デザイナー的視点、キャラクター作り
こんにちは。ボンビのペット用品部所属のデザイナーTです。
今回の記事は前回に引き続き、ボンビペット用品ブランドI♥LOVE PETのキャラクターが出来上がるまでについてです。
私の提案したキャラクター、ボンとルコはI♥LOVE PETのキャラクターになったのですが、これがすんなりと決まっていったわけでは無かったのです。
前回はブランドにおける全体的な視点でキャラクターの成り立ちについて記事を書かせてもらいましたが、今回はデザイナーT個人の視点でキャラクター作りの流れについて書いていきます。
今回の記事は前回に引き続き、ボンビペット用品ブランドI♥LOVE PETのキャラクターが出来上がるまでについてです。
私の提案したキャラクター、ボンとルコはI♥LOVE PETのキャラクターになったのですが、これがすんなりと決まっていったわけでは無かったのです。
前回はブランドにおける全体的な視点でキャラクターの成り立ちについて記事を書かせてもらいましたが、今回はデザイナーT個人の視点でキャラクター作りの流れについて書いていきます。
その1:自社ペットブランド研究
まずキャラクターを作るにあたって、個人的に自社ブランドI♥LOVE PETを研究しました。一章でも書いたように、なぜブランドにキャラクターは必要なのか?、どんな使い方をするのか?
同業他社キャラクターも調べ、使われていない要素の洗い出し。
そしてブランドイメージをフォルム、色、ストーリーなど自分なりの言葉に落とし込み、キャラ作りをするための材料を用意します。
同業他社キャラクターも調べ、使われていない要素の洗い出し。
そしてブランドイメージをフォルム、色、ストーリーなど自分なりの言葉に落とし込み、キャラ作りをするための材料を用意します。
その2:キャラアイデア出し準備
商品デザインでもキャラクターデザインでも始まりはいつも一緒、一番大事なアイデア出しからです。思いついた言葉、文章、イラストをとにかく出せるだけ出す作業。
この作業が核になってデザインを進めていくので、時間をかけてでも取りこぼしが無いよう、全部はきだしていきます。
この作業が核になってデザインを進めていくので、時間をかけてでも取りこぼしが無いよう、全部はきだしていきます。
特に大事なのが裏紙と鉛筆の濃さ!
裏紙が1番自由な気持ちで描けるので、アイデアスケッチはミスプリ裏紙と決めています。A5サイズが飽きずに描き埋められて、次のページへ移れるちょうどよい広さなんです。
1つの商品につき、この裏紙メモ帳が多いときは10冊程消費します。気に入らないページをちぎって捨てられるラフさも◎。気に入ったものはスキャンしてデータ化するか、部分を切り取ってスクラップブックに貼って保存しています。
鉛筆もこだわりです。濃さ薄さの筆圧調節が簡単で、一番なめらかに筆が進むのがB!(あくまで私個人の感想です)
裏紙&鉛筆のコンボは、アイデアスケッチに必要不可欠なアイテムです。まだ自分のアイデア出しスタイルが決まってない方にはぜひオススメしたい組み合わせとなっております!
裏紙が1番自由な気持ちで描けるので、アイデアスケッチはミスプリ裏紙と決めています。A5サイズが飽きずに描き埋められて、次のページへ移れるちょうどよい広さなんです。
1つの商品につき、この裏紙メモ帳が多いときは10冊程消費します。気に入らないページをちぎって捨てられるラフさも◎。気に入ったものはスキャンしてデータ化するか、部分を切り取ってスクラップブックに貼って保存しています。
鉛筆もこだわりです。濃さ薄さの筆圧調節が簡単で、一番なめらかに筆が進むのがB!(あくまで私個人の感想です)
裏紙&鉛筆のコンボは、アイデアスケッチに必要不可欠なアイテムです。まだ自分のアイデア出しスタイルが決まってない方にはぜひオススメしたい組み合わせとなっております!
その3:手書きアイデア出し
私のやり方としては、最初から絵を描いてキャラクターを作る進め方と、キャラクターの基となる要素を文章で書きだしてから絵を描く進め方をすることが多いのですが、今回は会社のキャラクター作りコンセプトが大事なので、頭の整理もできる後者の進め方のほうを多くやっていました。
理由付けをして書いた絵はキャラクターが出来上がったときに、なぜこういうキャラにしたのか説得力もぶれにくい気がするからです。
理由付けをして書いた絵はキャラクターが出来上がったときに、なぜこういうキャラにしたのか説得力もぶれにくい気がするからです。
他の企画のデザインをしているときにでも、思いついたら書けるように裏紙メモ帳は机の端に置いておきます。
写真のページにはあまり写っていませんが、イラスト以外にも性格や行動、チャームポイントなどの補足情報もたくさん書き込んでいます。
写真のページにはあまり写っていませんが、イラスト以外にも性格や行動、チャームポイントなどの補足情報もたくさん書き込んでいます。
その4: アイデアまとめ・提案書
次に、量のある鉛筆の下書きを形に出来そうな物へ整理します。コンセプトが近い物、デザインの雰囲気が似ている物をくっ付け合って、一つのキャラクターに仕立てる作業です。
大体このあたりからPCソフトのillustratorを使い始めます。鉛筆のアイデアスケッチをスキャンしてソフトで線取りをし、大まかなキャラクターのフォルムを決め、 線の太さ、パーツの形、色、模様などをパソコン上でいくつも作り、バランスの良い組み合わせを見つけていきます。
大体このあたりからPCソフトのillustratorを使い始めます。鉛筆のアイデアスケッチをスキャンしてソフトで線取りをし、大まかなキャラクターのフォルムを決め、 線の太さ、パーツの形、色、模様などをパソコン上でいくつも作り、バランスの良い組み合わせを見つけていきます。
ここまでくると、やっと部署内での提案会です。自分の作ったキャラの押しポイントをプレゼンしたり、他の人の提案キャラを見て意見交換をします。全員がピンとくるものが無く、再考・作り直しになることもザラで、ここまでの1~4の工程はI♥LOVE PETキャラクター作りの中では何度も繰り返されました。
私が部内の提案会で出した提案書一覧です。あくまでキャラクターの方向性を決める提案会だったので、ここから再度デザイン調整をすることを見越してキャラクターのデザインタッチをわざとバラバラに考えているのがポイントです。
皆が出した提案書の中から良さそうなアイデアを拾い、そこからキャラクターを撚り膨らませて考える。そう、これはキャラクター作りの終わりではなく始まりにすぎないのです…
この中にI♥LOVE PETのキャラクター、ボンとルコの原型があるのですが皆さんはお気づきでしょうか?
