楽天ペイはいつ生まれたのか?
サービス開始時のプレスリリースは、2016年10月に発信されています。
楽天株式会社: 楽天、ユーザー向けスマホ決済アプリ「楽天ペイ」の提供を開始 | ニュース
楽天株式会社(本社:東京都区世田谷区、代表取締役会長兼社長:三木谷 浩史、以下「楽天」)は、10月27日(木)より、ユーザー向けにスマホ決済アプリ「楽天ペイ」を開始いたしましたので、お知らせいたします。
「楽天ペイ」アプリは、楽天会員IDでログインすることで、簡単に実店舗でのスマホ決済が可能になります。決済方法は店舗のスマホ・タブレット端末からQRコードを読み取る「QRペイ」とユーザー自身がスマホに金額を入力して決済する「セルフペイ」から選択可能です。
支払いは、楽天会員IDに登録されているクレジットカードと楽天スーパーポイントを組み合わせてご利用が可能です。また、「楽天ペイ」アプリで支払った決済金額の0.5%分の楽天スーパーポイントが貯められます。本サービスにより、1億人を超える楽天会員は、スマホひとつで実店舗での決済ができるようになりました。
まだ1年と10ヵ月程度しかたっていないのですが、この後、導入店舗数を飛躍的に増やしていきます。
楽天ペイのプレスリリース手法
次のリリースは、しばらく間が空きます。そこまで導入店舗数を増やす営業活動や企業アライアンスに注力していたのでしょう。
2017年12月より、アライアンス先とのプレスリリースが増えていきます。
2017年12月より、アライアンス先とのプレスリリースが増えていきます。
各企業とのアライアンスリリースを中心としたプレスリリース戦略
楽天のスマホアプリ決済サービス「楽天ペイ(アプリ決済)」が全国の「AOKI」576店舗で提供開始 | 楽天株式会社
楽天株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役会長兼社長:三木谷 浩史、以下 「楽天」)は、株式会社AOKI(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:中村 宏明、以下「AOKI」)の運営するメンズ&レディースのファッション専門店の「AOKI」全国576店舗(注1)において、楽天のスマホアプリ決済サービス「楽天ペイ(アプリ決済)」が、本日より利用可能となりましたので、お知らせいたします。「楽天ペイ(アプリ決済)」が、スーツ業界において全店導入されるのは初めてです。
紳士服大手のAOKIとの全店アライアンスを打ち出しました。
AOKIとの提携は大きな話題となります。この後しばらく、店舗導入を増やした旨の発表が続きます。
楽天のスマホアプリ決済サービス「楽天ペイ(アプリ決済)」、ステップグループのシューズショップ全85店舗で利用可能に | 楽天株式会社
楽天株式会社(本社: 東京都世田谷区、代表取締役会長兼社長: 三木谷 浩史、以下「楽天」)は、運営するスマホアプリ決済サービス「楽天ペイ(アプリ決済)」が、株式会社ステップ(本社: 大阪府大阪市、代表取締役: 植松 哲、以下「ステップグループ」)の運営する全国85店舗(注1)のシューズショップにおいて導入され、5月1日より先行して「ステップスポーツ」、「ファミリープレイス」の全店舗で利用可能となることを、お知らせいたします。
靴販売チェーンとの提携など、大型アライアンスが続いていきます。楽天に出店していた会社を上手く巻き込んで、アライアンスを行っていたようです。
次は別業態でタクシー会社との提携でした。
次は別業態でタクシー会社との提携でした。
楽天のスマホアプリ決済サービス「楽天ペイ(アプリ決済)」、奈良近鉄タクシーの309台で利用可能に | 楽天株式会社
楽天株式会社(本社: 東京都世田谷区、代表取締役会長兼社長: 三木谷 浩史、以下「楽天」)は、運営するスマホアプリ決済サービス「楽天ペイ(アプリ決済)」を、奈良近鉄タクシー株式会社(本社: 奈良県奈良市、代表取締役社長:古川 俊男)が運行するタクシーに提供します。これにより、6月1日から奈良県内の車両309台(注1)にて「楽天ペイ(アプリ決済)」が利用可能になります。なお、奈良県のタクシーにおいてプリント型QRコード決済が導入されるのは初めてとなります。
この次のネタは何だろう…と思っていたらあっと驚く引っ越し会社でした。
楽天のスマホアプリ決済サービス「楽天ペイ(アプリ決済)」、「アート引越センター」で利用可能に | 楽天株式会社
楽天株式会社(本社: 東京都世田谷区、代表取締役会長兼社長: 三木谷 浩史、以下「楽天」)は、運営するスマホアプリ決済サービス「楽天ペイ(アプリ決済)」が、6月1日より、アートコーポレーション株式会社(本社: 大阪府大阪市、代表取締役社長: 寺田千代乃、以下「アートコーポレーション」)の運営する引越し事業「アート引越センター」に導入され、利用可能となることをお知らせいたします。本サービスが、大手引越し会社の全国の直営店で導入されるのは初めてです。
アライアンス先も大手で店舗数や出先出張所の多い会社、そして、PR的にも話題性となりやすい会社と組んだリリースが目立ちますね。
楽天のスマホアプリ決済サービス「楽天ペイ(アプリ決済)」、浜松市内のタクシー242台で利用可能に | 楽天株式会社
楽天株式会社(本社: 東京都世田谷区、代表取締役会長兼社長: 三木谷 浩史、以下「楽天」)は、運営するスマホアプリ決済サービス「楽天ペイ(アプリ決済)」を、西部タクシー株式会社(代表取締役:長谷 勝彦)、浜松交通株式会社(代表取締役:久野 富男)、浜松日本タクシー株式会社(代表取締役:川崎 聡彦)、光タクシー株式会社(代表取締役社長:服部 弘子)、株式会社Delight(ミナミタクシー)(代表取締役:袴田 武)の5 社(本社:静岡県浜松市、以下「提携5社」)が運営するタクシーに提供します。これにより、6月4日から浜松市内の242台(注1)にて「楽天ペイ(アプリ決済)」が利用可能になります。なお、東海4県下のタクシーにプリント型QRコード決済が導入されるのは初めてとなります。
