目次
店頭販促特集
凡美社では店頭販促の実態を常に観察している。
売場は常に市場に対して敏感であり、トレンドが反映される。
メーカー側が展開する店頭ディスプレイや店頭POP、店頭施策。
小売側が展開する店頭施策や店頭POP。
買い物客に対する『価値体験の向上』を目指して、店頭は常に変化する。
店頭でのコミュニケーションデザインや、価値伝達の強弱、
コンストラクションデザインも含めた見せ方、体感させる施策などを追求していく。
そこには、セルアウトを考えたプロモーション施策をもってして、流通との商談にのぞむ
メーカーの提案が見えてくる。
さらに小売り側の商品陳列の仕方や店頭POPからは、今の時世にあわせながら、何とか売ろうというパワーも見えてくる。
POP研究家の向坂氏とタイアップし、
随時面白く、ワクワクする売場(買場)をレポートしていく。
売場は常に市場に対して敏感であり、トレンドが反映される。
メーカー側が展開する店頭ディスプレイや店頭POP、店頭施策。
小売側が展開する店頭施策や店頭POP。
買い物客に対する『価値体験の向上』を目指して、店頭は常に変化する。
店頭でのコミュニケーションデザインや、価値伝達の強弱、
コンストラクションデザインも含めた見せ方、体感させる施策などを追求していく。
そこには、セルアウトを考えたプロモーション施策をもってして、流通との商談にのぞむ
メーカーの提案が見えてくる。
さらに小売り側の商品陳列の仕方や店頭POPからは、今の時世にあわせながら、何とか売ろうというパワーも見えてくる。
POP研究家の向坂氏とタイアップし、
随時面白く、ワクワクする売場(買場)をレポートしていく。
引用 向坂文宏/POP広告研究家
POP広告研究家 向坂氏のXアカウントです。御覧ください。
2025年第11弾
39 「並べる棚」ではなく「選ばせる棚」
目薬売り場。
たくさん種類があって、どれを選べば良いのか分からなかったけど、超分かりやすく商品整理をしてくれていた。
特に、プライスカードへの商品特徴記載が助かった、、、。
セルフ販売売り場では、こんなひと工夫が嬉しいんだ。
たくさん種類があって、どれを選べば良いのか分からなかったけど、超分かりやすく商品整理をしてくれていた。
特に、プライスカードへの商品特徴記載が助かった、、、。
セルフ販売売り場では、こんなひと工夫が嬉しいんだ。
単なる「並べる棚」ではなく、「選ばせる棚」として高い完成度の売場となっている。
「アレルギー」「疲れ目」「かすみ目」など、症状別の分類が明確であり、カテゴリごとのカラーコード(緑=アレルギー系、青=疲れ目系、赤=かすみ目・疲れ目の複合)によって直感的な視認が可能な工夫が施されていることで、来店客は自分の症状に該当するカテゴリを素早く絞り込むことが可能である。
比較POPがあることで、購入者は価格比較だけではなく、「自分に合った選択」の確信を得ながら商品を手に取れる。
レコメンドの説得力が高まり、店頭での離脱を防ぐ要素ともなっている。
高価格帯の疲れ目・かすみ目ケア製品が揃っており、ユーザーの課題レベルに応じてステップアップ消費が促せるような品揃えとなっている。
比較表による視覚的判断支援、症状別の分類とカラー設計、ニーズの深さに応じた商品段階設計など、購入者目線の仕掛けがあるから買いやすい。
「選ばせる棚」というのはすごく重要だ。
「アレルギー」「疲れ目」「かすみ目」など、症状別の分類が明確であり、カテゴリごとのカラーコード(緑=アレルギー系、青=疲れ目系、赤=かすみ目・疲れ目の複合)によって直感的な視認が可能な工夫が施されていることで、来店客は自分の症状に該当するカテゴリを素早く絞り込むことが可能である。
比較POPがあることで、購入者は価格比較だけではなく、「自分に合った選択」の確信を得ながら商品を手に取れる。
レコメンドの説得力が高まり、店頭での離脱を防ぐ要素ともなっている。
高価格帯の疲れ目・かすみ目ケア製品が揃っており、ユーザーの課題レベルに応じてステップアップ消費が促せるような品揃えとなっている。
比較表による視覚的判断支援、症状別の分類とカラー設計、ニーズの深さに応じた商品段階設計など、購入者目線の仕掛けがあるから買いやすい。
「選ばせる棚」というのはすごく重要だ。
40 セルフ診断ツールはまだまだPoC段階?
