PR新任担当物語-ターゲットにどんな価値を伝えていくか?

PR(広報)部門の女性上司に、ターゲットを明確に誰にもわかるように言語化することを促されたアナタ。ターゲットを明確にすると、どんな価値をPRしたらいいのか?ユーザーベネフィットを整理していく…

目次

まずは、PRターゲットへのベネフィットを整理する

あるベンチャー企業で、新商品のリップスティックのPRを考えて!と女性上司から指示されたアナタ。

翌日電車の中で見かけた魅惑的な女性の所作をヒントに、溢れ出る妄想…

その結果、思いついたPRコンセプトのようなもの、それを上司にいざプレゼン!

…したはいいものの、自分言葉でしか語れず、誰にでもわかるような言語化が出来ず、ターゲットをきちんと言語化するように指示をされ…

PRターゲットはどんな女性なのか?

○ターゲットのおさらい

・デモグラフィック属性:5大都市圏在住、20代後半OL。家族構成は両親健在、兄弟は妹か弟がいる。一人暮らしではなく、実家ぐらし。仕事は中堅私大もしくは女子大を卒業後、事務職もしくは超一流企業ではない総合職系、所得は300−450万程度。

・サイコグラフィック属性:キラキラ系、ミーハー好き女子。もしくはそういう存在に憧れている。お酒好きもしくはそういう場が好き。仕事だけじゃなくて遊びも重視。ファッションやメイクにお金をかける。海外ブランドのバッグや洋服を数点所有。自分でも買うが、歴代彼氏からのプレゼントも所有。ただし、そこまでパリピ(パーティピープル)には振り切れない、昼間堅実に仕事をしている自分も好き。そういう意味では将来的には家庭生活、結婚生活に憧れてもいる。

「なにを」伝えたらPRターゲットは喜ぶのか?

アナタの心の声:「まずは、うちの商品の基本特性を振り返ってみよう…」

○発色:ベビーピンクが特徴、薄い青みピンクとも表現できる。
○ツヤ:光沢がありすぎない、適度な艶感
○リップグロスとの相性:グロスはわざとラフに塗ったほうが、いやらしくない感じ。

つまり、ベビーピンクと適度な艶感、グロスは薄め、というのが王道の使い方と言える。

アナタの心の声:「次は、ターゲットにどんな部分が刺さりうるのか、考えてみよう」
アナタの心の声:「本人はどんなベネフィット(顧客利益)に喜ぶかを考えてみよう…」

アナタの心の声:「まずは端的に整理すると…肉食系男子好き、でもエレガントに見せたい…はず」そして、「そのような、男らしく優しい男を引きつける…」「でも、女性の中でもあまりがっついているように見えたら困る…」

PRメッセージは、ユーザーベネフィットと機能特性の合いの子

アナタの心の声:「普段仕事をしているターゲットからすると、リア充目指しているわけだから、平日の夜は遊びの予定を入れることが多いハズ…そうすると、社内でのメイクは、女性先輩や上司の顔色もあり、控えめだと仮定しよう。」

アナタの心の声:「アフター5で、いかに時短メイク直しできるか、就業後の塗り直しに耐えうるのか、そして、できれば休日の勝負デート使いもできるのか…が気になるはず」

「なにを?」伝えるかが、ターゲットに対するPRメッセージとなる

アナタの心の声:「コピーライティングではないのだから、気軽に、ベネフィットを表現しているテキストをまずは作ろう」

アナタの心の声:「A案⇒ONもOFFも軽やかに」「B案⇒ONもOFFもしなやかに」
アナタの心の声:「C案⇒時短メイクにもしっかりメイクにも」「D案⇒テキパキとじっくりに併用」
アナタの心の声:「E案⇒リア充アイテム」「F案⇒つややかピンクにラフグロス」
アナタの心の声:「G案⇒…」「I案⇒…」

さて、いろいろ出揃ってきたぞ。

PRメッセージにユーザーや専門家の魂を吹き込む

アナタの心の声:「ここまでのアイデアを一度まとめよう。言葉へのイマドキ感を出すためにも、一度ペルソナへのグループインタビューやアンケートを行ってみて、どんな言葉を使えばペルソナに刺さるのか検証してみよう。そこから、PRメッセージをブラッシュアップし、コピーとしても耐えられるレベルのものを作っていこう。」

アナタの心の声:「また、その後、本職のコピーライターを通じて、ニュースリリースで使えるキャッチフレーズはもちろん、店頭POPやテレビCMなどにも耐えうるレベルのコピーライティングも作っていこう。あ、そこまで必要か上司にも確認を取らないとな。」
(次回に続く)