2025年6月30日 更新

必見!店頭販促特集!2025年第17弾

ルンバ / なまえペン / 冷蔵庫立体POP / チャートマップ

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店頭販促特集

凡美社では店頭販促の実態を常に観察している。
売場は常に市場に対して敏感であり、トレンドが反映される。
メーカー側が展開する店頭ディスプレイや店頭POP、店頭施策。
小売側が展開する店頭施策や店頭POP。
買い物客に対する『価値体験の向上』を目指して、店頭は常に変化する。

店頭でのコミュニケーションデザインや、価値伝達の強弱、
コンストラクションデザインも含めた見せ方、体感させる施策などを追求していく。

そこには、セルアウトを考えたプロモーション施策をもってして、流通との商談にのぞむ
メーカーの提案が見えてくる。
さらに小売り側の商品陳列の仕方や店頭POPからは、今の時世にあわせながら、何とか売ろうというパワーも見えてくる。

POP研究家の向坂氏とタイアップし、
随時面白く、ワクワクする売場(買場)をレポートしていく。

2025年 第17弾

63 見せ方ひとつで「機能」が「感動」に変わる

ルンバの実演展示が、すごく面白い!
ルンバの特徴として、背面のブラシなどの機構があるのだけど、従来はルンバをひっくり返して展示していた。
ところが先日見た展示は、ひっくり返ったまま透明アクリルの裏側を、お客さんに背面が見えるように掃除している!
どうなってるのかと覗いてみたら、表面に車輪を付けて、上部の透明アクリルへ本体を押し付け動いてる。
ひっくり返して展示する手法はよくあるけど、さらに動かす発想はなかった。
世の中、面白いことを考える人って沢山いるなー、と思った。
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従来、ルンバの裏面にあるブラシやローラーといった清掃機構は、説明パネルか本体をひっくり返すだけの静的な展示で紹介されるのが一般的だった。

ところが、ある家電量販店の展示では、その「ひっくり返し」を進化させた、ユニークで秀逸な実演が行われていた。
なんとこのルンバ、背面を上にしたまま動いていた!

製品の“裏の魅力”をダイナミックに伝えることで、お客様に「こんなふうに掃除してくれるんだ!」という納得と、「なんだこれ、面白い!」という関心の両方を喚起している。
ただ製品を並べるだけでは伝わらない技術や工夫も、動きが加わることで一気に“感覚”に訴える展示へと昇華する。

まさに「逆転の発想」から生まれた販促成功事例と言える。
店頭では日々数多くの製品が並び、視覚情報は飽和状態。
その中で、商品の“構造的魅力”を動的に伝える展示は、他と差別化された価値あるアプローチ。
特に機械製品や機能性訴求が重要な商材では、大いに参考になる手法だ。

64 「遠くからでも分かる」って、こういうこと!

学用品へ名前を書くための名前ペン用ハンガー什器。
什器自体が上履きの形をしていて、遠くからでも商品が分かりやすい。
何気に「滲みにくい」特徴も訴求してる。
紙を巻いただけの超簡単な構造なのに、上手く作ってる。
こういうのが良い。
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店頭販促において、「視認性」は最重要項目のひとつ。
ターゲットと製品の距離における、遠距離(3m~10m)、中距離(1m)、近距離(30cm)のそれぞれの距離において、アテンション力、リマインド力(広告や生活の中からの想起)、製品理解力(比較力)があった方が良い。
この“上履き”の形を模したハンガー什器は思わず足を止めさせる巧みな設計になっている。
小学生の名前書き用ペンを想定したアイテムにぴったりの形状で、遠くからでも商品カテゴリーが直感的に分かるようになっている。

什器自体は、よく見ると非常に簡素。
厚紙に印刷して巻いただけのような構造だが、形状とカラーの工夫で、最小限のコストで最大限の効果を発揮している。

このネームペン什器の秀逸さは、特別な素材や大型装飾を用いず、誰にでも伝わる形とメッセージで“勝っている”点にある。

「何気ないけど目を引く」「安価だけど効果的」——そんな店頭販促の理想を、紙と印刷と発想力で見事に実現している。

長年店頭販促物製作に携わっている玄人は、こんなのが好きかも。

65 パッと見で「広さ」が伝わる、立体POPの力

パナソニックの立体冷蔵庫ステッカー。
庫内の広さ訴求が分かりやすい!
あと、超目立つ!
そして、紙製だから製造費は比較的安価!
こんなのが良い!
訴求力があってコスパが良い。
こんなツールを考えられる人、だんだん少なくなってるイメージ。
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冷蔵庫選びで重視されるポイントのひとつ、「庫内の広さ」。
これを視覚的に、しかもインパクト大で伝える秀逸な販促ツール。

紙製というコスト面での配慮と、立体構造という視認性・説得力を両立している。
「伝えたいことをちゃんと伝えられるツールを、シンプルな方法でつくる」という、販促設計の原点を体現していると言えるかも。

●「伝えたいポイント」は“立体”にすると強い。
●写真と実寸感のあるスケールで“リアル”に伝える。
●素材はシンプルでも、工夫次第で“魅せる”ツールは作れる。

デジタルサイネージやモーター内蔵POPなど、テクノロジーを活用した販促が増える一方で、こうしたアナログながら訴求力の高いツールは、むしろ減少傾向にある。

だからこそ、このような「手作り感がありながら訴求に強く、コストにも優れたアイデアPOP」は、今改めて注目すべき存在だと感じさせられる。

66 “選べない”を“選びたくなる”へ——チャートマップが導く売場体験の最適化

種類がたくさんある商品は、チャート表とかで情報整理してくれると分かりやすい。
過去に、こんなレポートもしてみた。
【分かり易い売り場づくりに活躍できる「チャート」表現】
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味の違いが可視化される、チャートの力。
多くのバリエーションがある商品を前にして、「どれが自分に合うのか分からない」と悩んだ経験は誰しもあるはず。そんな“選択の迷い”をスマートに解消してくれるのが、チャート型販促ボード。

このようなチャートの最大の強みは、買い物客が“自分で納得して選べる”体験を提供できることだ。
スタッフによる説明がなくても、味の違いやポジショニングが明確に伝わり、自分の好みに合った商品を比較・検討しやすくなる。

これにより、回遊性の高いお客様の足を止め、購買のきっかけを生み出す効果が期待できる。

買い物客の「分からない」を「分かる」に変え、「選べない」を「選びたい」に変える——これこそが、優れた店頭販促の本質的な役割だと思う。
了。

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bonbi GOSSIP 編集部 bonbi GOSSIP 編集部