皆が出した提案書の中から良さそうなアイデアを拾い、そこからキャラクターを撚り膨らませて考える。そう、これはキャラクター作りの終わりではなく始まりにすぎないのです…
この中にI♥LOVE PETのキャラクター、ボンとルコの原型があるのですが皆さんはお気づきでしょうか?
その5: どの提案キャラクターを進めていくか
何度か繰り返された部内提案会と社員アンケートなどでキャラクターが大体絞られました。その選ばれたいくつかのキャラクターをさらに展開していきます。色、表情、等身、タッチといったイラストの変化違いを作ってみたり、設定の見直しをしていきます。
キャラクター見直し前のデザインは、ペット用品部で過ごしているパピヨンのブランをイメージしたブラン(そのまんま)と、クールな雰囲気をイメージした黒猫をモチーフにしたノワールというキャラクターです。 このキャラたちをもっと良くしていくために考え、修正していきます。
まず修正点として、万人受けするキャラクターになるよう、パピヨンという固定犬種をやめる事にしました。みんなが親しみを持てるように「猫」「犬」という大きいジャンルで判断できる外見に変更です。
また、瞳が大きくて初見だとガーリーで低年齢女児向けキャラクターの印象が強く感じられます。I♥LOVE PET商品の購入者は女性が多いといってもちょっとかわいすぎて、大人の女性は受け入れにくいかもしれません。かわいさは残しつつどんな年齢層でも受け入れやすい表情を考え作り直します。
ブランドとの結びつきも弱いので、そこも再考点でした。
まず修正点として、万人受けするキャラクターになるよう、パピヨンという固定犬種をやめる事にしました。みんなが親しみを持てるように「猫」「犬」という大きいジャンルで判断できる外見に変更です。
また、瞳が大きくて初見だとガーリーで低年齢女児向けキャラクターの印象が強く感じられます。I♥LOVE PET商品の購入者は女性が多いといってもちょっとかわいすぎて、大人の女性は受け入れにくいかもしれません。かわいさは残しつつどんな年齢層でも受け入れやすい表情を考え作り直します。
ブランドとの結びつきも弱いので、そこも再考点でした。
その6: 自社ブランドキャラクター決定へむけて
このキャラクターで最終工程であるのキャラ決定会議にかけました。最終会議の資料では、前回記事でも画像紹介したキャラクタープロフィール以外に、表情動きパターン案や実際に使う場合を想定したキャラクターバナーを作り提案しています。
このような部署内で出た最終キャラクター提案書を、弊社社長、販売会社社長に見ていただき、キャラクター決定会議が行われました。
結果採用に!
こうしてI♥LOVE PETのキャラクター、ボンとルコが誕生したのでした。
結果採用に!
こうしてI♥LOVE PETのキャラクター、ボンとルコが誕生したのでした。
その7:最後に・・・
個性的で、ゆる~いキャラクターも魅力的ですが、「誰にでも受け入れられるブランド」「面白くておしゃれにかわいい」を会社の売りにしていきたかった私は、あえて今回のキャラクターでは、個性的なものを選ばずに工程を進めました。
キャラクターも商品イメージを壊さない、明るく受け入れやすい親しみある存在にしたかったからです。個性的過ぎると使いにくく、でもありきたりだとつまらない。
会社やブランドイメージと合うキャラクター作り、使い方、その調整の配合はキャラクターのみでは成り立たないと、このたび感じました。単体で見て面白いキャラクターでも、会社もしくはブランド側の考えと合っていなければ育てにくくなってしまいます。
キャラクター作りは奥が深い…。中々ない、ブランドキャラ作りという面白い機会に参加でき、楽しかったです。もっといろいろ作ってみたいと感じます。(個性的過ぎるキャラクターも作りたいな~)
最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございます。改めてボンとルコをよろしくお願いします。上手に育てていかなくては!
キャラクターも商品イメージを壊さない、明るく受け入れやすい親しみある存在にしたかったからです。個性的過ぎると使いにくく、でもありきたりだとつまらない。
会社やブランドイメージと合うキャラクター作り、使い方、その調整の配合はキャラクターのみでは成り立たないと、このたび感じました。単体で見て面白いキャラクターでも、会社もしくはブランド側の考えと合っていなければ育てにくくなってしまいます。
キャラクター作りは奥が深い…。中々ない、ブランドキャラ作りという面白い機会に参加でき、楽しかったです。もっといろいろ作ってみたいと感じます。(個性的過ぎるキャラクターも作りたいな~)
最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございます。改めてボンとルコをよろしくお願いします。上手に育てていかなくては!
②よく消える消しゴム
③濃さB鉛筆
④太さ0.5ペン