2018年2月8日 更新

元美容部員が語る “共感力” とは?

化粧品の購入動機は肌に触れるものなので少し複雑。マイナスの気持ちで来店する人、ワクワクした気持ちで来店する人・・・。様々な人に満足してもらうために考えた販売の心得です。

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こんにちは!新人編集部員です。

私は以前、某化粧品メーカーの美容部員としてデパートで対面販売をしていました。
今回はその時に考えていた、私なりの化粧品が売れる方法についてお話ししようかと思います。
現在携わっている、化粧品会社の企画や什器にも少し通ずるところがあるかとは思っています。
ただ、全てあくまでも私の考察ですので悪しからず・・・。
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初めに、美容部員時代に私はずっと“会社の教えてくれる売り方だと売るのが難しい!そんな簡単に売れないよ!!”と思っていました。これに関しては私だけでなく、同僚、さらには他社ブランドの美容部員もよく言っていたことでした。
教えられていた模範的な売り方というのは、

【悩み聞き出す→原因を探る→対策・商品の提案→クロージング】

というものです。
たしかにこれは間違いなく模範で正解なのですが、実際にやってみるとあまりうまくいきません。悩みの聞き出し(=ニーズの把握)が思いのほか難しいのです。
人は、初対面の人にあけっぴろげに自分の悩みを打ち明けませんよね。
なので、お客さまがそのつもりでなくても適当に悩みを言われる事が多く、本当の悩みや理想が他にあることが多かったんです。
接客の掴みである、悩みの聞き出しをいかにうまくできるか、が化粧品販売における勝負の決まりどころだと思います。
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必要なのは共感ではなく”共感力”

そこで大事になってくるのが“共感力”だと思っています。
普通の共感は「あなたの事が分かります、理解します」というものですが、共感力は少しニュアンスが変わり“相手からの共感を得る力“です。
この”共感力“こそが私の考える一番大事なものです。
言葉では簡単なのですが、いざやろうとすると意外と難しいです。
「この人は私を分かってくれている」と思ってもらえるような話し方をする、いわば長い付き合いのお友達のように親身になる事が大事なのだと思っています。
化粧品を探しにきた人はそれぞれ様々な動機を持っています。肌状態が不安な人、コスメが好きな人、無くなったからとりあえず来た人・・・まずはそれらの動機をいち早く掴むことが重要です。
通常だと「何かお悩みはございますか?」から始まります。
しかし、それだとお客さまはあまり心を開いてくれません。まずは、簡単な世間話から「空気乾燥してますよね、私最近肌がぱりぱりになっちゃって。○○様はいかがですか?」のような感じでこちらから心を開いて待っていると、相手も自然とお話ししてくれるんです。
そうするとお客さま自身でも考えながらお話ししてくれるので、商品の必要性の伝わり方が全く違ってきます。
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求めているモノは人それぞれ

またそこから商品の説明をする際にも、その人に合わせた説明方法が必要となります。
教科書通りにいけば、どんな成分が入っていてそれにはこんな効果があって・・・ですが、コスメオタクでもない限り、成分に関してはあまり重要視されていないように感じます。
成分だけでは自分ゴト化が難しい為、「あぁ、商品勧められているな…」となり、お客様は引いてしまいます。
ブランド名や感覚(見た目や触り心地)を重視する方や、堅実な主婦の方、成分マニア等、何がその人の心に刺さるかは人それぞれです。一つ一つの反応を見て、変えていく事が重要になります。

(例) 顔で体験した後にずっと肌を触っている人 → 触覚重視派
                鏡を見ている人 → 視覚重視派
    商品リーフレットをよく見ている人 → 堅実派?(値段や使用量を見ている) 等々

その反応を見たうえで、感覚派の人には触り心地や見た目の肌変化を推したり、堅実派の人にはいかに商品を使用した上でのベネフィットがあるか等、伝え方を変えるだけで商品の魅力を引き上げる事が出来るのです。さらにその魅力を後押しするのが感情です。よく言う話ですが、お客さまと同じか少し高めの熱量で話すだけでも魅力度がさらにぐっと上がります。
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化粧品は納得して使う事で価値も効果(実感)も上がる

お客さまが「この人は私の事を分かってくれている」「商品を使うと私の肌は良くなるのか!」という信頼と理解を得る事で、その商品は想像を超える価値を持つ事が出来るのです。
口コミサイトとして人気がある@cosmeも同様だと思います。
同じような悩みの人が使用体験談が色々見れるので、商品価値が上がることで購入意思が高まるのではないでしょうか。
化粧品の店頭什器やキャンペーンは、美容部員の代わりに商品の魅力を伝える大事なツールです。
そのためまだまだ勉強中の私ですが、美容部員時代に学んだ共感力や感情を含んだ伝え方を活かしていきたいです。
ターゲットとなるお客様が“共感”できるコトづくり・モノづくりを、今後も頑張っていこうと思っています。

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