販促に携わるグラフィックデザイナーが語るサッカーユニフォームデザインのこぼれ話。

⚽ 評価の高い日本代表の新ユニフォームのデザイン。

２月から日本では J リーグが開幕しています。
昨年末のカタール W 杯からサッカーに興味を持って、初めて J リーグを観戦する方もいらっしゃるのではないでしょうか。
それほど日本代表の快進撃は心に残るものでしたし、強豪国を相手に勝利した翌日に入ったスポーツ店では、
“サムライブルー”のユニフォームが飛ぶように売れていたのを覚えています。
日本ならではの“ ORIGAMI ”をコンセプトとした日本代表の新ユニフォームは、
和テイストを感じさせる繊細なデザインが海外でも高い評価を得ています

⚽ なぜサッカー日本代表のユニフォームはサムライ“ ブルー ”？！

各国の代表ユニフォームといえば、
今大会優勝したアルゼンチン代表は空色 × 白色。
準優勝だったフランスは藍色。
最多優勝回数を誇るブラジルは黄色 × 緑色。
その他の国も代表ユニフォームの色使いは、国旗もしくはナショナルカラー※をベースにしています。
（※ナショナルカラーとは、国旗や国章を基にした色、もしくはその国の歴史に深く関わる色を指しています。）
しかし日本では、スポーツにおいてナショナルカラーを正式には制定していません。
そのため各スポーツごとに違ったカラーリングの日本代表ユニフォームになってしまっています。
ではなぜ、サッカー日本代表はサムライ“ブルー”なのでしょうか‥。
日本サッカー協会（JFA）の公式サイトによると、「1930 年、日本代表チームは、初めて全国からの選抜メンバーで編成され、
その時に、『国土を取り巻く海』をコンセプトにユニフォームのカラーを青に制定しました。」と、あります。
‥ですがこれは後付けで、実は日本サッカー協会 (JFA) にも明確な資料が残ってないとの話も公然と囁かれています‥。

日本サッカー協会（JFA）の公式サイトによると、「1930年、日本代表チームは、初めて全国からの選抜メンバーで編成され、その時に、『国土を取り巻く海』をコンセプトにユニフォームのカラーを青に制定しました。
via JFA公式サイト

⚽ 背番号は自由に決められる？

W 杯における背番号は、選手登録人数の 1 ～ 23 番までしか
つけられませんが、（2022 カタール W 杯では 26 番まで）
欧州のクラブチームでは「固定番号制」が導入された現在、
どのポジションであってもチーム内で重複しない限り
1 ～ 99 番まで自由に番号をつけることができます。
世界的には、ネイマール選手の背番号といえば“10 番”。
クリスティアーノロナウド選手は“７番”などが有名ですね。

J リーグでは背番号は１～50 番の中から選ぶルールでしたが、今シーズンから 1～99 番の中から選べるように改定されました。
ちなみに、J1 で 99 番をつけているのが、C 札幌小林祐希選手、川崎 F 上福元直人選手、G 大阪谷晃生選手、A 福岡井手口陽介選手になります。
(2023 年２月現在筆者調べ )

⚽ 背番号のフォント ( 書体 ) は自由なの？

イギリスのプレミアリーグでは、1997 年から全クラブのユニフォームで使用する
数字とアルファベットのフォントを統一しました。
色のパターンは数種類用意されていて、ユニフォームごとに決められます。
現在では、スペインリーグのラ・リーガ、フランスリーグのリーグ・アンでも
番号のフォントはリーグごとに決められたもので全クラブ統一されています。
ちなみに、統一フォントについてはシーズンを通して行うリーグ戦のみが必須なので、
カップ戦などではオリジナルフォントの背番号を採用しているチームもあります。
J リーグでは 2021 シーズンから全ての公式戦で使用するユニフォームの背番号・選手名の
フォントデザインを全クラブで統一しました。

プロスポーツでは、選手がその卓越したプレーで観客を楽しませるのが第一ではありますが、
競技やクラブ・選手に対して、観客により親しんでもらうために、ユニフォームのデザインルールも少しづつ変化を重ねていってます。
さて次の W 杯では、日本代表の新ユニフォームはどのようなデザインで、どんな選手が袖を通すことになるのか‥。
今から楽しみですね。

了