今、化粧品売り場へ行くと、色々な診断システムがある。
こんなに各メーカーが用意してるとは思わなかった。
多彩な商品から自分に合ったものを選んでくれる。
あまり使ってる人いないのだけど、この試行錯誤が未来のセルフ販売売り場を作っていく。
こんなに各メーカーが用意してるとは思わなかった。
多彩な商品から自分に合ったものを選んでくれる。
あまり使ってる人いないのだけど、この試行錯誤が未来のセルフ販売売り場を作っていく。
セルフ診断ツールの店頭活用は、現時点では「成果不明・トライアル段階」である。
しかし、それは同時に大きな余白と可能性がある。
単なる“機能”としてではなく、「発見と納得」を与える接客体験の一部としての設計の深化が必要なのかもしれない。
あまり使っている人を見かけないという実態を考慮しながら見ると、
特にマツキヨのSKINCARE ANALYZERなど、視認性や使い方に対する使う理由が明確でないため、導線上の"空気"になってしまっている可能性がある。
ただ設置したではなく、「使いたくなる仕掛け」を考えてみる。
・診断ツールの存在が「素通り」されている
・リアルタイムの「アクション(試す・手に取る)」に繋がらない
・ユーザーが「自分ごと化」できない
などの課題を解決するには、「セルフツールを主役にしない」ことがキーポイントかと思う。
“ストーリー設計された体験の中の診断”へ
ツール単体ではなく、以下のような流れをセットで設計すべきである。
・「○秒でわかる!私の肌質診断」などのキャッチPOPで足を止める
・診断後のレコメンドを陳列棚で連動表示(例:あなたに合うTOP3)
・診断結果をSNS連携・保存可能にして「自分のデータ化」体験を促す
・サンプル提供・限定クーポン発行などのアクション導線を設置
「設置されたまま機能していないプロモーション」にならないためにも、
色々なトライ&エラーをしていく必要がある。
そして、そのエラーは失敗ではなく、プロセスの一環だという認識でこそ、設計を「深化」させるトライを生み「進化」するのだと思う。
しかし、それは同時に大きな余白と可能性がある。
単なる“機能”としてではなく、「発見と納得」を与える接客体験の一部としての設計の深化が必要なのかもしれない。
あまり使っている人を見かけないという実態を考慮しながら見ると、
特にマツキヨのSKINCARE ANALYZERなど、視認性や使い方に対する使う理由が明確でないため、導線上の"空気"になってしまっている可能性がある。
ただ設置したではなく、「使いたくなる仕掛け」を考えてみる。
・診断ツールの存在が「素通り」されている
・リアルタイムの「アクション(試す・手に取る)」に繋がらない
・ユーザーが「自分ごと化」できない
などの課題を解決するには、「セルフツールを主役にしない」ことがキーポイントかと思う。
“ストーリー設計された体験の中の診断”へ
ツール単体ではなく、以下のような流れをセットで設計すべきである。
・「○秒でわかる!私の肌質診断」などのキャッチPOPで足を止める
・診断後のレコメンドを陳列棚で連動表示(例:あなたに合うTOP3)
・診断結果をSNS連携・保存可能にして「自分のデータ化」体験を促す
・サンプル提供・限定クーポン発行などのアクション導線を設置
「設置されたまま機能していないプロモーション」にならないためにも、
色々なトライ&エラーをしていく必要がある。
そして、そのエラーは失敗ではなく、プロセスの一環だという認識でこそ、設計を「深化」させるトライを生み「進化」するのだと思う。
41 「軽さ」を“視覚”と“空気感”で伝える秀逸なアナログPOP演出
メガネの超軽い訴求。
POP広告は、こんなクリエーティブが良い!
POP広告は、こんなクリエーティブが良い!
・実際の空気のような軽さを象徴する“浮遊感”
・白いバルーンとシンプルな背景による清潔感と上質さ
・見た瞬間に「軽そう!」と伝わる一瞬の説得力
といった要素が組み合わさり、商品特徴とクリエイティブ表現が強く連動している!
さらに、
・「かけた瞬間から、心地いい。」という感情に訴える短文
→機能性価値伝達
・「累計販売本数国内No.1」の実績訴求を赤色で強調
→情報性価値伝達
・商品名「Airframe」も極力主張を抑え、ビジュアルの印象を邪魔しない
→情緒性価値伝達
無駄のないテキスト&構成で世界観を支えていて、全体において「引き算の美学」が貫かれており、高級感・信頼感・清潔感を醸成するミニマルなデザインになっている。
多くの売場が情報量や色彩でユーザーの視線を奪おうとする中、この売場はあえて「静けさ」と「余白」を演出していて、これにより「選ばせる売場」ではなく「惹かせる売場」になっている。
・白いバルーンとシンプルな背景による清潔感と上質さ
・見た瞬間に「軽そう!」と伝わる一瞬の説得力
といった要素が組み合わさり、商品特徴とクリエイティブ表現が強く連動している!
さらに、
・「かけた瞬間から、心地いい。」という感情に訴える短文
→機能性価値伝達
・「累計販売本数国内No.1」の実績訴求を赤色で強調
→情報性価値伝達
・商品名「Airframe」も極力主張を抑え、ビジュアルの印象を邪魔しない
→情緒性価値伝達
無駄のないテキスト&構成で世界観を支えていて、全体において「引き算の美学」が貫かれており、高級感・信頼感・清潔感を醸成するミニマルなデザインになっている。
多くの売場が情報量や色彩でユーザーの視線を奪おうとする中、この売場はあえて「静けさ」と「余白」を演出していて、これにより「選ばせる売場」ではなく「惹かせる売場」になっている。
42 アテンション力がある表現でも購買動機につながるかは不明
軽さ訴求のために天秤を設置。
リンゴ一個より軽いドライヤーである事が一目瞭然!
