ドコモの1980円CMが話題だ
ドコモの値下げが話題になっている。
料金1,980円訴求「一休さん」篇
via www.youtube.com
今、一休さんのこのCMはかなりの本数が流れている。
長年の顧客に報いる割引プランのようだ。
長年の顧客に報いる割引プランのようだ。
家族3人でひとりあたり1,980円/月(税抜)からスマホが使える | NTTドコモ
ベーシックシェアパックと家族みんなシンプルプランご加入かつdocomo with対象スマホで、月々のご利用料金がご家族3人でひとりあたり1,980円(税抜)からスマホが使える!
プランは実際のところこうだ。「ドコモを15年以上ご利用の3人家族なら、全員がdocomo with対象機種でシンプルプラン(2年定期契約※2)をご契約の場合、ベーシックシェアパック※3との組み合わせで、毎月のご利用料金がおひとりあたり1,980円~で使えます。」
実際のところ「15年以上利用」という第一条件は、ナンバーポータビリティが当たり前だったここ数年の中でかなりレアな利用者とも思える。
だがしかし、1,980円/月という金額はかなり割安な金額に見える。格安スマホと比べてもそん色がないくらいだ。
だがしかし、1,980円/月という金額はかなり割安な金額に見える。格安スマホと比べてもそん色がないくらいだ。
これ自体は、10月末の決算説明会にて2019年に携帯料金を2~4割値下げするとした吉澤社長の発表した値下げ内容とは異なるのだろうが、マーケティング上「割安」を訴求していこうという覚悟が表れているとも言える。
ドコモが2019年に料金を2〜4割値下げへ 吉澤社長「分離プランを軸に検討」 - ITmedia Mobile
NTTドコモが10月31日、2018年度第2四半期の決算説明会で、中期経営計画を発表。その中で、現行の料金プランを見直すことを予告。2019年度第1四半期に、現行プランよりも2〜4割程度値下げした新料金プランを提供する。
携帯電話の投資は技術革新のたび(例:3G→4G)に増え、その後数年をかけて、高い営業利益率によりその前の先行投資を取り返していくビジネスモデルだ。今回4Gから5Gへの移行前で投資が必要なこの時期に、なぜ割安をメインとしたプロモーション施策に傾くのだろうか。
菅長官のこの発言で動いたとみる動きもあるが、そう簡単な問題ではないと思われる。
菅長官のこの発言で動いたとみる動きもあるが、そう簡単な問題ではないと思われる。
菅官房長官 携帯料金の大幅値下げ時期 来年10月の見通し 「もっと安いほうがいい」 - ITmedia NEWS
菅官房長官は、「4割値下げの余地がある」と主張する携帯電話の料金について、大幅な値下げが実現する時期は「楽天が参入するあたりには変わっているのではないか」と述べ、来年10月ごろとの見通しを示した。
MVNO(格安スマホ)の脅威
MVNOの契約数シェアは10.3%で、前期比0.3ポイント増、前年同期比1.4ポイント増と、大手キャリアから着実にシェアを奪いつつ、存在感を増しています。
なおMVNOのシェアは、MMD研究所が先日発表した調査結果における「格安SIMをメインで使う割合」と近い値となっています。
MVNOの契約数は1,764万件で、前期比で4.5%、前年同期比で18.7%それぞれ伸びています。
MVNOというとわかりにくいが格安スマホと言えば、通りがいいだろう。
大手キャリア3社の回線を借りて行う格安スマホのシェアが伸びている。
前年比で18.7%の伸びというのは結構な数字だ。
大手キャリア3社の回線を借りて行う格安スマホのシェアが伸びている。
前年比で18.7%の伸びというのは結構な数字だ。
これまで、IT分野に明るい、節約術に明るい人を中心に拡大してきた格安スマホだが、市民権を獲得しつつあるのだ。
ドコモのCM戦略は、他大手2キャリアへの牽制はもちろん、格安スマホへのスイッチを防ぐものでもあると言える。
値下げプロモーションを行う本当の意味
マーケティング戦略上、値下げに関するプロモーションは容易に行うものではないとされる。
それはどんな製品でも最後の砦の一つであり、企業の利益構造を考慮すると、簡単には譲れないはずのものだ。
