2018年1月31日 更新

万里の長城を造る力、沸騰国中国

十数年前に中国で飲食店を経営していた安藤氏がみた中国とは。そして、1ディケイドを経てさらなる成長を遂げている隣国を目の当たりにして思うこととは。

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爆買いの終焉

2年ほど前に、デパートの化粧品売り場に某コスメを買いに行ったら、中国人で溢れかえり、私の買いたかった商品は欠品になっていた。
レジの方を見ると数十万円の現金を、列をなして握りしめていた中国人観光客。
その数年前は、免税店で、高級ブランドの筆記用具を10点単位で買い占めていた。
そのような光景が、急スピードで収まり、現在は日本人に近い買い方をする人が増えていっている。
お土産よりも、自分の為に、一点一点吟味している様子である。
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日本の総人口、1億2千万人と同数の大富豪が存在する中国。
中国の成長は著しく、現段階で日本は追い越されている。
日本人はマナーを重んじ、他国の技術を盗まないし、コピー製品を馬鹿にする。
しかし中国は、それを貫くところに成果を出して、それ以上の成功を収めつつある。
日本人は小規模なグループでの業務を得意とし、その集合体が企業になるが、中国人は、万里の長城を造るように大規模なグループでの業務を得意とすると聞いた。
中国は広大な国土だが、連鎖反応のごとく全土発展していく事は否めない。
ただ、文化・風習の違いが、地方に行くにつれて発展の邪魔をするとは思うけれど、それがどれほどの妨げになるかは判らない。

中国で過ごした日々

十数年前に江西省南昌市で日本食レストランとバーを商い、現地に住み、文化、風習の違いを目の当たりにした。
当時の南昌市の平均年収は、約20万円。
青空は見えず常に曇り、車が通らない場所でも、排気ガスのようなにおいがしていた。
老若男女問わず唾を吐き、ごみ箱の外にごみを捨てる。
レストランスタッフに、テーブルクロスと床拭きクロスを色分けしても、理解しない。
役所や商店街のレストランのトイレはドアが無いし、使用後のトイレットペーパーは流さずごみ箱に積みあがっている。
市場の買い出しでは、風で外看板が倒れ、通路は生ごみを跨いで通る。
冷蔵庫は無く、食肉は目の前でさばき、アンモニア臭が立ち込めている。
豆腐は、朝買わないと、酸っぱくなっている。
住んでいたマンションには、見た目はゴージャスなのに、ネズミが巣を作り、散々な目にあった。
現地では、ネズミはゴキブリと同等の扱いで、皆があまり驚かない事に驚いた。
関税は高く、デパートでは海外ブランドは日本の約1、5倍で売られており、ドイツの高級車は中古ですら1000万円近くしていた。

商店街の二世達は、どの店も、レジ前のPCでチャットをしているのか、マジシャンの如くキーを打っていたのには驚かされたが。

日本であんな光景は見たことが無い。
上海ですら、当時、車で少し内陸に行けば、日本の30年前に時間を戻したような感覚になったものだ。
特に上海のナンバープレートはブランド化していて、60万円程の高値がついていた。
現在はそれ以上に高値がついているらしいが、ナンバープレート代で、日本であれば中古車が買える。
上海の高層マンションは柱も建設中の足場も竹が使われ、建物が微妙に歪んでいた。
新しく建つマンションは別として、現在もそのようだと聞いた。
地震が来たらどうするのだろう。
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日本の様なクリーンな環境になるまでには時間がかかるとしても、それ以上に中国の急成長により、経済は日本は追い越されている。
中国人にしてみれば、環境など二の次で、それよりも国が発展することに重きを置いているし、彼らはそれで良いのかもしれない。

これから先の日本は、日本人は何を課題や目標にしていかなければならないのだろう。

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