2022年11月18日 更新

ニューヨーク店頭レポートシリーズ 第三回

世の中の変化についていっている様ではすでに遅れている。未来を妄想し、自らが起点になって動く。凡美社では最先端の街ニューヨークの店舗を定期的にリサーチして発信していきます。シリーズ第三回。

198 view
凡美社では、アメリカ合衆国の店舗情報を定期的に届けていきます。
シリーズ化して随時レポート報告をしていきます。

3回目はウォールフーズ・マーケットを紹介します。

ニューヨークでの店舗洞察

やれることを全部やるのではなく、実現すべき未来のために必要なことをやる。
やれない理由探しをする前に、やれるようにすることを考える。
バックキャスティング型プランニング。

未来を妄想し、自らが起点となって動かしていく。

未来を予測することは難しいだろうか。
特殊な能力が必要だろうか。

市場においては、難しくない。
アメリカで起きていることは、数年後に日本で起きる。

現場踏査。
定点洞察。
未来妄想しながら、見抜く。

そこで思考する。

ウォールフーズ・マーケット

ウォールフーズ・マーケットは、アメリカ合衆国のグロサリー・ストアチェーンである。
アメリカ合衆国を中心に、カナダとイギリスを含めて、合計270店舗以上を展開している。
グルメ・フード、自然食品、オーガニック・フード、ベジタリアン・フード、輸入食品、
各種ワイン、ユニークな冷凍食品も品揃えし、いわゆる「グルメ・スーパーマーケット」と呼ばれる比較的高級志向の食料品小売店に分類されている。
WHOLE FOODS MARKET   Bryant...

WHOLE FOODS MARKET   Bryant Park

2018年8月よりAmazon.comの傘下に入ったWhole Foods Market。

Amazonプライム会員はその時々の商品が10%割引になる。
Amazonの注文受け取りや返品を店舗で行える。

そういったAmazonと連携したサービスが目立つ。

店内はシンプルかつ整然としていて、
華美なシーズン装飾も見当たらない。

来店客も、買い物を楽しむというよりは
必要なものを手っ取り早く手にいれるといった様子。

売り場に突飛な仕掛けはなく、
商品価格は平均より高めのスーパーだが、

平日を中心にレジは、しばしば行列ができる。
 (5917)

とにかく“ある”という信頼感。

商品棚は常に前出しが徹底されていて、
隙間なく等間隔に並んだ商品の数々は無機質な印象すらある。

それがWhole Foods Marketの信頼であると考える。

見やすく、充実した商品棚。

売れ残るリスクを考えれば、ここまでの商品充足度は
非合理かもしれない。

それを行い、保ち続けているのは
消費者側にとって合理的で便利な店舗とは何か
を考え実行している証左とみる。

欠品の多いアメリカの他店舗に対し、
常に“ある”状態を担保しているからこそ
消費者は日常生活の動線に安心してWhole Foodsを組み込める。
 (5919)

 (5920)

青果も常に充実・整理整頓されている
 (5921)

PBを含むコスメが豊富
 (5923)

amazonのピックアップ・返品が行えるカウンター
 (5925)

店内カフェスペース。常に一定数の客がいる。

エピローグ

ニューヨークはスピードの街。
先進国の都会で、せっかちな車のクラクションが鳴り続けている街が他にあるだろうか。
時間を大切にし、時間と闘う日々。

変化を大切にする。

そこに盛者必衰がある。
オムニチャネルにいち早く取り組み、スーパーマーケットのお手本のように扱われていたターゲットが
もはや危険水域。
各地のショッピングモールにあるSPAブランドが次々と店を減らしていく。

変化が早い。
時代についていくということは、時代に対応していくことではない。
対応しているうちに遅れていく。
本当に時代についていくためには、変化への対応ではなく、自らが変化を創造していくこと。
トレンドを見て、模倣をしている暇などない。

見るものは今ではなく、未来。
皆がついて行きたいような未来を描くこと。
それは想像であり、妄想である。
その妄想について行きたい人がたくさんいれば勝てる。

なぜ、アメリカのブランドは頻繁にロゴを変えるのか。
その理由が見えてきた。
変化していくことに大きな価値を見えているからである。

サステナブル。
それは今のままの状態を維持することではない。
変わらないという意味ではない。
常に変化を創造しながら、時代をリードしていく。
そこで初めて持続可能となるのではないか。

第三回 了。
SPA(speciality store retailer of private label apparel)とは、アパレル分野を中心として、小売業が製造の分野まで踏み込み、自社のオリジナル商品の開発を行い、自社で販売する方法。
SPAで有名なブランドに、ユニクロやコムサなどが挙げられる。

関連する記事 こんな記事も人気です♪

ニューヨーク店頭レポートシリーズ 第四回

ニューヨーク店頭レポートシリーズ 第四回

世の中の変化についていっている様ではすでに遅れている。未来を妄想し、自らが起点になって動く。凡美社では最先端の街ニューヨークの店舗を定期的にリサーチして発信していきます。シリーズ第四回。
株式会社凡美社、店頭販促をDXする 新サービス「bonbisha-DX」を開始

株式会社凡美社、店頭販促をDXする 新サービス「bonbisha-DX」を開始

株式会社凡美社は新たに店頭に強いDXビジネス開発事業として「bonbisha-DX」を立ち上げました。
【最終回】ニューヨーク店頭レポートシリーズ RETAIL POWER IN NYC vol.7 エピソード2

【最終回】ニューヨーク店頭レポートシリーズ RETAIL POWER IN NYC vol.7 エピソード2

7回目になるニューヨーク店頭レポートシリーズ RETAIL POWER IN NYC。世界の中心とも言われるニューヨークの様々な販売チャネルの店頭を洞察してきた。今回は店員同士の会話模様。
リテールにイノベーションを。アメリカのRetail Innovation Conferenceレポート 第三回

リテールにイノベーションを。アメリカのRetail Innovation Conferenceレポート 第三回

Retail Innovation(小売革命)に取り組めない企業は、生き残れないと言われる時代。コネクテッドコマースが注目を集めている今、アメリカで開催されたリテールイノベーションカンファレンスのレポートを4回に分けて発信します。
リテールにイノベーションを。アメリカのRetail Innovation Conferenceレポート 第一回

リテールにイノベーションを。アメリカのRetail Innovation Conferenceレポート 第一回

Retail Innovation(小売革命)に取り組めない企業は、生き残れないと言われる時代。コネクテッドコマースが注目を集めている今、アメリカで開催されたリテールイノベーションカンファレンスのレポートを4回に分けて発信します。

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

bonbi GOSSIP 編集部 bonbi GOSSIP 編集部
   
            スゴイコト