2018年9月29日 更新

プロモーションにおけるSNS炎上回避施策とは?

各企業にとって、プロモーション時の炎上は大きなブランド価値棄損などの中長期的な損害が発生する可能性があります。なによりコストをかけて損害を大きくするのは経営上避けるべきことではないでしょうか?プロモーションにおいて炎上を避ける方法を考えていきましょう。

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プロモーションの炎上とは?

昨年の話になるが、壇蜜さんが出演した宮城県の観光PR動画がWebやSNS上で大きく非難された。
性的なものを連想させる演出が過ぎる動画という風評が多く、YoutubeコメントやTwitterなど各SNSで非難の声が集まり、宮城県はPR動画の使用を取りやめている。

プロモーション炎上の構造

大きくは以下のようなプロセスで発生することが多い。

1.炎上の火種が発見され話題になる
2.リツイートによってツイートが拡散する
3.まとめサイトに掲載される
4.まとめサイトの記事が拡散する
5.ニュースメディアやテレビで報道される

プロモーション炎上しやすいネタ

〇性的な表現を連想させるコンテンツ
性的な「雰囲気・空気」などの想像をかきたてる演出を含むコンテンツは、特に女性に不快な印象を与えやすい。

〇性差別や人種差別
昨年放映されたとんねるずの番組での保毛尾田保毛男(ほもおだほもお)復活劇など、昨今のLGBT開放の流れに逆行したようなコンテンツは、受け入れられにくい。
女性蔑視、人種差別などを想起させる内容にも注意が必要だ。

〇作り話とはいえ、家族や夫婦を描くときにはディテールにも注意
パパの日に発表された某メーカーの動画の中で、「子どもの誕生日に飲みに行き、妻の連絡を無視」といったシーンがあり、糾弾されることになった。誰に対してもそれなりに納得感のある「家族のシーン」を提示するのは不可能に近いが、見る立場によって感じ方が違うことを念頭に置くのが大切。

〇ステルスマーケティング
Youtuberなどのインフルエンサーと企業の関与が疑われ、広告であるのにもかかわらず、広告には見せないねつ造コンテンツなどであった場合。

どんな人が炎上を誘発するのか

ツイッタラー

Twitterを触る機会が多く、日ごろから何らかのネタをつぶやき続けている人たちがいる。フォロワーが過度に多いわけではないのだが、Twitterの仕組み上、いいね!やリツイートが一定以上発生すると、いろいろな人の目に留まりやすくなるため、さらなる拡散が発生してしまうことがある。

まとめサイト編集者

Naverまとめなどのまとめサイトには、定期的に芸能ネタやゴシップネタ、社会ネタを編集・執筆する人たちが多くいる。その人たちはツイッタラーでもあったりするのだが、瞬間的に盛り上がっているネタに関して執筆編集することも多いため、それがさらにTwitterやFacebookなどを通じて拡散されてしまうことがある。
まとめサイトの出来が良く、それがさらに拡散される負のスパイラルに入ってしまうと、平穏な企業活動を取り戻すには覚悟をしないといけなくなる。

プロモーション炎上を回避するために

コンテンツ設計と拡散想定

悪意のある拡散もあるし、悪意まではなくとも受け取り手にとって正義感を募らせた結果、拡散されてしまう、ということも想定して、コンテンツ設計と拡散シミュレーションをすることが重要となる。そのPR動画を見た女性団体は、20代の男性ははたまた50代の女性は何を思うのか、感じるだろうかと想像力を極力膨らませてシミュレーションを事前に行っておきたい。

女性向け商品のプロモーション動画であれば、絵コンテや台本段階から、女性社員の意見を聞いたり、コストをかけて不特定多数の女性への聞き取り調査などを行ってみるのもよいだろう。そこにコストをかけるなんてとんでもない、という社内の声もあるかもしれないが、少し考えてみよう。

炎上した際の記事などは、Google検索にはほぼ未来永劫残り、画像検索でも炎上時のツイート画像などが残り続ける。1回のミスで棄損してしまうブランド価値は、時に計り知れない場合もあるだろう。

今の時代をきっちり想定しておけばむやみな炎上はない

前述したように、炎上するケースは以下のような場合が多い。

〇性的な表現を連想させるコンテンツ
〇性差別や人種差別
〇作り話とはいえ、家族や夫婦を描くときにはディテールにも注意
〇ステルスマーケティング
最後の「ステルスマーケティングがばれた」というのはプロモーション設計というより信義誠実な企業姿勢等の問題だが、それ以外は適切なコンテンツ設計をすれば回避可能だ。
今はどんな時代なのか?考えてみよう。

1.SNSなどにより個人の発信力が増大。
2.二極化が進んだ結果として、不満のはけ口をいつも探している人がいる。
3.LGBT差別や人種差別にかつてないほど敏感な時代。
4.かつての全員結婚時代と異なり、家族や夫婦を持ちたいと思っても、それが得られていない人たちもいる。または得られていても、夫婦や家族の関係値に何らかの不満がある。
以上のことを考えると、可処分所得の低い人の話を聞いたり、LBGTの人にヒアリングしたり、独身未婚の男女に企画を聞いてもらったり、丁寧に企画設計を行えば回避できることが、思いのほか多いのではないだろうか?

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