ニューヨーク店頭レポートシリーズ New York Holiday Season Research 第5回

ニューヨーク店頭レポート第二弾。ニューヨークホリデーリサーチをお届けします。第5回目はショッピングモールのロックフェラーセンター。ブラックフライデーからクリスマス、クリスマス後から年始までをレポートしています。

目次

凡美社では、アメリカ合衆国の店舗情報を定期的に届けていきます。
シリーズ化して随時レポート報告をしていきます。

今回はブラックフライデーから年始までの、ニューヨークの色々な店舗のホリデーシーズンリサーチ報告を5回に分けて行います。
この第二シリーズは今回で最終です。

ニューヨーク ホリデイ シーズン リサーチ 第五回

11月 第四木曜日(サンクスギビングデー)の翌金曜日。

小売店にとって年間を通じて最も忙しい1日のひとつである
ブラックフライデーからスタートするホリデーシーズン。

11月に入った段階から、メールマガジンやアプリを通じて
プレセールの通知が鳴り止まず、
実質11月全体がブラックフライデーセール期間となっている。

ブラックフライデーを皮切りに、
クリスマス・年末年始とホリデーシーズンが続く。


ネット注文でもセール品は買える、必ずしも店舗に出かけなくてもいい現代。
ホリデーシーズンの小売の現場はどうなっているのか。

そこから見える“店舗”の役割を洞察する。

ロックフェラー・センター  店頭洞察

ロックフェラー・センターは、ニューヨーク州ニューヨーク市ミッドタウンマンハッタンの5番街および6番街にある超高層ビルを含む複数のビルからなる複合施設。

マンハッタンの中心に位置し、高層ビルと路面店で
構成されたショッピングエリア。

エリアの中央に設置されたクリスマスツリーは
世界的に有名。
これを見に、観光客を中心に多くの人が集まる。

ツリーのふもとにはスケートリンクが設けられ、
氷点下の気温であっても、多くのニューヨーカーが
屋外でスケートに興じている。

“エリアの集客=店舗の集客ではない”

これだけ人が集まっているのだから、
どこの店舗も人で溢れていてもおかしくない。

しかし、そうはなっていない。

同じエリアの中で、
人が集まる店舗とそうでない店舗が存在する。

Tiffany & Coや80年の歴史をもつチョコレートブランド
Teuscherの店舗は多くの人が立ち寄っていた。

クリスマスという王道のシーズンにおいて、
人々は冒険しない。

既知かつ憧れのブランドに触れ
高級感と特別感のあるお菓子を楽しみたいと考える。

アメリカのクリスマスマーケットは、
どこまでも直球勝負だといえる。

−3℃の中、スケートを楽しむ人々。

エリアは人で溢れている。

賑わう高級ブランド

ジュエリーだから集客できるわけではない 。人のいない別ブランド店舗。

高級チョコレートを選ぶ人々。

見た目にも特別感のあるパッケージ。

考察

ネットでなんでも買える時代。
小売り最大のセール日といわれるブラックフライデーから始まる
ホリデーシーズンにおいてもPRの主戦場はネットに移っている。

そんな時代に店舗に行く理由とは何だろう。

そこに空間がある。

音がある、匂いがある、空気がある。

五感でワクワクを感じられる空間こそが店舗の価値だ。

それは珍しい・イベント性の高いものを寄せ集めれば創れるものではない。

ほしい品が揃っている。
店内に活気が満ちている。
BGM・ディスプレイ・接客etc、なんとなく気分が盛り上がる仕掛けがある。

当たり前に聞こえる要素を落とさない心構えが重要だろう。
買い物は、モノを買うことだけではなくコトを買うことでもある。

家からなんでも買える時代だろうと、人は体験を求めて出掛けていく。

”買い物でどんな気分になれたら嬉しいのか”

スーパーなら、季節によって変わる生活に必要なものが見つかる
家電量販店なら、生活が良くなるワクワク感が買える

業態によってちがう、生活者の求める買い物体験に適合した店舗だけが
集客を成功させ続けることができるといえる。

その点で、シーズンイベントも通常営業も集客に必要な要素に違いはないだろう。

季節イベントの集客も日々の当たり前の積み重ねの上に成り立っている。