2022年11月10日 更新

ニューヨーク店頭レポートシリーズ 第二回

世の中の変化についていっている様ではすでに遅れている。未来を妄想し、自らが起点になって動く。凡美社では最先端の街ニューヨークの店舗を定期的にリサーチして発信していきます。シリーズ第二回。

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凡美社では、アメリカ合衆国の店舗情報を定期的に届けていきます。
シリーズ化して随時レポート報告をしていきます。

2回目はトレーダー・ジョーズを紹介します。

ニューヨークでの店舗洞察

やれることを全部やるのではなく、実現すべき未来のために必要なことをやる。
やれない理由探しをする前に、やれるようにすることを考える。
バックキャスティング型プランニング。

未来を妄想し、自らが起点となって動かしていく。

未来を予測することは難しいだろうか。
特殊な能力が必要だろうか。

市場においては、難しくない。
アメリカで起きていることは、数年後に日本で起きる。

現場踏査。
定点洞察。
未来妄想しながら、見抜く。

そこで思考する。

トレーダー・ジョーズ

トレーダー・ジョーズは、ロサンゼルス郡を本拠とする、アメリカ合衆国のグロサリー・ストアチェーン(食料品スーパーマーケット)である。
日本人が付けた通称はトレジョだそうだ。
2015年には「生鮮食品店」形式の総合食料品店に数えられるようになる。
展開は全米42州とワシントンD.C.に500店舗ほどである。
Trader Joe’s   Upper East S...

Trader Joe’s   Upper East Side - Bridgemarket

人々は本当に買物に行かなくなったのか。

人でごった返すような場所はなくなったのだろうか。

Trader Joe’sには人が集まり、行列ができ、活気にあふれていた。

その活気をつくっているのは、そこで働く人たちだと考える。
多くの店舗はセルフレジを導入し、店頭から人が減っている。
しかし、ここでは逆。
セルフレジはなく、レジがずらりと並び、会話を楽しみながら
会計が進む。
無数のレジが同時に稼働するが、それでも行列は長い。
どこまでも続くような印象。

レジだけではない。
勢いよく商品がなくなっていくので、メインテナンスも頻繁に
行われ、きちんと前だしもなされている。
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オーガニック中心の品揃え、材料から製法までこだわったプライベートブランドが並ぶ。
POPは手書き。
しかも、低価格。

効率重視の他社と比べると、明らかに独自の道を歩んでいる。
顧客層は、幅広く、低所得者にも優しい。
自分の住む街に店舗ができたら、きっと歓迎される店。

スタッフがイキイキしている。
働かされているのではなく、プライド持って働いている。
全員でティール経営に向かっているような印象。
来店者もイキイキしている。
買物を楽しんでいる。
混雑しているのに、ぶつかることも少なく、譲り合う。

どんなに素晴らしい空間装飾も販促策も、そこにいる人間がつくる
空気には勝てない。

顧客とともに店を育てる店。
ティール組織とは、生命体と比喩され、簡単に言えば、細胞一つひとつ(社員それぞれ)が自由に変化し続け、自分たち(チーム)の使命を感じながら、個々人の意思決定によって、ありのままに動く次世代型の組織であると言われています。
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混雑しているが、ストレスフリー。
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得意技はクロスMD。モノではなくコトで売る。
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とことん鮮度重視。品物が回転している実感。
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SDGsへの共感を引き出す。

エピローグ

ニューヨークはスピードの街。
先進国の都会で、せっかちな車のクラクションが鳴り続けている街が他にあるだろうか。
時間を大切にし、時間と闘う日々。

変化を大切にする。

そこに盛者必衰がある。
オムニチャネルにいち早く取り組み、スーパーマーケットのお手本のように扱われていたターゲットが
もはや危険水域。
各地のショッピングモールにあるSPAブランドが次々と店を減らしていく。

変化が早い。
時代についていくということは、時代に対応していくことではない。
対応しているうちに遅れていく。
本当に時代についていくためには、変化への対応ではなく、自らが変化を創造していくこと。
トレンドを見て、模倣をしている暇などない。

見るものは今ではなく、未来。
皆がついて行きたいような未来を描くこと。
それは想像であり、妄想である。
その妄想について行きたい人がたくさんいれば勝てる。

なぜ、アメリカのブランドは頻繁にロゴを変えるのか。
その理由が見えてきた。
変化していくことに大きな価値を見えているからである。

サステナブル。
それは今のままの状態を維持することではない。
変わらないという意味ではない。
常に変化を創造しながら、時代をリードしていく。
そこで初めて持続可能となるのではないか。

第二回 了。

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