2020年3月10日 更新

リアル店舗を使いこなせ! これから求められる店頭ツールとは?

今や買い物は「ネット通販かリアル店舗か」というどちらかを選ぶのではなく、ネットとリアルを連動させて、より買い物がしやすい方法を買い物客が選べるようになった。

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ネット通販とリアル店舗

ネット通販が登場し広まり始めたとき、一部の方から「店頭への販売はいずれ無くなる」といった論調のコメントが聞かれた。ネット通販を利用すれば自分の好きな時に商品を購入することができ、また自宅へ商品を届けてもらえる。買い物する側にとって、これほど便利な仕組みはない。
わざわざ店舗へ足を運んで買い物をするなんて、手間のかかることをする必要が無くなるというわけだ。

なるほど。その考えに理解ができる。

しかし実態としては店舗がネット通販に押されて無くなってしまうという傾向はみられない。
むしろ、ネット通販と連携して売り上げを拡大させようとする施策が増えていると思う。

再認識される「リアル店舗」の役割

例えば、楽天やアマゾンといった大手通販企業は、ネットだけでなくリアル店舗の整備も進め始めている。
楽天は、楽天市場のサービスを体感できる場として楽天カフェを作り、アマゾンも未来の買い物スタイルの提案として「AmazonGO」というAI(人工知能)を活用した無人店舗の実験を始めている。
また、メーカーもネット通販とリアル店舗とを使い分けたマーケティング戦略を進めている。
ネット通販は、自社商品を使用しているユーザーと直接コミュニケーションをとる事ができる場、
リアル店舗は商品に触れ、より深く理解してもらうための場、という形だ。

リアル店舗は「商品に触れられる」「商品を試すことができる」「専門家に質問ができる」という場であることが、ネット通販と比較されることで再認識され始めた。

【楽天カフェ】
https://cafe.rakuten.co.jp/
【AmazonGO】
http://www.youtube.com/watch?v=NrmMklMyrxc

店頭は、「大体験ツール時代」

店頭を視察していると、この1年ほどの傾向として店頭ツールの変化に気づくことができる。
それは、「商品体験を促すツール」が格段に増えたことだ。
今までも芳香剤シャンプーなどの「香りのテスター」や、生理用品などの「肌ざわりの確認サンプル」といったものはよく見かけた。
今ではその種類やデザイン、採用メーカーも大きく増えている。
【 色とりどりの香りのテスター 】 (407)

例えば「香りのテスター」であれば、従来は香りの元を入れた成型ホルダーを使用することが一般であったが、2~3年前よりオリジナル構造やデザインのテスターが増え、テスター自体がとても華やかな店頭ツールになっている。
また「肌ざわり確認サンプル」は、採用するメーカーやカテゴリーも増え、生理用品、赤ちゃんの紙おむつ、大人の紙おむつといった売り場はもちろん、ペット用の紙おむつ売り場にまで体験サンプルが充実している。
via 【 色とりどりの香りのテスター 】
【 ストッキング体感ツール 】 (410)

さらにストッキングなどの肌に触れる商品売り場にも体験用サンプルが数多く取り付けられ、「涼感素材」など触れないと商品特徴が分からないものについては、必ず体験ツールが取り付けられるようになった。
via 【 ストッキング体感ツール 】
他にも、家電量販店、ドラッグストア、ホームセンターなどを少し歩いてみるだけで、とにかく様々な店頭ツールを使用した売場が出来ていることに気づく。

一時、リアル店舗で商品を確認しネット通販で買い物をする「ショールーミング」という購買行動が注目されたが、今や買い物は「ネット通販かリアル店舗か」というどちらかを選ぶのではなく、ネットとリアルを連動させて、より買い物がしやすい方法を買い物客が選べるようになった。
その上で、リアル店舗では積極的に商品体験をしてもらうことが購買に繋がるということが現時点での結論となっているようだ。

「商品を確認する」機能から、その先へ

では、この先はどのように変わっていきそうだろうか。

最近の店頭を見ていると一つの傾向が現れていることに気づく。
それは、専門家のカウンセリングがセットとなった、より深い体験ができる施策である。
【 タナカふとんサービスの計測機器 】 (414)

例えば、タナカふとんサービスの展開する「じぶんまくら」では、店頭で買い物客の骨格などを測定することで、最適なまくらの形を教えてくれる。
via 【 タナカふとんサービスの計測機器 】
【 ミズノの計測機器 】 (415)

またミズノはスポーツ量販店の中へ足形を計測する装置を持ち込み、買い物客にとって最適なシューズの形を計測してくれる。
via 【 ミズノの計測機器 】
気軽に訪れることができる店舗にて本格的なカウンセリング付きの商品選びを行ってくれるのだ。
今までは、このようなカウンセリングサービスはショールームなど限られた店舗でのみ受けることができたかと思う。
しかし、これらは買い物客が商品と触れる場である「リアル店舗」の特製を最大限に生かした施策である。
これからは、気軽に足を運べる店舗でもこのような深い商品体験ができる施策が増えていくのではないだろうか。

プロモーション施策へもデジタル化の波が来ている昨今ではあるが、リアル店舗での店頭ツールの役割もまた新たなステージを迎えようとしている。
店頭ツールを通して見た購買行動の変化などを、今後も引き続きレポートしていく。

向坂 文宏

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