2023年12月18日 更新

「1年を経て」ニューヨーク店頭レポートシリーズ RETAIL POWER IN NYC vol.6 エピソード5

6回目になるニューヨーク店頭レポートシリーズ RETAIL POWER IN NYC。洞察をはじめてから1年を経た。 この1年でニューヨークの店頭事情は変容したのだろうか。エピソード5ではトレーダージョーズを洞察。

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2022年10月、本レポートのvol.1を発行するにあたり観察したニューヨークは
“様子見”をしている状態だったと言える。

店頭のスタッフは削減されたまま、オンラインでの販売が主力となった状況下で
店頭の商品棚は欠品があっても補充されないままの箇所が目立っていた。

それから1年。
2023年10月のニューヨークは、経済・文化の中心、観光都市としての姿を取り戻した。

街にはあらゆる国籍の人々が溢れ、
タイムズスクエアなどの観光スポットでは、満員の観光客を乗せた
観光バスが、道路を埋め尽くす自動車のクラクションを受けながら走りまわっている。

完全に本調子といかないまでも、8割型本来の姿に戻ったというのが大筋の見方だ。

そんなニューヨークの店頭は、今どうなっているのか。
1年を経た店頭の変化を観察・洞察する。

エピソード5 TRADER JOE’S の洞察

トレーダー・ジョーズは、ロサンゼルス郡を本拠とする、アメリカ合衆国のグロサリー・ストアチェーン(食料品スーパーマーケット)である。
日本人が付けた通称はトレジョだそうだ。
2015年には「生鮮食品店」形式の総合食料品店に数えられるようになる。
展開は全米42州とワシントンD.C.に500店舗ほどである。
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ヒトが作り出すエネルギーが溢れている

コロナ禍という歴史的な出来事においても、
手法を一切変えず“ヒトの力”によって運営される現場。

Trader Joe’sの現場はいつ見ても、いい意味で変化がない。

オンラインショッピングを導入することもない、徹底した現場主義。

ヒトが売り場を作り、ヒトが買いに行く。
そこにコミュニケーションが生まれ、活気が生まれ、
Trader Joe’sという空間を唯一無二のものにしていく。
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商品を検索する端末などもないから、
お客もスタッフに話しかける他ない。

このひと手間が、ここでの買い物に喜びを付加してくれる。

フレンドリーで的確な対応。明るく、会話の飛び交う店内。

いいものが手頃な価格で手に入るという基本を押さえつつも、
それ以上に、ここに来ると元気になる。
明るい気分になれる。

ヒトが作り出すエネルギーがここには溢れている。
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売れていく側から、ドンドン商品補充が行われる。

売れていく側から、ドンドン商品補充が行われる。

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デジタルでは表現できないアソビ心のある店内。

デジタルでは表現できないアソビ心のある店内。

手書き風POPと、欠けることなくユニークな形に積まれた...

手書き風POPと、欠けることなくユニークな形に積まれたシーズン商品 ヒトの手で絶えずケアされていることを感じさせる。

充実した商品棚。

充実した商品棚。

レジに向かうまでのラインにも商品が整列 思わずついで買...

レジに向かうまでのラインにも商品が整列 思わずついで買いで手が伸びてしまう。

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まとめ

昨年と比べ、ハロウィンで賑やかになったニューヨーク。
笑顔が増え、活動的になり、魂が戻っている。

徹底したSALE訴求や試食やデモ販の急増。
古典的とも言える店頭プロモーションが活発になっている。
それぞれのショップブランドのブランディングを推進すると同時に即効性の高いプロモーションで
店内が賑やかになってきている。

商品を魅力的に見せるモノ重視からよりコトさらにイミの消費に応える店頭に進化している。
展開のキーワードは人間味。
モノと人。
生活と人。
人と人。
そして、心と心。
関係性の再構築。

AIが成長し、シンギュラリティが迫っている。
その中で「人間の再定義」が始まった。
アフターコロナは人と接する喜びを再確認する機会となった。
戦争等経済を脅かす要素は増えているが、人間がさらに逞しくなったことへの自信が溢れている。


了。

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