かわいく、直感的に。化粧品コピーの“○○みたいな” 最前線

「例えるコピー」。製品の仕上がりへの理解が促進させる手法です。どんな「例えるコピー」があるか探ってみましょう。

目次

うさぎ舌リップのインパクト

「うさぎ舌リップ」という言葉を聞いたとき、すぐにピンときますか?
10 代の間で流行しているこの表現は、「うさぎ舌のような、ほんのり血色感のある、ぷるんとしたリップ」を指します。
このユニークなネーミングは、韓国のコスメトレンドから派生したもの。
ティントリップなどで、舌をちょっと出したときのような自然な赤みを再現するメイクが注目され、日本でも話題となりました。

こうした“たとえ” を使ったコピーは、商品の魅力を直感的に伝えるのにぴったり。
特に化粧品は、実際に使用しないと質感や仕上がりを完全に理解するのが難しいカテゴリ。
そのため、視覚的なイメージを喚起しやすい「○○みたいな」コピーは、消費者の関心を引きつけ、購入を後押しする有効な手法といえます。
実際、店舗やEC サイトでの販促においても、こうしたコピーが商品選びの決め手になっている例は多いです。

ひと目でイメージできるコピー

「グミチーク」(ぷにっとした質感)、「こんにゃくゼリーリップ」(うるつやテクスチャー)など、商品が持つ“質感”をダイレクトに伝えるコピーが目立つ。
触ってみたくなる、試してみたくなる感覚を刺激することで、購買意欲を高めています。
「こんにゃくゼリー」のように、ぷるぷる感・弾力・みずみずしさをイメージさせる、他のユニークでキャッチーな例えをいくつか考えてみました。

・わらびもち → とろぷる感、やさしい弾力
・みずもち(羽二重餅) → 透明感とぷるぷる感
・ナタデココ → 弾力とジューシー感
・杏仁豆腐 → なめらか&ぷるんとした質感

などなど、なんか使えそうかな?

使った後の仕上がりを伝えるコピー

「わたあめティント」、「むき卵の透明感」、「星雲パウダー」̶̶
これらは、使用後の肌の仕上がりを表現するコピーです。
グラデーションでふわっとした仕上がり、つるんとなめらかで均一な肌質、銀河や星雲をテーマにした美しい偏光効果を持つ……
それぞれのニュアンスを短い言葉で伝えています。
ただし、こうした仕上がり表現は、薬機法の観点から使用が制限される場合もあります。
公式な販促物で使うには、表現の工夫が求められます。

キャッチーなコピーと規制のバランス

SNS でのバズを狙う「○○みたいな」コピーは、商品の魅力を直感的に伝え、拡散を促す強力な手法です。
しかし、実際のパッケージや販促物に落とし込む際には、薬機法などの規制を意識しなければなりません。SNS の自由な表現と、公式な販促物に求められるルールの間で、どのようにバランスを取るか。

キャッチーなコピーを生かしながら、どこまで表現できるかを考えることが難しいところ。
化粧品分野では、視覚・触覚・嗅覚に訴える表現が重要視されるため、今後、どのような新たなワードが生まれるのかチェックしていくこも重要ですし、新たなワードを生み出したいと思います。
了。