必見!店頭販促特集!2025年第19弾

フィンガーボード / メガネパッケージ陳列 / パイロット&ベラルボニー / LaQ

目次

店頭販促特集

凡美社では店頭販促の実態を常に観察している。
売場は常に市場に対して敏感であり、トレンドが反映される。
メーカー側が展開する店頭ディスプレイや店頭POP、店頭施策。
小売側が展開する店頭施策や店頭POP。
買い物客に対する『価値体験の向上』を目指して、店頭は常に変化する。

店頭でのコミュニケーションデザインや、価値伝達の強弱、
コンストラクションデザインも含めた見せ方、体感させる施策などを追求していく。

そこには、セルアウトを考えたプロモーション施策をもってして、流通との商談にのぞむ
メーカーの提案が見えてくる。
さらに小売り側の商品陳列の仕方や店頭POPからは、今の時世にあわせながら、何とか売ろうというパワーも見えてくる。

POP研究家の向坂氏とタイアップし、
随時面白く、ワクワクする売場(買場)をレポートしていく。

2025年 第19弾

71 思わず触りたくなる!体験型ディスプレイで訴求力アップ

フィンガーボードの試用台。
店頭でスーパートリックを決めてやったよ。

ミニチュアスケートボードと専用ランプを活用した、来店様がその場で“触って遊べる”仕掛けを施している体験型販促ディスプレイ。

「体験=販促」という視点は、単なる装飾を超えた強い引力を店頭にもたらす。
このような“見て・触って・楽しめる”ディスプレイは、購買意欲の喚起だけでなく、滞在時間の延長やSNS投稿のきっかけにもつながる可能性がある。


72 「整然」と「可愛さ」で魅せる

メガネのディスプレイ。
パッケージを積み重ねただけだけど、パッケージがかわいい。
パッケージへ商品写真が原寸大で印刷されていて、商品を手に取った後、元に戻したくなるから、売り場が荒れにくい。
いつも整然と商品が並んでいるから存在感ある。
パッケージを利用してるからディスプレイのコストパフォーマンスも高そう。
カッコ良いディスプレイ。

シンプルかつ効果的な陳列の好事例。
商品パッケージをそのまま積み重ねることで、コンパクトながらも視認性と訴求力を兼ね備えた売場が実現されている。

各箱には商品写真が原寸大でプリントされており、来店様が実物を手に取った後も「どこに戻すか」が直感的に分かる設計になっている。
これにより、陳列の乱れを防ぎ、常に整った売場を維持できる。意図してされているか分からないが、こういうのは勉強になる店頭オペレーション。
戻す時に印刷された商品画像に合わせて戻す意識が発動し、整った売場を維持できる。

白ベースに黒文字、さらに商品写真の統一感あるデザインにより、パッケージ自体がディスプレイとして機能。
特別な什器やPOPがなくても、整列された姿が視覚的に美しく、「きちんと選ばれた感」が伝わる。

このように商品自体・パッケージ・陳列方法が三位一体で売場を構成する設計は、そもそもが基本中の基本であるが、このシザマは素晴らしい。さすがフランス発という感じ。

73 アートと文具が出会う、美術館のような売場演出

パイロットとベラルボニーさんとのコラボ商品。
昨年度に引き続き今年度も実施していた。
ウイスキーの樽で作ったボールペンとかもあるけど、普通の筆記用具にもストーリー性が出てきて、なんか素敵な商品になるんよね。
ディスプレイもミニ美術館みたいで素敵だ。

パソコン、スマートフォンが日常使いになった現在、
書く機会、描く機会がほとんどない人もいるのではないだろうか?
今の世の中にあてはめると、
文具や筆記用具は生活の中で欠かせないものではなくなっている可能性もある。
(筆者はなぐり書きでラフの企画書をつくったり、メモをとったり、ラフ絵を描いたりするので
筆記具は欠かせないアイテムだ)

ここで筆記用具メーカーは、意味のイノベーションを推進していると思われる。
提供物のリセットではなく、商品価値のリセット。

タイピングをすることにはない、ぺンを持つことでの
「閃きの可能性」「心直結」「思考の具現化」を感じることがある。

人間は創造してこそ、その存在意義をつくることができるとすれば、

74 体験型什器が生み出す“滞留力”

知育玩具売り場の「LaQ(ラキュー)」体験コーナー。机とLaQのケースが一体化してる。
買い物に飽きた子供にとっては夢のようなコーナーだ。
ずっとLaQを作り続けられる。
と思いながら、自分も黙々とLaQやってました。
LaQ、面白い!

木製のテーブルに組み込まれた黄色のケースには、色とりどりのLaQパーツがたっぷり。
横にはチャレンジ用の作例パネルも用意されており、自然と手を伸ばしたくなる工夫が詰まっている。

LaQは「つなげる」「形を作る」工程そのものが魅力の玩具。だからこそ、まず“遊んでもらう”ことが最大の訴求となるため、テーブル一体型の什器により、商品をパッケージで見せるだけでなく、五感を使って体験してもらえる販促設計になっている。

“体験することで良さが伝わる商品”は、売場での試遊やハンズオンが不可欠。
このようなテーブル什器の工夫によって、商品との出会いが体験に変わり、体験が記憶に残る。
そんな循環を自然に作り出せる販促である。


了。