2017年10月12日 更新

店頭販促物紹介シリーズ 第1回 メラミン板加工

「見え方」「見せ方」さらには使用されるオペレーションも考えてデザイン設計をしていくためには、特殊なデザイン能力が必要です。同時に、素材知識、製造知識、加工理解も必要です。

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店頭販促物紹介シリーズ

「POP」「ディスプレイ」「什器」「サイン」「体感ツール」と呼ばれるものには、『見え方』や『具現化』の観点から、そのデザインや製造にあたり、様々な素材が用いられ、様々な加工方法が施されています。

我々ボンビグループは、店内、店外含め、消費者(ターゲット)にワクワク感を持って戴くために、『見せ方』と『製造方法』の工夫を重ねてきました。
新素材、新技法、設計のための新ソフト、などの情報収集と導入、協力会社様との提携をしながら、製造知識と加工理解、リスクヘッジマネジメントにおいても日々進歩し続けています。
時には失敗をしながらも60年の歴史の中で失敗を糧に独自のノウハウを蓄積しており、さらに次の時代に向けて開拓中でもあります。

ペット事業部では、消費者の手元に届く商品の開発・製造・品質管理を行っています。
「見え方」「見せ方」さらには使用されるオペレーションも考えてデザイン設計をしていくには、特殊なデザイン能力が必要であり、素材知識、製造知識、加工理解が必要です。
このシリーズでは、企画デザインから設計、製造までを具現化できるチカラ、ボンビソリューション『発想から発送まで』をご紹介していきます。

シリーズ第一回 メラミン板加工

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編集のOです。
第一回目は店頭販促物ではなく、実際に売られる商品の企画製造に関しての例を紹介します。今回はプロダクトの具現化の紹介です。

株式会社宣伝会議さんが手掛けられている「Saga Dish & Craft」というイベントにおいて、佐賀県のカフェで販売されるランチョンマットの製作を宣伝会議さんからご依頼頂きました。

最初に頂いた依頼内容は「ランチョンマットにクリエイターさんのイラストを入れて売りたい」というものでした。出来れば、「木製品がいい」というものでした。
もちろん、その案件には『予算』があります。
製造したい希望数量と予算があって、さらに希望の納期があって、その上で希望の仕様での製造が実現可能かどうかという点が重要です。
第一段階は手探りで、金額的な『松竹梅』で3パターンの見積もりを提出しました。
再度、正確な予算と、前回よりも詰まった納期を提示された状態で次のステージに進みましたが、希望の予算と希望の納期と希望の仕様で具現化できるかどうかといえば、はまらない状態でした。
しかし、我々はあきらめません!
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木製品というのは、材料の調達やさらには印刷部分の平滑性を出すのに、本加工前に一苦労をします。
四角い頭で木製品のみの頭で何とかしようとすると改善策が出ません。
しかし、そこはノウハウです。
今回は木目調の化粧板の利用を考えました。
最近テレビCMを見かけるアイカ工業株式会社さんのメラミン化粧板のサンプル帳を引っ張り出します。このサンプル帳に載ってある化粧板を選定して、貼り合わせて合板をつくることが可能なのです。

この素材は『木製』ではなく『樹脂製』になります。化成品です。

メラミン樹脂として木目模様をつけて、アイカ工業さんが規格品として販売されています。
他にもタイル風や、キラキラした板や、銀風、金風のメラミン樹脂板があります。こういったものは、アイカ工業さんのCMでも発信している通り、建材などでよく使われています。

問題発生1

すぐに見積もりをお願いすると同時に、納期確認をして在庫を仮抑えしました。
この規格品の化粧板を2枚重ねて貼り合わせて厚みを出すことにしました。
アイカ工業さんからは指定の化粧板を買うまでで、それ以降の加工はまた別会社で行います。

さて、ここで問題が発生します。

通常このような厚みのある樹脂板への印刷は、シルク印刷という印刷手法で印刷をします。
提出した見積もりには1色シルク印刷の場合、4色シルク印刷の場合と明記していたのですが、
いざデザインをされるクリエイターさんの過去のデザインをみると、4色掛け合わせの表現ばかりが多いのです。シルク印刷は布への掛け合わせ印刷はまだしも、通常だとのっぺりしてしますので
ベタ印刷で「見え方」「見せ方」を考えます。
ベタ4Ⅽでデザインをお願いしますと頼みましたが、印刷知識がない方は4Ⅽ掛け合わせでしか表現できないデータをつくられます。
(これは業界あるあるです・・・)
特色指定と、その色の濃度を下げて薄く表現をするという方法も打診しましたが、時間ばかりが過ぎていく状況にあったので、さらなる具現化を考えました。
インクジェットの吹き付けです。
これは、時間も値段も余計にかかる手法です。
しかし、ここが判断のしどころです。
この手法での時間交渉、価格交渉の深堀りをします。
優秀なボンビの製造管理部隊は、ただ、時間を縮めてくれ、値段を安くしてくれ、という依頼ではなく、その方法を的確に協力会社様に指示して、問題ある案件を具現化できるようにもっていきます。(値段に関しては、様々な駆け引きがありますので、様々なやりとりがあったと思われます笑)

考察、実証、判断、Go、さらに心配、念押し

さて、さらに問題が発生します・・・。

シルク印刷の場合だと、被印刷面とインクとの圧着がいいのですが、インクジェット印刷はインクが剥がれる可能性がシルク印刷よりも大きくなります。

今回製作のランチョンマットは販促物ではありません。
消費者の手に届く、店頭で販売される商品です。
このことを念頭に置きながら初動をするのですが、いざ、最終仕様を決める段階で、
このリスクヘッジに再度注力します。
インクジェット印刷サンプルをつくり、それを水で洗い、爪でこすって、タワシでこすって実証実験をしました。インクは剥がれなかったので、次に、2枚重ねの粘着が水によって剥がれたり浮いたり湾曲したりしないかを確かめるために水で濡らしたまま1日放置して検証しました。
特に問題はありませんでした。
よって、そのまま進行をする判断をしながら、さらにリスクヘッジするために取扱い注意書には、「爪やタワシなどで擦るとインクが剥がれる可能性があります」と明記してクライアント様に了承を頂いて商品に同封するようにしました。
この取扱い注意には15項目ほどの注意を記載してリスクヘッジをしています。
特にメラミン樹脂は電子レンジに入れての加熱は絶対にNGなので、一番上に電子レンジには入れないでくださいと明記してあります。

さて、ここで終わりではないのです。

ボンビグループ品質管理部の見解も含め、さらに、インクジェットを刷った上からシルク印刷でクリア(透明)を1色印刷して、インク剥がれがないように詰めて製造をしました。
検品体制は言うまでもなく、消費者の手元に届く商品として重複検品をして出荷しています。
宣伝会議さんからは、「いいモノ」が出来たと評価を頂けましたし、クリエイターさんも喜んで頂いているそうです。販売も好調だと聞いています。
この製品は「つくり」としては、単純な例ですが、具現化のチカラを出せた一例ではないかと思います。
当初は、水洗いを想定しているので、シート貼りなどは考えもしなかったのですが、色々なリスクを回避していきながら結果、いいモノを仕上げていくよう対応できるのが具現化のチカラだと思います。
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