おもしろ店頭什器の開発ストーリー~ 昇降型店頭什器 ~

店頭什器や店頭POPにはさまざまな開発ストーリーがあります。ボンビで開発を担当したおよそ2.5メートルの高さの商品陳列什器の開発ストーリーをまとめています。「脚立を使わずに商品を手に取りたい」きっかけはお客様のご要望でした。

目次

昇降型店頭什器の開発

何にでもそうですが、プロモーションの企画や施策実行には『ノリ』と『緻密』さの両方が必要です。
それは、企画や施策が落し込まれた「モノづくり」の局面でも必要なことになります。
課題に対する解決への発想、そして、その発想を具現化することへの試行錯誤と計算。
販促の最終局面である店頭什器の開発には『ノリ』と『緻密』を両立させて挑みます。

あるクライアント様の依頼で、
狭小とした店舗内で少しでも多くの製品を陳列したいという要望がありました。
具体的には、2.5Mの高さの什器に目一杯製品を陳列し且つ簡単にオぺレーションがしたいとのリクエストでした。

非常に背の高い商品陳列什器です。

2.5Mという高さを考えると、
上部に陳列した製品を手に取る事は困難で、
書店などではミニ脚立を使って製品を手に取るパターンが多いわけですが、
「脚立を使わずに商品を手に取る」
という事が要望だったので、一考して、家具などで使われる上下可動扉のパーツを使用しての構造設計に取り組みました。

商品陳列什器の基本構造

構造としては、この写真のように商品陳列板が上下可動するというものです。

店頭什器の設計図

商品陳列板の背面にバランサー(ウェイト)を取り付けて負荷を感じることなく上下稼動するところがポイントでした、製品の重量をシミュレーションし最適なバランスを保つことが苦労したポイントになります。

設置の様子

もう一つの苦労したPOINTは現地での調整が難しい為、組み立てた状態で店舗搬入が必要だった点になります。
店舗の入り口や裏口はそんなに広くないので、組み立てたままで2.5mの什器を設置するのは結構労力を使います。搬入は非常に苦労しました。
売り場(店舗)を事前調査しながら設置までを行うことも具現化力の一つです。
売り場を知るというのは店頭プロモーション施策を考える際には必要不可欠なことです。

商品陳列後の什器

頂いた課題である「狭小とした店舗で商品を多く陳列でき簡単に商品を手にすることができる」という什器を具現化することができました。

その後、上下可変式の什器の依頼は増えていますが、素材を変え、改良し製品精度も高まり完成度の高い什器を具現化できています。
「お客様の商品が売れる、支持される」ために販売促進に携わる一連の仕事の中で、店頭販促物や店頭什器は商品を陳列したり、最後の購買行動を決定づけることができる非常に重要な役割を担っています。
認知拡散やブランディング、web施策などを組立ながら、ネットやリアルを問わず誘店施策に落とし込んでいく一気通貫した具現化力をこれからもレベルアップしていきます。