2018年7月10日 更新

サッカー日本代表監督は誰に?!

外国人がいいのか?!日本人がいいのか?!クリンスマンなのか?!次のサッカー日本代表監督ははたして誰になるのでしょうか?

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サッカー日本代表の監督はビエルサがいい

サッカーOTAKU、編集のOです。
熱い熱いサッカーW杯も終盤にきました。残すは準決勝の2試合、3位決定戦、決勝戦の計4試合となりました。
戦前の風潮を覆して、サッカー日本代表が活躍をし、国内外から称賛されました。
結果、4戦して1勝しかしていませんが、その戦いぶりやドラマチックな試合は、色んな人を興奮させ、感動させ、感動の涙と悔し涙を呼び起こしました。
そして、未来に繋がる展望を持つことができました。

ポゼッションサッカーは何も悪くない

2008年から2012年、ペップことジョゼップ・グアルディオラ監督が世界に衝撃を与えた超ポゼッションサッカー、ティキタカというリズムに例えられるパス回しは、育成年代から一緒にいるメンバーと、一流選手のセンスやイメージ共有で、当時サッカー界のトレンドとなりました。

そして、ペップサッカーとよく対比されるのですが、当時、ジョゼ・モウリーニョ監督は完全に引いて守備ブロックをつくって、カウンターを狙うサッカーを展開してライバルの立ち位置をとっていました。
この対比される戦術は、どちらも実は共通項へのアプローチの仕方が異なるだけです。
どのようにスペースをカバーするか?そして、どのようにスペース空けて有効に使うことができるか?もちろんゴールからの逆算においてスペースの利用陣地取りを考えていきます。

そして、ゴールからの逆算は守備から始まります。

モウリーニョの表現したサッカーは、非常に分かり易いです。
引いて守って奪って、前掛かりになった相手の裏に人とボールを運んぶ。鋭いカウンターを突き刺すというサッカーです。

ペップの超ポゼッションサッカーは、実は守備をしやすく体現されています。
一見自由にパス回しをしているように見えて、選手間の距離や、守備を考えたボールと人の移動がそのパス回しには網羅されています。
規律正しく選手にもディシプリンがありました。
その『シザマ』は、ティキタカというリズムで形容されるように、リズミカルで優雅に見えますが、相手チームにボールを奪われた瞬間、バルセロナの選手達は『いかつい』狩人になり、ボール奪取に向かいます。
パス回しをしている選手間のバランスの良い距離とポジショニングがあるため、即ボールを奪取して、ショートカウンターが始まります。この時は電光石火でゴールを決めにいきます。
ボールを回しながら、相手陣内に侵入し、相手陣内深くでボールを奪われても、すぐ奪い返して、前掛かりになった相手に電光石火のショートカウンターを喰らわすサッカーは理想像でした。
味方との距離とポジショニングでスペースを消し、パス回しの中で、相手を寄せ、スペースをつくり、パスで言うと、短、短、短、短、長というオープンスペースへの展開を繰り返していました。

ペップはクライフから受け継いだサッカー哲学を最大限に昇華させたのではないでしょうか。

しかし、監督も選手も何年も同じ究極のテンションを保つことはできないのでしょうね。
相手チームも研究をしてきます。ティキタカへの対策として、いわば11人が自陣に引いてしまう対策がとられました。うまく機能しない時期も当然出来ていきます。盛者必衰の理。人には何かしらの変化が必要です。疲れ切ってしまったペップはバルセロナを去ります。

こうやって、またサイクルが終わり、新たな進化が始まりました。
World Cup Trophy · Free vector graphic on Pixabay (3236)

元々長年ユーロやW杯を戦ってきたスペイン代表の中盤の核はシャビとイニエスタでした。
中盤底にはマルコスセナなどがいましたが、ブスケッツが代表入りし、さらにバルセロナ色は強くなり、スペイン代表も超ポゼッションサッカーをとるようになり、今回に至ります。

今回のW杯では、スペイン代表が、ティキタカを体現しながら、成果を出すことが出来ませんでした。
引ききった相手にゴールを奪うことはなかなか困難です。
まあそれもサッカーですが、それでいいのか?という想いが相手チームにはありますが。。
結果ベスト16でスペイン代表は敗退してしまいます。
そして、あろうことか、ポゼッションサッカーの限界などという記事が出る始末となりました。
そもそもポゼッションとはボール保持率で、相対的には相手ボール時間が長いより、マイボールが長い方が有利であることは明白です。
日本でいうと、コロンビアやセネガルを相手にした時、相手ボールの時間はヒヤヒヤでした。
なので、なるだけポゼッションは高めていくというのは有効な手段でペップの超ポゼッションサッカーはるか以前から、ポゼッションは高めていこうという風潮でした。

