2025年9月29日 更新

必見!店頭販促特集!2025年第28弾

双眼鏡売場の進化 / LEDでの電飾進化 / 今どきの香りテスター / タオルを洗ってみた体験

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店頭販促特集

凡美社では店頭販促の実態を常に観察している。
売場は常に市場に対して敏感であり、トレンドが反映される。
メーカー側が展開する店頭ディスプレイや店頭POP、店頭施策。
小売側が展開する店頭施策や店頭POP。
買い物客に対する『価値体験の向上』を目指して、店頭は常に変化する。

店頭でのコミュニケーションデザインや、価値伝達の強弱、
コンストラクションデザインも含めた見せ方、体感させる施策などを追求していく。

そこには、セルアウトを考えたプロモーション施策をもってして、流通との商談にのぞむ
メーカーの提案が見えてくる。
さらに小売り側の商品陳列の仕方や店頭POPからは、今の時世にあわせながら、何とか売ろうというパワーも見えてくる。

POP研究家の向坂氏とタイアップし、
随時面白く、ワクワクする売場(買場)をレポートしていく。

2025年 第28弾

108 双眼鏡売場が拓く2つの没入体験

現代の双眼鏡の二大ニーズ。
「推し活」と「天体観測」。
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双眼鏡といえば「バードウォッチング」や「オペラ鑑賞」という印象はもう過去のものだ。
現在の売場がターゲットにしているのは、“ライブで推しをもっと近くに感じたい人”と、“夜空を見上げて宇宙に触れたい人”のふたつの没入体験層である。

売場はその意図を明確に表現している。
それぞれの棚が異なる用途と世界観を提示しつつ、共通して“見たいものを、もっと見えるようにする”というシンプルなベネフィットで貫かれている。

このように、同じ“モノを見る道具”でも、目的によってまったく違う世界を売る。
それぞれの用途に適したおすすめ倍率や機能比較がPOPで整理されていることで、来店者の“迷い”を“納得”に変える売場体験が設計されている。

『意味のイノベーション』まではいかないが、
双眼鏡は、見るための道具から「感情に近づくツール」へと進化している。
“推し”も“星”も、自分の目で捉えたときにだけ本物になる──その体験を支える売場になっている(笑)。

109 LED時代の売場演出はここまで自由になった

最近、LEDの普及のおかげで、電飾系サインが増えている。
個人的に電飾サインは売り場が華やかになるから好きである。
昔はFL管だったから制作にも色んな規制があったけど、今では作りたいイメージ優先でデザインできるから、企画が楽しそう。
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これらのサインはアテンションを高めるための単なる装飾ではなく、ブランドの“存在感”そのものであり、競合の中での視認性=記憶率を上げるための販促装置である。

注目すべきは、その自由度の高さである。
かつての電飾サインはFL管(蛍光灯)を使用していたため、構造上の制約や熱問題、設計の自由度が限られていた。しかし現在のLEDは、小型・薄型・低電力・低発熱といった特性を持ち、曲面や立体文字の中にも自在に組み込むことができる。

たとえば、
・Xiaomiの「13T」サインは、数字とアルファベットを立体で起こし、文字の内側から発光することでシンボル性を強調。

・OPPOはアクリルプレート内にロゴを刻み、エッジライティングでクリーンかつ先進的な印象を演出。

・ASUS ROGは、柱状ディスプレイにブランドロゴを縦配置し、上下からの面発光でゲーミング感を高めている。

・MSIは、やや寝かせた角度で配置し、見る位置によって文字の立体感が変わる演出まで計算されている。

これらのサインが実現できている背景には、LED照明の“部材としての一般化”がある。
かつては特注でしか成り立たなかった表現が、今では安価・短納期で企画できるようになり、ブランド側の「見せたいイメージ」をそのまま形にできる時代である。
“光らせ方”がブランドの世界観を語る時代。
企画と演出が直結するこの環境は、販促デザインの醍醐味なのかも。

110 低コスト×高機能=最適解。今どきテスターの現場目線

久しぶりにテスターを見てたら技術革新が起きてた。何このアルミパウチ。
テスターと言えば、過去にはオリジナルのミニボトルを成形で作ってて、最近ではバキューム成形で簡易的な加工をしてたような記憶なのだけど、このアルミパウチはさらに簡易的で良いな。
いつから定番仕様になってたんだろう?
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アルミパウチ式のテスター。
カード型の什器の内側にパウチを封入し、ユーザーがワンプッシュで中身を取り出せる仕様だ。この方式、見た目は極めてシンプルで、まるで雑誌付録のサンプルパウチのようだが、実際の売場では驚くほど高機能に成立している。

評価すべきはその省スペース性と什器連携の高さ。
棚の前面レールに吊り下げるだけで設置でき、什器改造は一切不要。
既存棚のままで導入可能である点が、現場の負担を最小限に抑えている。

そして何より、「衛生的かつ試しやすい」ことが強い。パウチは中身が外気に触れにくく、感染症対策の観点でも評価が高い。
特にコロナ禍以降、店頭での“非接触志向”が高まったことで、この仕様が定番化した背景がある。

実はこのアルミパウチ方式、すでに4〜5年前には一部ブランドで採用が始まっていたが、現在では大手ドラッグストアの多くで「標準仕様」として見られるようになっている。
資材費も成形より圧倒的に安く、印刷一体型で販促デザインも簡単に仕込める。
まさに販促×資材の合理化の結晶といえる。
これに代わるものとして印刷(シルク)だけでの香り見本もあるが、香りがもって3ヶ月という難点がありまだまだ採用には至っていない。

テスターとは「売る前に、使ってもらう」装置だ。
“売場で使いやすい形”と“コスト安”の両軸で進化している。

111 “洗い方の違い”を実際に触って体感

お店の人による「やってみた」シリーズ。
洗濯機の方式による仕上がり方違い比較。
面白いことを企画してくれる。
こんな企画してくれてると、思わずそのお店に行っちゃう。
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“商品を使って、実際に比べてみた”という売場は、まさにリアル店舗ならではの醍醐味である。

展示されていたのは、5種類の“同じ白タオル”。
だが、それぞれのタオルにはタグがついており、「新品未洗濯」「天日干し」「縦型洗濯機」「ドラム式洗濯機」「柔軟剤使用」と、洗濯方式や乾燥方法の違いが明記されている。
そしてその違いを「実際に触ってみてください」と促す展示になっている。

店頭には「この柔軟剤で洗ってみました」というボトルPOPまで用意され、単なる家電売場にとどまらず、洗濯体験そのものを“比較”できる空間が成立している。
この感覚は、カタログやネットのレビューでは絶対に得られない。

この販促があくまで「店員による実証=リアルな検証コンテンツ」かは不明でメーカーの方が演出していることも考えられる。
しかし派手なコピーや演出ではなく、「やってみたので、触ってみてください」という素朴な設計が、かえって信頼感を生んでいる。
そしてなにより、来店者の滞留時間が確実に伸びる。
家電売場は本来“スペック比較”が主戦場だが、ここでは「感触」という極めて身体的な判断軸が加わることで、購買理由に“自分ごと”が生まれる構造になっている。

「これが新品です」「これがドラムです」「これが柔軟剤入りです」──
このタオルたちが語るのは、スペックではなく生活の実感だとも言える。

量販店販促の中に、こんな“やさしい比較”があることに、ちょっと感動した。
了。

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bonbi GOSSIP 編集部 bonbi GOSSIP 編集部