面白い演出を考える。天才だ。
リンゴ一個より軽いドライヤーである事が一目瞭然!
面白い演出を考える。天才だ。
表現は秀逸でその演出はアテンション力において一定の役割を果たしているが、それが“購買動機”の核となるかというと疑問が残る。
商品コンセプトが多面的であるにもかかわらず、「軽さ」だけに什器が偏っているため、本来伝えたい商品価値が希薄化してしまっている。
USP(Unique Selling Proposition)をCBP(Core Benefit Proposition)に変換した場合、
“腕の疲れなさ”を直感で伝えるストーリー構成が必要ではないか。
・「乾かしている間、腕がぷるぷるしない」→ 実際に重いドライヤーと持ち比べ可能な展示
・「子どもの髪もラクに乾かせる」→ 育児シーン写真の活用
とか、“使用時の実感”が伝わるビジュアルやコピーを補完すれば、軽量=ユーザー側のベネフィットという因果が明確に伝わる。
疑問に感じた点でいうと、
・“りんご”という比較対象の中途半端さ
・実生活で「りんごの重さ(約300g前後)」を明確に把握している人は多くない
・かえって「それって軽いの?普通?」と曖昧な印象になる可能性あり
→「りんご」はインパクトの割に記憶・共感にはつながりづらく、
特に20代〜30代女性ユーザーには刺さりにくい“モチーフ”の選定といえる。
さらに、
・スペースの割に訴求が1軸に偏っている
・「軽い」だけでこれほどの什器を割く必要があるかは疑問
おそらく購買意向のある人は「軽いだけじゃない」魅力(仕上がり、風力、美髪など)が焦点でその点とのバランスが崩れている感じがある。
「軽い × 速い × 仕上がりが良い」というトライアングルの価値をバランスよく伝え、“買う理由”として納得感ある体験設計に昇華させることが"購買動機付け"に繋がるのではないかと考える。
商品コンセプトが多面的であるにもかかわらず、「軽さ」だけに什器が偏っているため、本来伝えたい商品価値が希薄化してしまっている。
USP(Unique Selling Proposition)をCBP(Core Benefit Proposition)に変換した場合、
“腕の疲れなさ”を直感で伝えるストーリー構成が必要ではないか。
・「乾かしている間、腕がぷるぷるしない」→ 実際に重いドライヤーと持ち比べ可能な展示
・「子どもの髪もラクに乾かせる」→ 育児シーン写真の活用
とか、“使用時の実感”が伝わるビジュアルやコピーを補完すれば、軽量=ユーザー側のベネフィットという因果が明確に伝わる。
疑問に感じた点でいうと、
・“りんご”という比較対象の中途半端さ
・実生活で「りんごの重さ(約300g前後)」を明確に把握している人は多くない
・かえって「それって軽いの?普通?」と曖昧な印象になる可能性あり
→「りんご」はインパクトの割に記憶・共感にはつながりづらく、
特に20代〜30代女性ユーザーには刺さりにくい“モチーフ”の選定といえる。
さらに、
・スペースの割に訴求が1軸に偏っている
・「軽い」だけでこれほどの什器を割く必要があるかは疑問
おそらく購買意向のある人は「軽いだけじゃない」魅力(仕上がり、風力、美髪など)が焦点でその点とのバランスが崩れている感じがある。
「軽い × 速い × 仕上がりが良い」というトライアングルの価値をバランスよく伝え、“買う理由”として納得感ある体験設計に昇華させることが"購買動機付け"に繋がるのではないかと考える。
了。
プロモーションコンサルティング | 販売促進の株式会社凡美社
プロモーションの企画依頼・相談は凡美社までお願いします!
市場調査、売れるプランニング、webページや動画コンテンツの制作、キーメッセージやキービジュアル制作、キャンペーン企画、イベントプロモーション、キャスティング、コンテンツコラボレーション、ルートメディアプロモーション、店頭販促、店頭販促什器など、販売促進活動に関する様々な段階からお任せください。
インストア コンパス BONBIドットコム
店頭ツール&リテールマーケティング&販促施策のカスタマイズ販売サイト。 商品が売れるお手伝い、流通との商談をうまくいかせるお手伝い。 店頭販促、店頭販促物の企画依頼・相談は凡美社までお願いします。
紙製の販促什器、吊り下げ什器、スチール製の什器、樹脂製の什器、木工の什器、電飾什器、体感体験什器、各種POP、ノベルティ、店舗内装施工、イベントブース施工、ショップインショップ企画施工など、
企画づくり、現地調査、デザインと設計、製造と施工まで一気通貫して行います。
企画づくり、現地調査、デザインと設計、製造と施工まで一気通貫して行います。