要はポゼッションを高めてマイボールの時間を取りながら、どのように相手守備陣を攻略するのかが、これまでも、これからも重要な戦術となります。

スペインの場合は、頂点を取っています。W杯とユーロを連続して優勝しました。世界のどの国もスペイン代表には畏怖と尊敬を抱きながらジャイアントキリングを目指して挑戦をします。
結果、11人が自陣に引いてでも守って何とかカウンターで・・・というサッカーになります。
この打開に関しては、ティキタカをしながら、相手の穴を探すことが必要となります。
相手チームの元々の分析、そして、相手選手とその日のコンディションを見ながら、走らせる人を限定しながらティキタカをする、穴を見つけながらティキタカをする、寄せておいて、逆をつくティキタカをする、そういったことが急造のイエロ監督には無理だったのではないかと思われます。
そして、バイタルエリア以降は、ウルグアイが見せたカバーニ→スアレス→カバーニのようなダイナミックな振り幅とスピードが必要になります。引ききってブロックを作られると崩せないのでワイドへのストレッチをいかに作ることができるかが重要になります。短の連続に長を入れることが必須でティキタカのリズム変化が必要です。
インスピレーションによる閃きは重要ではありますが、閃きに結びつける打開やドリブル突破が必要になります。そういった強引なドリブル突破ができる選手も重要な要素です。
素直なティキタカになり過ぎていたのでしょうね。
そこに変化を加える意図を監督が持てなかったのだと思います。
ポゼッションサッカー、ティキタカ自体は何ら悪くなく、これ以上の体現はないとも思います。
テクニックとイメージ共有、規律を保つ集中力と頭を長時間回転させ考え続ける能力が成せる技です。
なぜうまくいかなかったか、総合力で勝るチームと劣るチームでの戦い方があり、劣るチームがしたたかにジャイアントキリングを狙う反面、勝るチームの対応が遅れてしまう図式があったと思います。
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今回で見えた未来に繋がる展望

そして、日本。2011年以降、ポゼッションサッカーを志向してきました。ディシプリンとアジリティがある日本サッカー選手にはいい志向だったと思います。
そして、2014年、期待されながらも1勝もできず、予選で敗退しました。
ここで、またその志向が揺らぎます。
「もっと縦に速いサッカーを。」。
残念ながら、ザックジャパンのサッカーの積み上げの上にタイミング的に縦への速さを入れようとしたアギーレは日本サッカー以外とは関係のない事で退任を余儀なくされます。
そして、ハリル。
小生はこのサッカーが嫌いでした。縦に速いというのは最早当たり前なのですが、急ぎ過ぎて雑な縦パスや無茶な縦パスが増えます。何かしら統一感なく根性論にもなりそうでした。

いきなりバスケットボールの話を出しますが、スラムダンクに出てくる仙堂の「落ち着いて1本いこう」という感がなく、行き急いでいる感がありました。
落ち着いて回す中に縦への速さ、連動する速さが日本らしさでもあると思うのです。
そういうボール回しをしようとする選手にプレッシャーをかけていた印象があります。

デュエルについても、ハリルが言わなくても、今回の活躍している選手はそれぞれ海外でレベルの高いチームで張ってきています。香川はドルトムントでクロップやトゥヘルの下でゲーゲンプレスを、乾や柴崎はスペインでしこたまディフェンスの間合いやタイミング、距離について叩き込まれています。大迫、長谷部、両酒井は香川と同じくドイツで、吉田はイングランドで、長友はイタリアとトルコで、ハイレベルなデュエルと、頭をフル回転した守備意識を培ってきていました。

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そして、ハリル監督解任、西野監督就任となり、紆余曲折を経るわけですが、そのあたりの思いを述べるのは長くなるので止めておきます。

