2024年10月31日 更新

LA 店頭レポート シリーズvol.2 ep.7 Westfield CENTURY CITY

Westfield Century Cityは、ロサンゼルスのウエストサイドに位置する高級ショッピングモールであり、ラグジュアリーと利便性を融合させた施設が特徴である。総面積は1.3百万平方フィートにおよび、150以上の店舗とレストランが集まっている。

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LA 店頭レポート シリーズvol.2 ep.7 Westfield CENTURY CITY

アメリカ社会は現在、2021年以降続くインフレーションに悩まされている。
平時のインフレ率は1〜2%を推移するとされる中、2022年の消費者物価指数(CPI)は前年比約9.2%上昇と、40年ぶりの水準を記録した。
それはコロナ禍の反動による一過性のものと思われていた。しかし、現実は2024年現在のインフレ率は約3%にまで下がったものの、それでも平時に比べ高い水準で物価は高止まりしている。

電気代やガソリン代といったエネルギー関連費用の高騰に加え、日用品の価格も上昇する一方だ。

インフレーションの中、企業は賃金を上げなければ人を雇えない。
上げた賃金が商品価格に反映され、それがさらなる価格上昇を引き起こす悪循環が起こり続けている。賃金上昇が追いつかない勢いで物価が上がっていく。

ただ生きていくためのコストが上がった。
自由に使えるお金が減った社会。

そのような社会情勢の中、小売りの現場はどうなっているのか。
物価高の中における、売り方・買い方の変化を洞察する。

観察店舗(バーバンク)

●Walmart
●Best Buy
●Target
●Whole Foods
●Ralphs
●Trader Joe’s
●ショッピングモール観察(センチュリーシティ)
Westfield Century City

今回はWestfield Century Cityの店頭レポート。

Westfield Century City  センチュリーシティ

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Westfield Century Cityは、ロサンゼルスのウエストサイドに位置する高級ショッピングモールであり、ラグジュアリーと利便性を融合させた施設が特徴である。
総面積は1.3百万平方フィートにおよび、150以上の店舗とレストランが集まっている。
特に、近代的な屋外エリアや豊富な飲食オプションが魅力であり、オールドネイビーやH&Mといったファストファッションからルイ・ヴィトンをはじめとする高級ブランドまでが軒を連ねている。また、IMAXシアターやフィットネス施設も完備されており、ショッピングにとどまらない多彩な体験が提供されている。
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大型商業施設の強みを発揮し、老若男女・あらゆる人種を集客。

ハイブランドからカジュアルブランドまでの幅広いテナントと、
アメリカン・エスニック・メキシカン・日本食までが揃う多彩なフードオプション。
ライブイベントや映画館にフィットネスといった単純な買い物施設を超え、コミュニティの中心となりうる多角的な要素を取り入れていることが奏功し、ショッピングモールはあらゆる年齢層・国籍の人々で賑わっている。

ショッピングモールの外装は統一感があり、高級テナントもカジュアルなテナントも、同等の高級感を醸している。

安価なブランドでの買い物でも、モール全体に賑やかさと華やかさがあり、心が満たされる買い物体験ができることが、人々を惹きつけている理由だろう。

同じ買い物であれば、心がワクワクする場所に出かけたい。
そんな人々の思いが、ここには溢れている。
洗練され、統一感のあるモール。

洗練され、統一感のあるモール。

開放的な屋外テラス。

開放的な屋外テラス。

分割払いに対応したテナントの広告がサイネージに表示される。

分割払いに対応したテナントの広告がサイネージに表示される。

広場ではライブを開催。

広場ではライブを開催。

高級テナントも軒を連ねる。

高級テナントも軒を連ねる。

ファストファッションブランドも同じモールに出店。

ファストファッションブランドも同じモールに出店。

休憩用の椅子を至る所に配置。

休憩用の椅子を至る所に配置。

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最後に

物価高の社会でも、人々は買い物をしなくなるわけではない。
しかし、限られたお金を何に使うべきなのか。人々がお金を払うべき意味を
より強く考える社会になっているといえるだろう。

そのような情勢の中、顧客に選ばれる企業は、自分たちが顧客に提供している価値を理解し、
どうして自分たちが選ばれているのかを見つめ直し、研ぎ澄ました売り場作りをしている。

ただ、安く売ればいいのではない。
顧客は、買い物に心の充足も求めている。

インフレ社会の中だからこそ、企業は自社のブランドを見つめ直し磨くことが求められる。

そのためには、他企業と比較しオリジナリティを見出す努力ではなく、自社の提供価値を問い直し、アイデンティティを深掘りする努力、そして自社らしい売り場を作ることが不可欠だ。

日本においても物価高騰は深刻になっている。10月に2900品目余の食品の値上げをはじめとして、様々なものが値上げされ、物価高に苦しむ人が増えている。

顧客が自由にお金を使えなくなっている現在。日本においてもブランドは、顧客からお金を払う意味を問われている。改めて自社の原点的な価値は何かを見つめ、“らしい”売り場にしていくことが必要だ。米国小売企業の努力から学ぶべきことは多いだろう。
了。

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