LA 店頭レポート シリーズvol.2 ep.5 Ralphs
アメリカ社会は現在、2021年以降続くインフレーションに悩まされている。
平時のインフレ率は1〜2%を推移するとされる中、2022年の消費者物価指数(CPI)は前年比約9.2%上昇と、40年ぶりの水準を記録した。
それはコロナ禍の反動による一過性のものと思われていた。しかし、現実は2024年現在のインフレ率は約3%にまで下がったものの、それでも平時に比べ高い水準で物価は高止まりしている。
電気代やガソリン代といったエネルギー関連費用の高騰に加え、日用品の価格も上昇する一方だ。
インフレーションの中、企業は賃金を上げなければ人を雇えない。
上げた賃金が商品価格に反映され、それがさらなる価格上昇を引き起こす悪循環が起こり続けている。賃金上昇が追いつかない勢いで物価が上がっていく。
ただ生きていくためのコストが上がった。
自由に使えるお金が減った社会。
そのような社会情勢の中、小売りの現場はどうなっているのか。
物価高の中における、売り方・買い方の変化を洞察する。
平時のインフレ率は1〜2%を推移するとされる中、2022年の消費者物価指数(CPI)は前年比約9.2%上昇と、40年ぶりの水準を記録した。
それはコロナ禍の反動による一過性のものと思われていた。しかし、現実は2024年現在のインフレ率は約3%にまで下がったものの、それでも平時に比べ高い水準で物価は高止まりしている。
電気代やガソリン代といったエネルギー関連費用の高騰に加え、日用品の価格も上昇する一方だ。
インフレーションの中、企業は賃金を上げなければ人を雇えない。
上げた賃金が商品価格に反映され、それがさらなる価格上昇を引き起こす悪循環が起こり続けている。賃金上昇が追いつかない勢いで物価が上がっていく。
ただ生きていくためのコストが上がった。
自由に使えるお金が減った社会。
そのような社会情勢の中、小売りの現場はどうなっているのか。
物価高の中における、売り方・買い方の変化を洞察する。
観察店舗(バーバンク)
●Walmart
●Best Buy
●Target
●Whole Foods
●Ralphs
●Trader Joe’s
●ショッピングモール観察(センチュリーシティ)
Westfield Century City
今回はRalphsの店頭レポート。
●Best Buy
●Target
●Whole Foods
●Ralphs
●Trader Joe’s
●ショッピングモール観察(センチュリーシティ)
Westfield Century City
今回はRalphsの店頭レポート。
Ralphs ラルフス
安さで地域住民の生活を支える“ラルフス”。
少量からでも物が安く買え、気軽に買い物に行ける地域に密着したスーパーのラルフスらしく、まずは値段ありきの売り場作りがなされている。
店内に入った瞬間から飛び込んでくる値札の数々は、ここまで下げているという企業側の自信の表れのようにも見える。
お得に買えるものが必ずあるという安心感は、最寄店舗に通う理由として十分だといえる。
少量からでも物が安く買え、気軽に買い物に行ける地域に密着したスーパーのラルフスらしく、まずは値段ありきの売り場作りがなされている。
店内に入った瞬間から飛び込んでくる値札の数々は、ここまで下げているという企業側の自信の表れのようにも見える。
お得に買えるものが必ずあるという安心感は、最寄店舗に通う理由として十分だといえる。
最後に
物価高の社会でも、人々は買い物をしなくなるわけではない。
しかし、限られたお金を何に使うべきなのか。人々がお金を払うべき意味を
より強く考える社会になっているといえるだろう。
そのような情勢の中、顧客に選ばれる企業は、自分たちが顧客に提供している価値を理解し、
どうして自分たちが選ばれているのかを見つめ直し、研ぎ澄ました売り場作りをしている。
ただ、安く売ればいいのではない。
顧客は、買い物に心の充足も求めている。
インフレ社会の中だからこそ、企業は自社のブランドを見つめ直し磨くことが求められる。
そのためには、他企業と比較しオリジナリティを見出す努力ではなく、自社の提供価値を問い直し、アイデンティティを深掘りする努力、そして自社らしい売り場を作ることが不可欠だ。
日本においても物価高騰は深刻になっている。10月に2900品目余の食品の値上げをはじめとして、様々なものが値上げされ、物価高に苦しむ人が増えている。
顧客が自由にお金を使えなくなっている現在。日本においてもブランドは、顧客からお金を払う意味を問われている。改めて自社の原点的な価値は何かを見つめ、“らしい”売り場にしていくことが必要だ。米国小売企業の努力から学ぶべきことは多いだろう。
了。
しかし、限られたお金を何に使うべきなのか。人々がお金を払うべき意味を
より強く考える社会になっているといえるだろう。
そのような情勢の中、顧客に選ばれる企業は、自分たちが顧客に提供している価値を理解し、
どうして自分たちが選ばれているのかを見つめ直し、研ぎ澄ました売り場作りをしている。
ただ、安く売ればいいのではない。
顧客は、買い物に心の充足も求めている。
インフレ社会の中だからこそ、企業は自社のブランドを見つめ直し磨くことが求められる。
そのためには、他企業と比較しオリジナリティを見出す努力ではなく、自社の提供価値を問い直し、アイデンティティを深掘りする努力、そして自社らしい売り場を作ることが不可欠だ。
日本においても物価高騰は深刻になっている。10月に2900品目余の食品の値上げをはじめとして、様々なものが値上げされ、物価高に苦しむ人が増えている。
顧客が自由にお金を使えなくなっている現在。日本においてもブランドは、顧客からお金を払う意味を問われている。改めて自社の原点的な価値は何かを見つめ、“らしい”売り場にしていくことが必要だ。米国小売企業の努力から学ぶべきことは多いだろう。
了。