2025年7月18日 更新

必見!店頭販促特集!2025年第22弾

スタバコースター / どこでもサイネージ / 椅子の丁寧な製品訴求 / 撮影可POP / 横向き看板

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店頭販促特集

凡美社では店頭販促の実態を常に観察している。
売場は常に市場に対して敏感であり、トレンドが反映される。
メーカー側が展開する店頭ディスプレイや店頭POP、店頭施策。
小売側が展開する店頭施策や店頭POP。
買い物客に対する『価値体験の向上』を目指して、店頭は常に変化する。

店頭でのコミュニケーションデザインや、価値伝達の強弱、
コンストラクションデザインも含めた見せ方、体感させる施策などを追求していく。

そこには、セルアウトを考えたプロモーション施策をもってして、流通との商談にのぞむ
メーカーの提案が見えてくる。
さらに小売り側の商品陳列の仕方や店頭POPからは、今の時世にあわせながら、何とか売ろうというパワーも見えてくる。

POP研究家の向坂氏とタイアップし、
随時面白く、ワクワクする売場(買場)をレポートしていく。

2025年 第22弾

83 飲み物に“空間”を付け加える発想

スタバにある、フラペチーノ用のドアノブプレート風コースターが割と好き。
フラペチーノを飲んでるところを邪魔するな、と。
面白いツールを考えるなー。
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ドアノブプレート風の紙製コースター。
ホテルの“起こさないで”プレートを模したデザインで、中央には堂々と「DO NOT DISTURB」の文字。
この強めな主張と、やわらかいフラペチーノの組み合わせが絶妙にユーモアがきいている。

「フラペチーノ飲んでる時間くらい、誰にも邪魔されたくない」。
そんな気分を代弁してくれるようなツールで、コースターでありながら、自己表現アイテムにもなっている。

パッケージ下部には「TAKE FREE」のコピーがある。
これを見た瞬間、ちょっと得した気分になる。
しかも、ちょっとオシャレでSNS映えもする。
販促物でありながら、生活に“持ち帰りたくなる価値”を持たせているあたり、スタバのブランディングの強さを感じる。

喫茶店ではサードプレイス発想ではじまったスタバ。
「飲み物を売る」のではなく、「その時間や空間ごと設計する」。
それがこのツールの核心にある発想なのであろう。
単なる紙片が、空間の意味をガラッと変える。
その仕掛けに、スタバならではの“体験設計力”の高さがにじんでいる。

すごいなぁ。プランナーとしては、なかなかに悔しいクリエイティブ力だ。

84 モバイルバッテリー活用で“どこでもサイネージ”

小型サイネージのモバイルバッテリー運用。
サイネージの活用で注意すべき点の一つが電源の確保。
店頭へ設置したい場所に電源を引っ張ってこれるかがポイント。
そのため設置場所が制約されてたけど、これならどこにでもサイネージが設置できる。
地味な工夫だけど、場所の制約から解き放たれると、ちょっとしたコーナー作りでもサイネージが活用できるから、これは超便利な活用方法だ。
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売場づくりの発想は自由でも、現場で「ここには電源がない」という制約に何度も頭を抱えるのが現実だ。
モバイルバッテリーを活用した小型サイネージ運用で、什器の位置に縛られず、サイネージを自由に“持ち運べる”販促ツールへと進化させている。
電源工事や配線処理の必要なし。つまり、低コスト・低労力で、設置の自由度が爆上がりする。地味な工夫だが、売場レイアウトの柔軟性を一気に拡張する力がある。

85 触れずとも、体感が伝わるディスプレイ

なぜ、このお店の商品は素晴らしいのかをしっかり解説してくれるディスプレイ。
商品選びの根拠を自分が納得できると、買い物って楽しい記憶として残る。
いつも納得させてくれるお店が、素晴らしいお店だと思う。
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使われている木材のカット、背もたれの構造、シート内部のバネやクッション材まで、製品の裏側にある“つくり手の思想”をそのまま視覚化している。
これは単なる商品説明ではなく、ものづくりへの誇りそのものだ。

買い物の満足度は、機能や価格だけでは決まらない。
「自分はなぜこれを選んだのか」という納得感があると、それは記憶に残る買い物体験になる。
このディスプレイは、そんな納得を与えてくれる。
構造を目で見て理解し、「この座り心地には理由がある」と思えた瞬間、商品への信頼が深まる。

パーツの素材や組み立て方法、座面のクッション構造までを分解展示しているため、実際に座らなくても品質が想像できる仕掛けになっている。
しかも、壁面活用でスペースを圧迫しない。
情報量と視認性のバランスが非常によく考えられており、ブランドの哲学と職人性を余すことなく伝える、静かなプレゼンテーションともいえる。
触れずとも体感が伝わってくるような表現、ともいえる。

86 売ることだけが目的じゃない、“選ぶ”ことを応援する販促

こんなお店は、良いお店。
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「迷ったら、スマホで撮って相談してもいいんだ」と気づかせる販促は、“選ぶ時間”そのものを尊重する姿勢の表れだ。
ただモノを売るのではなく、「買う理由」や「共有する行為」まで支援してくれる店。
こうした売場は、商品だけでなく買い物体験そのものを記憶に残るものにしてくれる。

このPOPが面白いのは、デジタル時代にふさわしいアプローチでありながら、やっていることは極めてアナログな“気遣い”であること。
誰もがスマホを持つ時代だからこそ、写真を介したコミュニケーションが自然な流れになる。
それを販促側が先回りして導いている。

これは、売る側と買う側の関係を一段深める工夫なのかもしれない。
いや、言い過ぎか。。。。

87 意図的に崩したルールが、注目を生む

むちゃくちゃ気になる看板あった。
なぜ90度回転?
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目的は「読ませること」ではなく、「気にさせること」。

看板の役割は、情報を伝えること以上に、「気づかせること」にある。
普通のサインが情報を“届ける”のに対して、この看板は情報を“問いかける”スタイルだ。
「なぜこうした?」「何が言いたい?」という疑問が、そのまま視線の定着と記憶に変わる。

特に道路沿いでの一瞬の目線勝負では、この“違和感の勝利”がものを言う。
文字が正しく読めなくても、「あそこに何か変なものがあった」という印象は残る。
これが目的であれば、理屈抜きで成功している。

正しいことよりも、おもしろいこと。そんな判断が良いと思う。



了。

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bonbi GOSSIP 編集部 bonbi GOSSIP 編集部