2017年6月29日 更新

道路標示

道路に白や黄色でペイントされた文字や線や矢印などを道路標示と言う。そのデザインについて。

2,189 view
 (773)

自宅の周辺を散歩しながら撮影した道路標示をコラージュしてみた。かすれ具合もそれぞれで、これはなかなかデザインとして面白い。クルマとバイクと、人や犬や猫が作ったかすれだ。本当はかすれない方がいいのだろうが、被写体としたらこのかすれ具合がいい。しかし、これを道路にペイントするのはかなりの技がいる。
毎日見る道路に白や黄色でペイントされた文字や線や矢印などを
道路標示(道路標識ではない)と言う。

見慣れてはいるものの、どれを見ても同じ書体と大きさで描かれている。
車のドライバーが昼でも夜でも読みやすいように極長体で描かれた文字は、
さらに通行中の車両を規制して短時間で描けるデザインでないといけない。

それ故にマニュアルによる厳しい規定があると思われる。

以前知り合いの若者がこれのアルバイトをやった時の話を聞いたが、
技術的にも大変だが、かなりの重労働だと言っていた。
特にこれからの季節は日射しがアスファルトに当たって生じる輻射熱との戦いでもある。
実はこの作業をやるには路面標示施工技能士という国家資格がいるらしい。
チョークでアウトライン(補助線)を描いてから
熱した白い(あるいは黄色の)速乾性のペンキで一気に塗る。
何度か作業している現場に出会ったことはあるが
その無駄のない作業はかなりの経験が必要と思われる。
そして何よりもこの作業で重要なのは、
限られた時間の中でも失敗が許されない一発勝負というところだ。
ひらがなは曲線も使われているので難しそうである。

あらゆるモノがデジタル化される中で
この道路標示の文字はいまだに人間の熟練したアナログな技術で描かれているところが興味深い。
道路標示で使われるフォントは一体誰がデザインしたのか、
ネットで調べたがわからなかった。

僕たちグラフィックデザイナーもいろいろなフォントを使うが、
この道路標示のフォントぐらい機能性と安全性を求められるフォントはないだろう。

そこにはデザインの原理原則があるように思う。

関連する記事 こんな記事も人気です♪

販促に携わるグラフィックデザイナーが語るサッカーユニフォームデザインのこぼれ話。

販促に携わるグラフィックデザイナーが語るサッカーユニフォームデザインのこぼれ話。

グラフィックデザイナーの目線でのサッカーユニフォームのこぼれ話です。
トレーニング好きデザイナーの筋トレ豆知識

トレーニング好きデザイナーの筋トレ豆知識

トレーニング効果を向上し、しかも回復を早くする「筋膜リリース」。耳慣れない「筋膜」を知ることで、トレーニングのみならず日常生活の活動も向上させることができる・・・。そんな豆知識です。
「 POP-UP が好き! 」

「 POP-UP が好き! 」

「店頭販促物デザインは1日にしてならず!」。商品情報をきちんと訴求しながら、そこにアテンション力やワクワクする世界を創造する店頭POPデザイン。アイデアは興味と様々な努力のストックから生まれます。
店頭ディスプレイのデザインノウハウ。ハーフミラーを使った見せ方。

店頭ディスプレイのデザインノウハウ。ハーフミラーを使った見せ方。

見せ方、見え方を考える店頭ディスプレイデザイナー達。素材知識、加工知識をクロスして表現方法を考えます。素材の使い方や加工によっては、未知なる見え方があるかもしれません。ワクワク感の提供も必要です。
音楽とデザインのアプローチの共通点

音楽とデザインのアプローチの共通点

販促デザイナーのSが音楽とデザインの共通点を語ります。プロモーションのための商業デザインは支持されないといけませんが、音楽には商業的なものもあれば、そうでないものもあるのかもしれません。販促の現場だけではなく、日々の生活からも学びがあります。

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

AK AK