広報の仕事で一番難しい?メディアコンタクトとは?!

広報・PRの仕事は、「プレスリリースを作る」→「攻略したいメディアのリストを作る」→「プレスリリースをメディアに発信する」の順番に進みますが、そのあと最も重要で最も難しい仕事があります。それがメディアコンタクトと呼ばれる仕事です。

目次

広報の仕事のひとつ、メディアコンタクトって何?

最終的に大きく取り上げてもらうために一番重要な仕事

広報(PR)のプロセス

通例、「プレスリリースを書く」→「アプローチ先のメディアのリストを作る」→「プレスリリースを発信する」

となります。

プレスリリースはメディアリスト(メディアの連絡先をまとめたリスト=FAX番号やメールアドレスが掲載されている)に送るわけですが、ただ送るだけで記事・報道につながるでしょうか?

答えは否、です。

プレスリリースをメディアが受け取ったその後…

たとえば、あなたがメディアの記者、編集者、TVディレクターだっだと想像してみてください。

…ただでさえ、取材や打ち合わせ、撮影、編集で忙しいのに、自分のデスクに戻ると、知らない会社からのFAXで届いたプレスリリースが積まれている…または、メールにもアドレスを教えたことのない会社の担当者から連絡がある…

情報を集め、取材編集し、有益な情報を読者や視聴者に届ける使命があるとはいえ、ちょっと辟易としませんか?

もちろん、使命感の強い記者や編集者のことです。ざっと目は通すでしょう。そして、見出しだけで判断され、デスク脇のごみ箱や、メールの削除済みボックスに入ってしまうことも少なくないでしょう。

時間をかけて作成し、社長や現場担当者の協力のもと、数日かけてまとめたプレスリリースがものの数秒で、日の当たらない場所に…

メディアコンタクトその1-準備のコミュニケーション

普段からの付き合い、時には会って話すことも必要

メディア(記者・編集者・TVディレクター等)だって、普通の人間です。

常日頃から気にかけて、自社と関係なくても、メディアのためにと汗をかいて、他社の情報ですらも集めてくれる人や、まめに連絡をくれる人、数か月に一度は情報交換をする人、それらの人からのメールや電話、FAXはそうむげにはできないものです。

加えて、
メディアのことをよく研究するなど相手の立場にたった準備のできる人、このコーナーにはこういう記事があると面白いのではないですか?と提案する努力を惜しまない人であれば、かなり見どころがあると感じてもらえるはずです。
整理すると

1.連絡はできるだけまめに
2.数か月に一度は会って情報交換できるような立場になる
3.すぐに自社の利益にならなくても、メディアが困ったときは手助けする
4.メディアのことはとことん研究、どんな編集・編成方針なのか、研究する
5.研究を踏まえ、相手の立場を踏まえた提案をする
それらの前提があってこそ
ここぞというときにこちらの話を聞いてくれるようになるのです。

メディアコンタクトその2‐「送信後のコミュニケーション」

前段でまとめたように、いきなりプレスリリースを送り付けるのではなく、「送る前の準備にあたるコミュニケーション」は常日頃からクセづける必要がありますが、当然「送った後のコミュニケーション」も重要です。

準備とその後のコミュニケーションがうまくいけば…

「送信後のコミュニケーション」においては、そこまで培った人間関係があれば、電話に出てくれたり、または会ってもらえたり、話を聞いてもらえる機会があるでしょう。

ただし、「送信後のコミュニケーション」もただ会って、プレスリリース内容を説明するといったコミュニケーションの取り方は極力避けましょう。

ただの「愛想のいいひと」や「まめな人」、「メディアが好きな人」で終わってしまっては、掲載・報道という結果につながらない場合もあります。
そうならないためには、メディアごとに、彼らが現在追いかけている取材ネタや担当コーナーなどにできるだけひっかけられるようにトークする内容をできるだけ準備・シミュレーションし、当日に臨んだほうがベターです。

報道獲得に向けたコミュニケーションの心構え

メディアとの良い落としどころ、彼らのメリットになりそうな提案を思いついただけでは、不十分です。

営業の仕事ともかぶるのですが、当然メディアに言う必要はない心構えがあります。

〇「次に当たればいいさ、ではなく、ここは決める!」といった決意

〇「今取り上げないと、損しますよ」といったことが、それとなく伝わるような駆け引き
*駆け引きは気づかれない程度にとどめましょう、勘づかれたら駆け引きではありません。

〇「断られてもめげないで交渉を続ける」という強い熱意

広報の仕事‐メディアコンタクトまとめ

ついに結果が…

メディアコンタクトとは、言い換えればメディアとのコミュニケーションです。

当然、「事前のコミュニケーション」も「プレスリリースを送った後のコミュニケーション」も、回数をこなせばこなすほど、トライアンドエラーを繰り返すほど、情熱を維持しながら取り組むほどに、上達していくはずです。
広報の仕事の中で、営業的な仕事(業務)にあたるので、苦手な人もいるかと思いますが、苦手意識を極力持たず、進めていきましょう。面白いもので、メディアコンタクトを繰り返すほどに、メディアの考え方を深く理解できるようになるので、プレスリリースを書くスキルなど、ほかのスキルも上がっていくはずです!