2025年9月12日 更新

必見!店頭販促特集!2025年第27弾

ガスコンロ / panasonic高級ドライヤー / トレーディング食玩 / ワークマン汗じみTシャツ

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店頭販促特集

凡美社では店頭販促の実態を常に観察している。
売場は常に市場に対して敏感であり、トレンドが反映される。
メーカー側が展開する店頭ディスプレイや店頭POP、店頭施策。
小売側が展開する店頭施策や店頭POP。
買い物客に対する『価値体験の向上』を目指して、店頭は常に変化する。

店頭でのコミュニケーションデザインや、価値伝達の強弱、
コンストラクションデザインも含めた見せ方、体感させる施策などを追求していく。

そこには、セルアウトを考えたプロモーション施策をもってして、流通との商談にのぞむ
メーカーの提案が見えてくる。
さらに小売り側の商品陳列の仕方や店頭POPからは、今の時世にあわせながら、何とか売ろうというパワーも見えてくる。

POP研究家の向坂氏とタイアップし、
随時面白く、ワクワクする売場(買場)をレポートしていく。

2025年 第27弾

104 ガス炎の“見立て”が冴えるコンロ売場の演出術

住宅機器売り場のガスコンロの展示。
コンロに青色のチューブが巻き付けてあるのだけど、ぱっと見、ガスの炎に見える!!
上手い演出方法を見つけたものだ。
天才??
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おもしろい!
実際に点火できない展示環境において、“火のある状態”を視覚的にシミュレーションするアイデアとして極めて秀逸だ。
消費者の多くは「コンロ=火」の印象を持っており、火が出ていない状態のバーナーだけでは、その魅力やパワーが伝わりにくい。
そこで、この“青チューブ”による見立てがそのイメージ補完を果たしている。
つまりこれは、展示というより情報伝達装置としての装飾なのだ。

さらに、売場パネルには「ガスの種類」や「バーナー幅」などの基本情報も丁寧に整理されており、機能的な比較だけでなく“印象の良さ”という感情面でも引き込む工夫が施されている。
スペース全体が、視覚+理解の両輪で回る売場設計になっている点も評価できる。

機能の可視化であり、こうした細部の工夫こそが、売場を“体験の場”に変える鍵になる。

105 水の揺らぎを表現した光る展示台の美的機能性

この光る展示台のベース部分、水っぽい立体表現をしているのだけど、これってどうやって作ってるのだろう?成型?素材は何?
高級ドライヤーの展示台だけに、競合のReFaの展示台をベンチマークしているのかな?
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黒くスタイリッシュな高級ドライヤー「Panasonic Beauty ULTIMATE」の什器。
目を引くのは、ドライヤーそのものではなく、台座に仕込まれた水のように波打つ立体ベースと鮮烈なブルーのLEDライティングである。

この展示台のベースは、アクリル系樹脂またはポリカーボネート系の成形素材と推測。
波打つような表面形状は、金型レベルで造形されたものか、もしくは真空成形と熱処理によるディテール再現と推測される。
そこに内蔵されたLEDが光を照射し、表面の凹凸を“水面のように揺れる光”として視覚化している。

「水」「清潔感」「冷風」「クールテック」といった高機能・清潔志向のイメージを喚起するカラーであり、高級美容機器の世界観とも調和している。さらに、什器全体は黒を基調にしているため、このブルーが圧倒的に映える。陰影と彩度のコントラスト設計が非常に緻密で、まるで化粧品カウンターのような“美の世界観”を感じさせる。

展示構造としても、ドライヤーの吹き出し口がしっかりと目線に向けられた角度に設置されており、実際に試せる「TRY ME」体験導線もある。
単なる装飾ではなく、試用機能とブランド体験を両立させた什器設計になっている。

「体験型×高級感」の展示をベンチマークしている可能性は高く、視覚演出で劣らない勝負を挑んでいると感じさせる。

質感・造形・光の演出が三位一体となったとき、製品が“語り始める”。とでも言おうか。。
これは、プロダクトを“展示”から“魅せる”へと昇華させた、販促設計だと思う。

