2019年9月20日 更新

実利的な機能は商品プロモーションで訴求しにくい??

2年に1回、新端末発表、その1年後に改良機種登場、というサイクルで行われているiPhoneの新作発表会だが、今年はどのようなポイントが訴求されたのだろうか? 実利的な機能のプロモーションに着目してみた。

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iPhone11の登場

2年に1回、新端末発表、その1年後に改良機種登場、というサイクルで行われているiPhoneの新作発表会だが、今年はどのようなポイントが訴求されたのだろうか?

iPhone 11 Pro — トリプルカメラシステム

apple japan公式のトリプルカメラ紹介動画
望遠カメラ、広角カメラ、超広角カメラで、さまざまな画角で撮影できると、やはりそれがニュースバリューであろうし、ユーザーからもわかりやすいのであろうが、もうお腹いっぱいな感じの消費者も増えてきているような気もする。
マーケティングやプロモーションの訴求ポイントとしては使いにくいが、筆者が思うiPhone11の良いと思うポイントはこれだ。
11 Pro/同Maxがライバルを大きく引き離しているのが、ディスプレーの明るさだ。最大輝度800カンデラ/平方メートル、HDRでは1200カンデラ/平方メートルという、かつてない明るさは、明るい屋外での利用には大変に有利だ。
少し難しく、ニュースバリューにはしにくいところだが・・
日差しの強い日の屋外のBBQ中などで、スマホが反射して見えにくくなり、日陰に移動して確認する、という経験をした人は多いのではないだろうか。

この新しいディスプレイは、それを少しでも改善することは間違いない。
また、もうひとつがこれだ。
CPU(中央演算処理装置)は従来の「A12 Bionic」から「A13 Bionic」へと順当に進化した。おおむね20%性能が向上しているという。もはや、オーバースペックと呼べそうなほどの性能だが、3年、4年と長く使うことを考えると、安心だ。
多くの人にとって安い買い物ではない、スマートフォンはやはり3−4年での買い替えが多いそうだ。

現状のスマホ市場で一番演算処理能力の高いCPUを使っているということであれば、ここ3−4年での技術革新により、他の機種のCPUグレードがアップしたとしても、陳腐化するほどということでもなさそうだ。
また一番実利的なのは省電力機能かもしれない。
バッテリー駆動時間が長くなっていることも見逃せない。iPhone 11 Pro Maxは最大20時間も駆動するのだ。また、付属の充電器が18Wになり、急速充電ができるのも見逃せないポイントだ。
スマホの高機能化により、どんどんバッテリーの駆動時間が短くなっている。CPUグレードの向上、アプリやゲームの高機能化などにより、どうしても電気の消費量が増えてしまっていた。

ビジネスで使う場合、移動などで一定期間充電できないタイミングがあるかもしれない。またプライベートでも特にアウトドアなどで屋外にいる場合、電池の減りが気になることも多いだろう。

モバイルバッテリーを持っているケースも多くなっているが、それでもなお端末の駆動余力が多いことに越したことはない。

プロモーションを途中で変えていく難しさ

iPhone11を例に取ってみれば、本来ユーザーにとって高価値なのは

・ディスプレイの明るさ
・CPUの高機能化
・省電力機能の強化

にはなるだろう。

しかしながら、その魅力がユーザーに取って伝わらなければ意味がない、また、過去のブランドビルディングとずれすぎる場合、その訴求ポイントはメイン素材としては使いにくい。

ユーザーのリテラシーや年代、性別を超えて一番わかり易いのは「カメラの高機能化」しかない。また、iPhoneが過去に行ってきたブランドビルディング、つまりは洗練性、おしゃれ、デザインが良い、ハイセンスなどの価値を考えても、メインの訴求ポイントは「カメラの高機能化」しかないだろう。
「ディスプレイの明るさ」「CPUの高機能化」「省電力機能の強化」は訴求ポイントとしてははっきり言って地味なものだ。

appleのプロモーションサイドとしても、それらはサブの訴求材料として、プレスリリースなどでも伝えながら、気づいた記者は記事に書いてくれるだろう、ということを期待することにしたのだろう。

過去のブランドビルディングからのユーザー要求を満たしにくいバージョンアップの際、ユーザーへの訴求をどう行うのか、各社のプロモーション施策を分析していくといろいろと発見があるのかもしれない。

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