くいると思います。
お店側からすれば、お弁当など保存の利かないものはその日のうちに売り切ってしまいたいのも事業者心理としてはあるでしょう。
近所のスーパーのお弁当売り場で、19時以降になると200円引きなど、値札が重ね貼りされているのを見たことがある人は多くいると思います。
お店側からすれば、お弁当など保存の利かないものはその日のうちに売り切ってしまいたいのも事業者心理としてはあるでしょう。
ダイナミックプライシングが機能するのはそのような制約条件がある場合です。
弁当だけではなく、先の浜崎あゆみさんコンサートチケットやuber eatsの配達料などにも共通して言えることは、「一定の期間内である程度の幅の需給変化が発生する商品」であるということです。
高単価であり、機能性重視の商品、例えば住居や車などでは、事業者側も商品の劣化スピードが食品などに比べ遅いこともあり、ダイナミックプライシングを考えるよりは価格レンジをある程度守りつつ、個別の顧客に対して値引きを状況に応じて行うほうが収益最大化の期待が大きいと言えます。
弁当だけではなく、先の浜崎あゆみさんコンサートチケットやuber eatsの配達料などにも共通して言えることは、「一定の期間内である程度の幅の需給変化が発生する商品」であるということです。
高単価であり、機能性重視の商品、例えば住居や車などでは、事業者側も商品の劣化スピードが食品などに比べ遅いこともあり、ダイナミックプライシングを考えるよりは価格レンジをある程度守りつつ、個別の顧客に対して値引きを状況に応じて行うほうが収益最大化の期待が大きいと言えます。
ただし、ダイナミックプライシングの浸透によって、「一定の期間内である程度の幅の需給変化が発生する商品」はこれまでより厳しい競争にさらされるのかもしれません。
ネットでダイナミックプライシングが浸透していくと、なぜ今高いのか、なぜ今安いのかを消費者がより考えるようになり、意識も変わり、リアルな場での消費者要求も相対的に今よりは上がっていく可能性もあるように思います。
その結果リアルな場でも、価格変更のために電子POPやデジタルサイネージの活用など、ネットでのダイナミックプライシングに合わせた事業者サイドの動きも出てくるかもしれませんね。