事務所があるのは六本木のはずれなので
夜遅くまで仕事がある場合夕食を食べられる店が少ない。
唯一事務所から歩いて1分の場所に
「竹やん」という居酒屋があって
夜でもランチメニューのうち鯖定食と
しょうが焼き定食がランチ価格+200円(1100円)で食べられる。
先日久し振りに竹やんに行って鯖定を頼んだ。
ここの鯖はいつもでかく脂も乗っている。
ご飯と鯖以外は毎回変わる。
その日は味噌汁ではなく豚汁と酢の物、
ポテトサラダにちゃんとした漬け物というメニューだった。
このポテトサラダが美味い。
ポテトサラダが美味い店は大抵他のメニューも美味い。
全てどこにでもある普通のメニューなのだが、それぞれが普通に美味いのだ。
最近夜は二人の親爺とおばさんで切り盛りしているのだが
六本木では数少ないチェーン店ではない古典的な居酒屋。
入ると厨房にそって長いカウンター、
その奥に20席分ぐらいのテーブル席がある。
居酒屋らしい泥臭い佇まいだ。
この二人の親爺達は愛想がいいわけではないが、
普通に気配りが行き届いている。
二人とも必要以上に客に声を掛けたりもしないが、
対応は普通に良い。
夜は混んでいて頼んだ料理が遅くなったりすると
ちょこっとフルーツのサービスをしてくれたりもする。
なにもかもが普通なんだけれど、
最近は、特に六本木のような街では
こういう店が少なくなってしまったので貴重な存在である。
やはり近所の勤め人には人気があって
タイミングが悪いと満席で入れない時もある。
ここはミシュランガイドには決して載らないし、
勿論調査にも来ないだろうけれど、
これこそが日本の食事という感じがする。
フィンランドの大使館のお偉いさんが時々来るそうである。
地元のフリーペーパーでこの人が取材されて
「竹やん」を日本らしい店として紹介していた。
六本木にはもっと紹介するのにふさわしそうな
それっぽい高級店がいっぱいあるのに「竹やん」である。
この人は在日35年ということで
さすがに日本の良さを知っている。
たまに行くちょっと洒落た店は確かに美味しいとは思うけれど、
それなりに金を払うわけだから
美味しいのもサービスが良いのも当然である。
やはり親爺は気取らない「普通」が良い。
最近は普通が少なくなってしまった。
僕たち広告屋がよく使う言葉「付加価値」が
必要ということで普通じゃ売れなくなってしまった。
しかし、普通って実はなかなか難しい。
特別なことは案外やりやすい。
デザインも実はそうである。
普通にちゃんとしたデザインは
ギミックで誤魔化しがきかないから難しいのだ。
普通をやるには基本と地道な経験と
さらに仕事に対する誠意が必要だ。
新しいことが良いとばかりに思われがちだが、
そして僕たち広告屋は新しいことをさんざん売り物にしてきた。
しかし、昔からある「普通」をちゃんとやり続けることも
大切じゃないかと最近は思うようになった。
「クールジャパン」とか「おもてなし」とかじゃない
普通の日本が一番いい。
夜遅くまで仕事がある場合夕食を食べられる店が少ない。
唯一事務所から歩いて1分の場所に
「竹やん」という居酒屋があって
夜でもランチメニューのうち鯖定食と
しょうが焼き定食がランチ価格+200円(1100円)で食べられる。
先日久し振りに竹やんに行って鯖定を頼んだ。
ここの鯖はいつもでかく脂も乗っている。
ご飯と鯖以外は毎回変わる。
その日は味噌汁ではなく豚汁と酢の物、
ポテトサラダにちゃんとした漬け物というメニューだった。
このポテトサラダが美味い。
ポテトサラダが美味い店は大抵他のメニューも美味い。
全てどこにでもある普通のメニューなのだが、それぞれが普通に美味いのだ。
最近夜は二人の親爺とおばさんで切り盛りしているのだが
六本木では数少ないチェーン店ではない古典的な居酒屋。
入ると厨房にそって長いカウンター、
その奥に20席分ぐらいのテーブル席がある。
居酒屋らしい泥臭い佇まいだ。
この二人の親爺達は愛想がいいわけではないが、
普通に気配りが行き届いている。
二人とも必要以上に客に声を掛けたりもしないが、
対応は普通に良い。
夜は混んでいて頼んだ料理が遅くなったりすると
ちょこっとフルーツのサービスをしてくれたりもする。
なにもかもが普通なんだけれど、
最近は、特に六本木のような街では
こういう店が少なくなってしまったので貴重な存在である。
やはり近所の勤め人には人気があって
タイミングが悪いと満席で入れない時もある。
ここはミシュランガイドには決して載らないし、
勿論調査にも来ないだろうけれど、
これこそが日本の食事という感じがする。
フィンランドの大使館のお偉いさんが時々来るそうである。
地元のフリーペーパーでこの人が取材されて
「竹やん」を日本らしい店として紹介していた。
六本木にはもっと紹介するのにふさわしそうな
それっぽい高級店がいっぱいあるのに「竹やん」である。
この人は在日35年ということで
さすがに日本の良さを知っている。
たまに行くちょっと洒落た店は確かに美味しいとは思うけれど、
それなりに金を払うわけだから
美味しいのもサービスが良いのも当然である。
やはり親爺は気取らない「普通」が良い。
最近は普通が少なくなってしまった。
僕たち広告屋がよく使う言葉「付加価値」が
必要ということで普通じゃ売れなくなってしまった。
しかし、普通って実はなかなか難しい。
特別なことは案外やりやすい。
デザインも実はそうである。
普通にちゃんとしたデザインは
ギミックで誤魔化しがきかないから難しいのだ。
普通をやるには基本と地道な経験と
さらに仕事に対する誠意が必要だ。
新しいことが良いとばかりに思われがちだが、
そして僕たち広告屋は新しいことをさんざん売り物にしてきた。
しかし、昔からある「普通」をちゃんとやり続けることも
大切じゃないかと最近は思うようになった。
「クールジャパン」とか「おもてなし」とかじゃない
普通の日本が一番いい。