2019年5月16日 更新

ちょっと勉強、欧州議会議員選挙とプロモーション

1カ月ほど前、NHKのBS1で「個人情報が世界を変える」という特集が放送されていました。 その番組が非常に勉強になったので、ちょっとした勉強の意味で紹介するとともに、今後の考察をしてみたいと思います。

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1カ月ほど前、NHKのBS1で「個人情報が世界を変える」という特集が放送されていました。
その番組が非常に勉強になったので、ちょっとした勉強の意味で紹介するとともに、今後の考察をしてみたいと思います。

来週、欧州議会議員選挙があります。
前回は2014年に選挙がありました。
そこからEUの情勢は大きく変わっています。グローバル化は進みながらではありますが、ナショナリズム化というか、そういう思想や思考が台頭してきています。
さらには、イギリスは国民投票でEUの離脱が決定されました。
(今回の選挙ではまだ離脱ではないです)
世界的にも、アメリカはトランプ大統領が誕生し、グローバル化の推進ではなく国益重視の施策に舵を切っています。
中国はますます台頭をして、一帯一路政策でアジア・東南アジア、アフリカまでもをその版図にしようとしています。

人口5億人のヨーロッパ共同体は、その意義をどこに見出すのでしょうか。

個人情報の捉え方

「個人情報」と「プライバシー」という通貨

NHKの「個人情報が世界を変える」では、『ケンブリッジ・アナリティカ』がもたらしたアメリカ大統領選挙とイギリスのブレクジットに着目しています。
SNSが台頭してきた社会において、政治に関する、特に選挙に関するSNSの活用で結果を出したのが、トランプの側近であったスティーブン・バノン氏が役員であった『ケンブリッジ・アナリティカ』です。不正疑惑で現在は会社としては倒産はしていますが、この結果が示した手法は、今後の選挙行事に関して非常に注意しないといけない事象となりました。
ここで、この「個人情報が世界を変える」という番組の視点は、SNSの活用だけではなく、個人情報を扱うということを深堀りしています。

現在、Googleでも、Facebookでも、Amazonでもそうですが、検索エンジンや主だったSNSやECサイトは、その利用が無料です。
番組中「タダほど怖いことはない」として、無料の利用ではユーザーは新しい通貨を払って利用している実態に言及しています。つまり、「個人情報」と「プライバシー」をその運営企業に払っているわけです。
実態として、GoogleやFacebookやAmazonなどの企業は150~200項目の分類をして個人を特定しているそうです。
購買履歴を蓄積していくと、当然ですが、例えばその人が妊娠しているかどうかというのは特定できてしまうこともあるそうです。

現状、企業のプロモーションは、検索であればクッキーに残っている履歴、SNSであれば情報開示とコンテンツの利用履歴でターゲット選定をし、GoogleやFacebookで広告を配信していきます。
オープンなSNSであれば、検索エンジンでワード抽出をして、一緒に語られているワードまで拾ってきて、インサイト分析と有効なメディアの選定までできます。
しっかり『なぜ?』という部分を掘り起こし、『言うべきこと』を構築でき、『どのように言う』を『最適な場』で情報発信ができます。

これは、ターゲティングと情報発信と受信の最適化として発信側にも受信側にも非常に有効なプラットフォームだと思います。

ただし、利用者は「個人情報」と「プライバシー」を握られているという意識はあまり無いように思います。これをどのように判断するか、ということに対しては、正も悪もないのですが、
その利用のされ方には注意をすべきだと思います。
Regulation Gdpr Data - Free photo on Pixabay (4240)

General Data Protection Regulation

General Data Protection Regulation
というEUの一般データ保護規則があります。
欧州議会・欧州理事会および欧州委員会が欧州連合 (EU) 内の全ての個人のためにデータ保護を強化し統合することを意図していて、EU以外への地域の個人情報の輸出も対象となる規則です。

番組内では、このGDPRの推進にも注目をしています。
左派と呼ばれるEUの政治家達がGDPRを重視する点が大きく2点紹介されていました。

まず1点目に、『ケンブリッジ・アナリティカ』の衝撃を受けて、選挙活動において個人情報の活用と選挙プロモーションの活動が及ぼす影響について言及しています。
かのスティーブン・バノン氏は今何をしているかというと、ベルギーにいて右派が選挙で勝てるように個人情報、SNSを活用する動きをとっています。
今、右派と呼ばれる政治家やその支持者は20%くらいとされていますが、今回の選挙の当選結果で右派の議員数の割合が増えることになれば、今後のEUの意思決定に対して大きな影響力を持つことになります。
(余談ですが、右派の人達全てではないでしょうが、中には共同体や国際連合というものは必要ないという考えを持った政治家も紹介をされていました。
さらにはメディアには真実がなくSNSが真実だという断言的な部分もありました。ナビゲーターが、SNSでも明らかなフェイク情報、ヘイト情報が流れているのだから、何が真実かを捉えるのは難しいと言っていました。)
個人情報を活用すると、分析によりターゲティングが出来るので、思想と考えが似ている人に的確に情報を発信することができます。その分析と発信にSNSが活用されます。今回でもFacebookはもちろんのこと、WhatsAppやInstagramでどのような動きがあるかは注目されているそうです。

普段投票に行かない層をどれだけ投票させることができるかは、投票総数の獲得にとっては非常に重要です。潜在する支持者を投票者にコンバージョンさせるツールを活用することは、決して悪いことではありません。むしろ、よい働きかけです。ただし、煽動する内容は別ですが。
2点目に、「個人情報」と「プライバシー」の価値について言及がされています。
2019年の現段階では、「個人情報」と「プライバシー」を活用してマネタイズしている企業が世界のトップ5に並びます。
現状、中国を除くと、世界の「個人情報」と「プライバシー」はアメリカのIT企業に流れています。
この動きに制約をかけていくことと、個人情報に頼らないIT事業のスタートアップに力を入れていくことに注力がされています。
GDPRという規制を重要視していくことがEUの発展に繋がるという発想です。
このスタートアップ企業が成長していくと、現在のIT業界の構造がまた変化します。
現状のアメリカのIT企業の占有ということにもストップをかけることができるかもしれません。
しかし、このGDPRは、現状の大企業の欧州撤退に繋がるという意見もあります。
番組コンテンツでは様々な視点を交えて、多様な角度で発信が成されていたので非常に勉強になりました。

まとめ

私たちにとって重要なのは、このデータ保護規制の中で生まれてくるビジネスの成長が対岸の火事だと思ってボケっとしていると、良い影響も悪い影響も起こりえる現代ということです。

そして、民主主義の意思決定という議会の場に私たちの代表を送り出す「選挙」に対する情報操作を、まさに身近に「スマートフォン」という手のひら端末にある中のアプリや検索デバイスで受けているということです。

少し政治色の多い記事になるのは本位ではないのですが、
「個人情報」と「プライバシー」の活用は普段の商品やサービスのプロモーションとは異なった視点で、選挙の場でマーケティングとプロモーションとして有効活用されているということを、来週にある「欧州議会議員選挙」を通して、私たちも注目していくべきかとは思います。

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