2024年10月16日 更新

LA 店頭レポート シリーズvol.2 ep.1 ウォルマート 

Everyday Low Priceを実現してきた強みを活かし、日用品に特化するウォルマート。しかし、安さを徹底的に磨いた売り場は、安いものを買いに来ているという卑屈さはない。

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LA店頭レポート vol.2 ep.1 ウォルマート

アメリカ社会は現在、2021年以降続くインフレーションに悩まされている。
平時のインフレ率は1〜2%を推移するとされる中、2022年の消費者物価指数(CPI)は前年比約9.2%上昇と、40年ぶりの水準を記録した。
それはコロナ禍の反動による一過性のものと思われていた。しかし、現実は2024年現在のインフレ率は約3%にまで下がったものの、それでも平時に比べ高い水準で物価は高止まりしている。

電気代やガソリン代といったエネルギー関連費用の高騰に加え、日用品の価格も上昇する一方だ。

インフレーションの中、企業は賃金を上げなければ人を雇えない。
上げた賃金が商品価格に反映され、それがさらなる価格上昇を引き起こす悪循環が起こり続けている。賃金上昇が追いつかない勢いで物価が上がっていく。

ただ生きていくためのコストが上がった。
自由に使えるお金が減った社会。

そのような社会情勢の中、小売りの現場はどうなっているのか。
物価高の中における、売り方・買い方の変化を洞察する。

観察店舗(バーバンク)

●Walmart
●Best Buy
●Target
●Whole Foods
●Ralphs
●Trader Joe’s
●ショッピングモール観察(センチュリーシティ)
Westfield Century City
今回はWalmartの店頭レポート。

Walmart ウォルマート

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Everyday Low Priceを実現してきた強みを活かし、日用品に特化するウォルマート。

どこも価格が上がり続ける社会において、どこよりも商品を安く仕入れ、安く販売することを掲げるウォルマートは、日用品の買い物に心強い味方といえる。

ウォルマート自体もその強みを自覚し、とにかく日用品を安く売ることに力を入れている印象を受ける。

圧倒的に安く、お得に売る。

安さを徹底的に磨いた売り場は、安いものを買いに来ているという卑屈さはない。

ウォルマートの企業努力を顧客全員で享受する清々しさすら感じさせる。
価格が主役の売り場。

価格が主役の売り場。

エンドも日用品に特化。

エンドも日用品に特化。

特売品を大量買いする。

特売品を大量買いする。

カートいっぱいまで買い込むのは、車社会ならでは。

カートいっぱいまで買い込むのは、車社会ならでは。

ネットで注文すると、店員がアイテムをピックアップしてお...

ネットで注文すると、店員がアイテムをピックアップしておいてくれるサービス。

買い物の方法も多様化。

買い物の方法も多様化。

棚は乱れがち。棚のメンテナンスよりも売れるものをどんど...

棚は乱れがち。棚のメンテナンスよりも売れるものをどんどん並べることが優先される。

店頭販促物(フロア什器)の劣化が著しい。
これもアメリカならではである。

最後に

物価高の社会でも、人々は買い物をしなくなるわけではない。
しかし、限られたお金を何に使うべきなのか。人々がお金を払うべき意味を
より強く考える社会になっているといえるだろう。

そのような情勢の中、顧客に選ばれる企業は、自分たちが顧客に提供している価値を理解し、
どうして自分たちが選ばれているのかを見つめ直し、研ぎ澄ました売り場作りをしている。

ただ、安く売ればいいのではない。
顧客は、買い物に心の充足も求めている。

インフレ社会の中だからこそ、企業は自社のブランドを見つめ直し磨くことが求められる。

そのためには、他企業と比較しオリジナリティを見出す努力ではなく、自社の提供価値を問い直し、アイデンティティを深掘りする努力、そして自社らしい売り場を作ることが不可欠だ。

日本においても物価高騰は深刻になっている。10月に2900品目余の食品の値上げをはじめとして、様々なものが値上げされ、物価高に苦しむ人が増えている。

顧客が自由にお金を使えなくなっている現在。日本においてもブランドは、顧客からお金を払う意味を問われている。改めて自社の原点的な価値は何かを見つめ、“らしい”売り場にしていくことが必要だ。米国小売企業の努力から学ぶべきことは多いだろう。
了。

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