結果論だけで話をすると、しっかりとしたコンビネーションが活きるメンバーでやると、あのような強豪国にも攻守で、そこそこできるというのが未来への展望でした。
以前は「ポゼッションといっても、日本でやってもな~、世界で勝てるわけがない」という意見がありましたが、ポゼッションを高めることは、相手チームボールになっている時間が減るわけですからなんら悪いことではないです。
引いて守って、フィジカルと体力で圧倒されながら跳ね返し続け、ハーフラインより先に行けず、結局高さなどで押し切られるよりも、ボール保持しながら縦パスの楔を入れ、出し戻しをしながら、オープンスペースに長いボールを入れてチャンスメイクしていくサッカーが日本人にはあっていると思います。
そして、それを体現するにはしっかりとしたパス回しと、パスのリズムが必要で、その理解が出来る選手が必要だと思います。
守備に関しても、ラインを浅くしてコンパクトにすることで、アタックをする選手のみならず前の選手が挟み込めるようになりました。
ハリル時代ではデュエルと言いながら1対1で負けることが多かったのですが、1人のデュエル力ではなくて、しっかり距離間を保って、アタックをして遅らせながら挟み込んで狩るということで、アタック側も強くなりました。
そして、その前に、前からの連動した、待つタイミング、行くタイミングを全体で共通認識し、狩場設定をしていく守備が非常によかったと思います。
このあたりは試合を観ていると、監督だけではなく、特に中盤から前とサイドは、香川、乾、柴崎が主導したと思います。
この3人のサッカー理解と感覚は、日本のサッカー界の先輩方、それこそコーチや評論家やコメンテーターや解説者のレベルを超えてしまっていると思います。レイヤーの外側にいる感覚がします。なので、色んな人の評価を「はあ?」と思っているかもしれません。
ペップ監督時代のバルセロナ、今回のスペイン代表の話を出したのは、日本サッカーの未来に、「パス回しでポゼッションを高めながら、縦に加速する、オープンスペースへと繋ぐ」という点と「ポゼッションを高めながらの守備規律」という展望があると思ったからです。
前線から守備までをコンパクトにして狩場を作りながら、マイボールにした時は遅攻なら、しっかりパスを回す、行けるのであればショートカウンターでスピードアップするという緩急をつけるサッカーが良いと思われます。

戦術マニア ビエルサ監督

では、最後に日本サッカー代表の監督は誰がいいのか?

監督の前に、まず、戦略的な部分に焦点を当てると、サッカースタイル、つまりどういうサッカーを志向していくのかという点が重要です。
小生としては前述のサッカーがそのスタイルです。スタイル自体が戦略です。
そして、日本代表以外の現状況を鑑みると、なんと、あのイニエスタがJリーグにくるのです。
前述のサッカー志向で中長期的視野で戦略を立てるのであれば、イニエスタをJリーグでのプレーのみならず、日本サッカー界に巻き込んでいく戦略を立てるべきだと思います。

その戦略の一歩を踏み出す第一歩を託す監督を戦術とすると、それはビエルサが適任だと思います。
小生、ザックの前からサッカー日本代表の監督はビエルサが絶対良いと訴えてきました。

ミケルスとクライフのアヤックスを徹底研究し、進化とともにそこにオリジナルを加えた、「戦術マニア」と呼ばれるビエルサ。さらに規律正しさを重んじ、真っ直ぐで情熱家で求心力もあります。

ペップもビエルサから色々を学び、今もビエルサの信望者です。

年齢が62歳と4年後の高齢が気にはなりますが、中長期的にみて、イニエスタが日本でプレーをすることと、日本サッカーに巻き込む戦略の中で日本サッカーの方向付けをするには、ビエルサが最適解だと思います。日本サッカーの系譜とこれからの選手人材を生かすことができる監督だとも思います。
今はリーズユナイテッドの監督をしているのでなかなか難しいとは思いますが、そんな風に思っている人はいませんでしょうか(笑)。
日本人監督はどうなのか?
たしかに西野監督は選手の意見を尊重するマネジメント力で最大限に能力を引き出しました。
それは短期であったからこそであったと思います。
ベルギー戦直後のインタビューで、差はどこにあるのか?とつぶやきました。
これが、前述のレイヤーの内側と外側にいる領域の差だと思います。
国内のプロサッカー出身の評論家やコメンテーターは置いておき、プロのコーチすらも、香川、乾、柴崎のサッカー理解と感覚より一回り小さい枠組みにいると思います。
選手>監督やコーチ。
日本人監督ではこれがつきそうです。唯一、中田英寿だけがこのレイヤーの外にいると思いますが、マネジメント力は未知数です。
アジアチャンピオンズリーグを何度も優勝し、クラブワールドカップでだいたい決勝までいって優勝もしている、そんなJリーグの監督であれば、今回のベスト16の壁を超えそうではありますが。
もしくは、海外の主要リーグで成功をおさめて評価されている日本人監督であれば、レイヤーの外側にいそうですが・・・、いません。

なので、外国人監督、そして、戦略の戦術として、ビエルサ監督が最適解と思います。
これは、あくまで1人のすごく私的な個人的意見です。

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この記事のキュレーター

bonbi GOSSIP 編集部 O bonbi GOSSIP 編集部 O
   
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