そして、その弊害は、そのあと仮に付加価値を追加してプロモーションしても効果が上がりにくいということに現れる。一旦低価格サービスを提供する会社というイメージがついてしまうと、それ以外に目が行きにくいからだ。
そんなことはドコモの経営者はわかっているはず。
それでも、値下げをしていくことを企業として決めたのは、そう猶予がないと考えているからだろう。
楽天の携帯事業への参入、格安スマホの伸び、大手3キャリアの純増件数の低下、などさまざまな競合環境の変化により、そう遠くない将来、死に至る可能性があるならば右腕はくれてやれ、ぐらいの心境なのかもしれない。
ちなみに、ドコモとKDDI(au)とソフトバンクを比較すると違いがあることがわかる。
<異なる点>
・3社の中での携帯電話事業売上(国内)の順は、ドコモ、KDDI、ソフトバンクの順
・他事業規模の大きさの順は、ソフトバンク、KDDI、ドコモの順
・海外での事業規模も大きい(ソフトバンク)
・海外の有力投資先の開拓に成功(ソフトバンク)
・サウジや米国との事業にかかわる政治的駆け引きも得意(ソフトバンク)
ドコモも一時海外事業も行っていたが、ほとんどが失敗。KDDIは国内の有力IT企業を買収し、携帯+ネットへの試みを行っていたが、うまくいっているようには見えない。
*編集部注)この記事執筆中の11月1日にKDDIと楽天の業務提携が発表されたが、そのビジネスインパクトなどについては別記事にて紹介してみたい。
その間に、ソフトバンクはスプリントの買収、サウジとのソフトバンクビジョンファンドの開設、半導体開発メーカー大手ARMの買収など、どれも成功につながりつつある施策を次々と実行しているのだ。
それはどんな製品でも最後の砦の一つであり、企業の利益構造を考慮すると、簡単には譲れないはずのものだ。
そして、その弊害は、そのあと仮に付加価値を追加してプロモーションしても効果が上がりにくいということに現れる。一旦低価格サービスを提供する会社というイメージがついてしまうと、それ以外に目が行きにくいからだ。
そんなことはドコモの経営者はわかっているはず。
それでも、値下げをしていくことを企業として決めたのは、そう猶予がないと考えているからだろう。
楽天の携帯事業への参入、格安スマホの伸び、大手3キャリアの純増件数の低下、などさまざまな競合環境の変化により、そう遠くない将来、死に至る可能性があるならば右腕はくれてやれ、ぐらいの心境なのかもしれない。
ちなみに、ドコモとKDDI(au)とソフトバンクを比較すると違いがあることがわかる。
<異なる点>
・3社の中での携帯電話事業売上(国内)の順は、ドコモ、KDDI、ソフトバンクの順
・他事業規模の大きさの順は、ソフトバンク、KDDI、ドコモの順
・海外での事業規模も大きい(ソフトバンク)
・海外の有力投資先の開拓に成功(ソフトバンク)
・サウジや米国との事業にかかわる政治的駆け引きも得意(ソフトバンク)
ドコモも一時海外事業も行っていたが、ほとんどが失敗。KDDIは国内の有力IT企業を買収し、携帯+ネットへの試みを行っていたが、うまくいっているようには見えない。
*編集部注)この記事執筆中の11月1日にKDDIと楽天の業務提携が発表されたが、そのビジネスインパクトなどについては別記事にて紹介してみたい。
その間に、ソフトバンクはスプリントの買収、サウジとのソフトバンクビジョンファンドの開設、半導体開発メーカー大手ARMの買収など、どれも成功につながりつつある施策を次々と実行しているのだ。
他事業上、優位な立場にあるはずのソフトバンクだが、有利子負債なども多い。
これまで携帯電話事業の売上でその債務を支払い、また負債を増やすときにも担保としてきた。2キャリアが仮に大きく低価格路線に舵を切ると追随せざるを得ないのだろうか。
ただの値下げ戦略を取らず、この機を利用した新機軸の商品開発や斬新なプロモーションに打って出ることをソフトバンクには期待したいところだ。
これまで携帯電話事業の売上でその債務を支払い、また負債を増やすときにも担保としてきた。2キャリアが仮に大きく低価格路線に舵を切ると追随せざるを得ないのだろうか。
ただの値下げ戦略を取らず、この機を利用した新機軸の商品開発や斬新なプロモーションに打って出ることをソフトバンクには期待したいところだ。