106 “誰得”が刺さる時代──ジオラマで魅せるトレーディング食玩の進化系売場

今、食玩って、こんなに色々と売ってるの!?
何が出てくるか分からない、おまけ商品。
そして種類がニッチすぎて、なんかすごい。
「コメダ珈琲ミニチュアコレクション」とか「推しのいる生活」とか、誰得なのか。。。
それぞれのジオラマ作ってて、売り場も気合入ってるな。
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コメントしづらいというか分からない筆者ではあるが、頑張る(笑)。

かつて「おまけ」として語られていた“食玩”が、今や主役級の売場を築いている。
その進化ぶりを象徴している。
天井まで届くボリューム感と、壁面一面を覆うミニチュアジオラマの群れ。
トレーディングフィギュアの世界を体感する展示空間になっている。

目を引くのは商品ラインナップの“ニッチすぎる切り口”。
「コメダ珈琲ミニチュアコレクション」
「好きな教科は給食です」
「ポケモンの街・潮風の通り道」など、もはや誰得か分からない……。
しかし刺さる人には深く突き刺さるテーマなのだろう。
この“どこかに必ず需要がある”という攻めた企画力こそ、現在の食玩市場を牽引するエネルギーとなっている。

各商品ごとに作り込まれたジオラマ展示も良い。
アクリルケース内に再現されたミニチュア空間には、照明まで組み込まれ、商品の使用イメージや世界観がリアルに伝わってくる。
まるで「箱の中のワンシーン」を覗き見るような感覚で、“何が入っているかわからない”というブラインド商品の不安を、“期待”に変える視覚訴求として機能している。

棚下には電子プライスとともに、商品特徴を伝えるPOPが多言語で展開されており、インバウンド需要への配慮もなされている点も抜かりない。
見せ方・買わせ方・届け方の三拍子が揃った、トレーディング系の理想的売場構築といえる。

誰得=全得。。。。。(笑)。ニッチが光る時代の象徴的売場である。
ここで言う、トレーディングとは「中身がランダムで何が入っているかわからない形式の商品」を指している。

トレーディングの特徴とは
・中身が見えない(ブラインド仕様)
・パッケージを開けるまで、どの種類の商品が入っているかわからない。
・「何が出るかな?」という“ガチャ感”が楽しさの要素になっている。

全種類コンプリートしたくなるラインナップ
・6種・8種などシリーズ展開されており、1つ買うだけでは終わらない構造。
・ダブり(同じものが重複する)も前提で、仲間同士での「交換文化」も生まれる。

“推し”が出るまで買い続けるユーザー心理
・自分が好きなキャラやシーンを求めて購入を繰り返す“沼”構造が特徴。

107 「試して納得」の実証型売場──ワークマンが見せる“機能性の説得力”

「ワークマン女子」改め「ワークマンカラーズ」の機能性衣料品のお試しコーナー。
汗が染みても目立ちにくいシリーズ。
スプレーでそれなりに水を染みさせてみたのだけど、確かに目立たない!売り場で実証できる商品があることがワークマンの強さだ。
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「汗が染みても目立ちにくいシリーズ」。
商品コンセプト自体はシンプルだが、真価を発揮しているのは売場の“実証設計”である。

注目すべきは、この実証型アプローチの“手軽さ”である。
水とシャツ、それだけで説得力が成立する。
電源もディスプレイも不要。
ただただ、“試してわかる”というリアルな体験が、売場に信頼感を生んでいる。
POPには比較用の生地見本も添えられており、「どれだけ違うのか」が視覚化されているのも親切だ。

「速乾性が高く、乾きやすい」とあり、汗染みの“見えにくさ”と“乾きやすさ”の両面で機能価値が補強されている。
消費者が「恥ずかしさ」や「不快感」を感じるシーンを、どう防ぐか。
その課題解決に、製品だけでなく売場が寄り添っているのが特徴だ。

“商品が語る”のではなく、“お客様自身に語らせる”構造を仕掛けている。とも言える。
了。

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bonbi GOSSIP 編集部 bonbi GOSSIP 編集部