2018年1月31日 更新

東京オリンピックに向けて変化する飲食業

条例が変わるたびに右往左往する飲食業。オリンピックを控えて外国人の受け入れと夜遊びに寛容になっている今現在だが、オリンピックが終わった後ドメスティック方向に変化する可能性がある・・・。

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東京オリンピックに向けて変化する飲食業

オリンピックを控え、都内飲食店の条例や消防法が変わることは仕方ないが、知らなければ、馬鹿を見ることが往々にある。
Free photo: Censorship, Limitations - Free Image on Pixabay - 610101 (1591)

以前は、警察が抜き打ちで、従業員名簿等のチェックをしに来た。
「写真」、「身分証明書コピー」、「本籍入りの住民票」、「従業員名簿記入」、その4点のうち1つでも欠けていたら、後日麻布署から呼び出しがあり、長い文章を書き写し、署名をしないと帰してもらえなかった。
目的は不法入国の取り締まりで、外国人雇用に目を光らせていたからである。

しかし現在は、抜き打ちで署員は来ないし、本籍入りの住民票はもう準備しなくてもよい。
オリンピックに向けて外国人雇用が必要になったからであろう。
いつまた条例が厳しくなるかはわからないし、備えあれば憂いなしで、整えていることに損はない。
数年前まで、様々なクラブのDJブースの前に、「私たちは決して踊りません」と貼り紙がしてあった。
ホールはお客様が踊らない様に、テーブルと椅子を設置して、大音量のクラブで座ってリズムを取る人が目立った。
クラブのオーナーは、お客様がダンスをしたら、その条例の為に目をつけられて、挙句に営業停止に追い込まれ、年収を奪われる羽目になる。

オリンピック開催が決まった途端、条例が変わり、また踊って良いとなった。テーブルや椅子は無くなり、元の配置に戻っている。
それを一言で片づけたら、以前のオーナーたちは、たまったものじゃない。

今、六本木では外資系のクラブやレストランが軒並み増えていっている。
そして消防署は、3か月に一度避難訓練等を店舗毎に実施して、FAXで日時を知らせないといけない。
オリンピックが終われば、またいつ変更になるか分からない。
条例を各自でチェックする他、認識する方法はない。

行政側では飲食店に直接触れている人が条例を決めているわけではないから、極端な決定をする。
Free photo: Drink, Cup, Late, Bar, Pub, Ice - Free Image on Pixabay - 1870139 (1592)

日本の飲食店文化は独自のスタイルがある。外国人にとっては理解に苦しむ場面に立たされることは多々あるだろう。
ある時、アメリカ人のお客様がドアフォンを鳴らし、「いくらですか?」と聞いてきた。
料金を説明したところ、どうやら、風俗を探していて、勘違いされたようであった。
アメリカで、エイジアンが経営しているバーは、風俗に近い商売をしている所が多いので、そのイメージがついているのだと思う。
実際、アメリカは、「クラブ」か「ショットで飲むバー」か「ストリップバー」が普通だ。
「ガールズバー」、「スナック」、「キャバクラ」、「高級クラブ」は日本独特の文化で、テーブルチャージの意味など、理解されないであろう。
先ず、ボトルキープは日本だけの文化である。
その説明をしたところで理解どころか、意味が無い。
飲食店でも、牛丼から高級懐石まで、価格の幅があるのは日本しかない。
諸外国は、ブランド名の付いたレストラン以外はたいていその国その国で飲食代はほぼ決まっている。
日本ほどクラス分けをしていない。
一時的に日本に来る旅行者たちにとっては、ユニークであるのは間違いないであろう。
その飲食文化に興味を持ち、日本を好きになって再訪してくれれば嬉しい。
オリンピック開催後、間違いなく条例はドメスティックに向けて戻されるであろう。

クラブはテーブルと椅子を増やして、座って踊るような事にならないといいけれど。
条例を決める人員の中に、水商売経験者が一人でも居れば、極端な条例変更は回避できるのではないだろうか。
外資が持ち込んだ飲食店にテナント募集の張り紙が目立つような事にならないためにも。

オリンピックで国が栄えるどころか、国をかき乱すのでは本末転倒で、控えめに事を成すのが功を奏する事に気づいた方が良いのかも知れない。

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