また、タクシー会社、今度は浜松の会社ですね。
そして、PR素材としてはエンタメ性もあり、メディアも興味をもちやすそうなのが次のプレスリリースでした。
楽天のスマホアプリ決済サービス「楽天ペイ(アプリ決済)」、国内で初めて野球スタジアム観客席での売り子販売で利用可能に | 楽天株式会社
楽天株式会社(本社: 東京都世田谷区、代表取締役会長兼社長: 三木谷 浩史、以下「楽天」)は、運営するスマホアプリ決済サービス「楽天ペイ(アプリ決済)」を、「楽天生命パーク宮城」の観客席でのドリンク販売において導入し、7月7日よりスマートフォンによるQRコード決済が利用可能となりますのでお知らせします。QRコード決済が野球スタジアム観客席の売り子販売で導入されるのは国内初となります。
野球のスタジアムで売り子が…というのはかなり斬新な切り口でした。
ここまで振り返ってみると、プレスリリースの中で、「…の中では初めて」「国内初」という打ち出しが毎回あり、メディアに対して「初物」であることを訴求できるようにプレスリリース文を作成しているのがわかります。
その次は趣向を変えて、取り扱いカードブランドが増えた旨の発表という、どちらかというとオーソドックスでメディア映えしにくい発表となりました。
楽天のスマホアプリ決済サービス「楽天ペイ(アプリ決済)」において、JCB・American Expressなどの国際カードブランドが登録可能に | 楽天株式会社
楽天株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役会長兼社長: 三木谷 浩史、以下「楽天」)は、運営するスマホアプリ決済サービス「楽天ペイ(アプリ決済)」において、株式会社ジェーシービー(本社:東京都港区、代表取締役兼執行役員社長: 浜川 一郎、以下「JCB」)が運営する国際カードブランドを登録可能とすることを、両社で合意いたしました。JCBが、他社の提供するQRコード決済サービスへの対応について合意したのは今回が初めてです。今年から来春にかけて、順次展開していく予定です。
やはり、「初めて」という言葉を使っています。
メガネスーパーなどの眼鏡販売店で使えるという発表も独自性のあるものでした。
楽天のスマホアプリ決済サービス「楽天ペイ(アプリ決済)」、ビジョナリーホールディングスの眼鏡・コンタクトレンズ販売店約400店舗で利用可能に | 楽天株式会社
楽天株式会社(本社: 東京都世田谷区、代表取締役会長兼社長: 三木谷 浩史、以下「楽天」)は、運営するスマホアプリ決済サービス「楽天ペイ(アプリ決済)」が、株式会社ビジョナリーホールディングス(本社:東京都中央区日本橋、代表取締役: 星﨑 尚彦、以下「ビジョナリーホールディングス」)の運営する眼鏡・コンタクトレンズの販売店「メガネスーパー」、「メガネハウス」、「シミズメガネ」、「メガネのタカハシ」の約400店舗で導入され、7月27日(金)よりスマートフォンによるQRコード決済が可能となりますのでお知らせします(注1)。
直近のプレスリリースは居酒屋グループとのアライアンスでした。
楽天のスマホアプリ決済サービス「楽天ペイ(アプリ決済)」、「白木屋」「魚民」など全国のモンテローザグループの店舗で利用可能に
楽天株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役会長兼社長: 三木谷 浩史、以下「楽天」)は、運営するスマホアプリ決済サービス「楽天ペイ(アプリ決済)」が、株式会社モンテローザ(本社:東京都武蔵野市、代表取締役会長兼社長:大神 輝博、以下「モンテローザグループ」)が運営する、「白木屋」「魚民」などの全国37ブランド・約1,700店舗(注1)の飲食店にて、8月1日より利用可能となりますのでお知らせいたします。本サービスが、大手居酒屋チェーンに全店導入されるのは初めてです。
プレスリリースのPOINT
こういうところでも使えるんだ!という驚きを覚えたのが一番最初の紳士服大手AOKIとのプレスリリースでした。その後も引っ越し会社など、意外性を感じる導入先とのプレスリリースに成功したと言えるでしょう。
シューズショップ、タクシー会社、眼鏡ショップ、居酒屋など、様々な業態とのアライアンス発表もさらなる店舗開拓に効果がありそうです。
というのも、各プレスリリースが記事化されることで、それら業態と同種業態の大きな会社の経営者や幹部の目に触れることで、アライアンスがより進んでいくと思われるからです。
シューズショップ、タクシー会社、眼鏡ショップ、居酒屋など、様々な業態とのアライアンス発表もさらなる店舗開拓に効果がありそうです。
というのも、各プレスリリースが記事化されることで、それら業態と同種業態の大きな会社の経営者や幹部の目に触れることで、アライアンスがより進んでいくと思われるからです。
楽天ペイの広告手法とは?
インターネット上でさまざまなキャンペーンを展開
自社サービスとの連動キャンペーンやコンビニなどの大規模チェーンとのタイアップキャンペーンを行うことで、ユーザー数を増やしていったようです。
ヤフーとソフトバンクが組んで10月にも新決済サービス「ペイペイ」を始めるという発表もありましたが、楽天ペイは先行者メリットを活かせるのでしょうか?
今後の動向を注意深く見ていきたいと思います。
今後の動向を注意深く見ていきたいと思います。