2023年6月20日 更新

ニューヨーク店頭レポートシリーズ「オムニチャネル施策」 RETAIL POWER IN NYC.  第4回 Macy'sの店頭洞察

ニューヨーク店頭レポート第4弾。「オムニチャネル施策」を考察します。4回目は、「Macy’s」の店頭を洞察します。

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ショッピングホール Macy's 店頭洞察

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コロナパンデミックにより、
急速に進んだ小売のオムニチャネル化。

あらゆる企業がデジタルを織り交ぜたサービスを開発し、
デジタル化が急速に進んだ、という見方がされがちだが
それは本質だろうか。

一連の変革の中で注目すべきは、各企業のサービスが、
”人々の選択肢”に合わせて進化することを求められた点だとみる。

パンデミックにより外出に制限がかかった。
結果、買い物に出かけるという選択肢が取れなくなった人々は、
フードデリバリーを利用する、デジタル通販で物を買う
といった行動を加速させ、その流れに適合した企業が生き残った。

コロナの影が忘れられつつあるニューヨークの店頭には
人が溢れてきている。

アナログの象徴ともいえる店舗での体験は、
デジタルに駆逐されていない。

デジタルはアナログの上位互換ではなく、
あくまで多様化する顧客の選択肢に適合する手段の一つだ。

アフターコロナの小売には、デジタルとアナログを併用した
顧客体験の向上が求められている。

今号は、ニューヨークで展開される企業のオムニチャネル施策に焦点を当て考察する。

Macy’s 店頭洞察

Macy’s

メイシーズ (Macy’s) は、ニューヨークに本部がある百貨店である。
ヘラルド・スクエア店は、1932年の映画『モダン・タイムス』や1947年の映画『三十四丁目の奇蹟』の舞台となった。
店内のエスカレータには今では珍しい木製のものがあり、ニューヨーク市で最古級のエスカレータとして知られている。
20世紀中頃から、他州に拠点を置くデパートを買収してはメイシーズの店舗に置き換えて、店舗数を拡大していったが、現在はアマゾンなどのeコマース市場の影響を受け店舗を減らし続けている。
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Macy’s 店舗

Macy’s 店舗

マンハッタン ヘラルドスクエアに位置する
世界最大の百貨店がMacy's Herald Squareだ。

コロナ禍を受け、急速にオンライン販売が強化されたが
パンデミックが収束した現在においては、
デジタルを店舗体験の中に組み込む試みがなされている。

しかしながら、デジタル化の背景にはコロナ禍のダメージを人件費削減によって補おうとする意図が感じられ、
広大なフロアは、買い物客の姿は多く見られるものの
スタッフの数が極端に少なく、どことなく活気が薄い。

やはり百貨店は普段の買い物とは一線を画すものであり、
その特別感の創出において”人”が重要な役割を果たしているのだと感じる。

デジタル施策を併用しつつも、百貨店らしさを担保するため、店頭に人を戻していくことが、この先求められていくのではないだろうか。
Macy’s オンライン

Macy’s オンライン

店舗に入るとアプリのプライスチェックと
フロアガイド機能が使用可能になる。
店舗が広大なので、この機能はありがたい。
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商品棚にもQRコードが表示されていることが多い。
しかし読み込んでみると、アプリのトップページに飛び、
棚の商品はアプリ内で、探し直さないといけないなど利便性は課題が残る。
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バーコードを読むと値段をチェックできる。
セールが頻繁に行われるため、実売価格をすぐに確認できるのは便利である。
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スタッフ配置は最小限に絞られている印象。
商品は豊富だが、少しもの寂しい感じがする。

まとめ

ニューヨークにて展開される小売のオムニチャネル施策。

その実態を読み解くと、デジタルは手段の一つに過ぎず
その場、その場で顧客が求める内容に合致する
選択肢を提示していくことが重要だと気付かされる。

コロナ禍は外出を制限し、人々からいくつかの選択肢を奪った。
しかし、それは同時に新しい選択肢も提示した。

デリバリーサービスの普及により、富裕層でなくとも
買い物は自分で行かなくていいようになった。

店頭に商品を買いに行きつつも、デジタル決済で
レジ待ちをしない選択も可能だ。

パンデミックが終わりを迎え、
「〜してはならない」という制限は、
「〜してもいい」という選択肢へと形を変えている。

各企業は、細分化されている人々のニーズの中から
新しい選択肢を自社のブランド・業態に求められている形で
提示することが不可欠な時代となっている。

コロナ禍が去った今こそ、
小売には今までに戻るのではなく、
変化することが求められている。

了。

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