見たら特する!おもしろ店頭販促ディスプレイ特集!2024年第十弾

店頭で面白い売り方や面白い店頭販促物を見つけてきました。その報告です。ワクワクする売場(買場)が創出されています。

目次

店頭観察特集

凡美社では店頭を常に観察している。
売場の変化は定点観察、そして各種店頭販促ディスプレイも追っている。
随時面白く、ワクワクする売場(買場)をレポートしていく。

㊷ リマインド力を利用した引き算デザインパッケージ

湿布薬売り場にて。
整形外科でもらう湿布薬の雰囲気を、そのままパッケージにしてる商品があった。
なんか見たことあるデザインなので、安心感もあり、手に取ってしまう。
同じようなデザインのパッケージが並び、商品の差別化が難しい中で、このパッケージはズルいというか、頭いいというか。。。果たして効き目はどうなのかな?

引き算とともにリマインド力を考えたパッケージである。
ただ、手には取るが購買に至るかは、製品理解と比較の観点からもう一手が必要なところ。
購買動機付けをはかるPOPが欲しい。
パッケージデザインは識別性価値伝達はできているため、
機能性価値や情緒性価値を語らないのであれば、情報性価値伝達が欲しいところ。
○○さん推薦と権威付けをする。○○で選ばれている、○○1位、などの納得情報である。

㊸ 『良い感じ』を創るちょっとした足し算

バックボードフレームを付けると『良い感じ』
という事で、通常は一枚の紙だったりするバックボードへ、
紙を折り返す事でフレームを造作した事例があった。
紙を折り返しただけだから、それほどコストもかかってないだろうし、フレームがついた途端にクオリティ上がる。これぞリアル店舗ならではの紙技師(コンストラクションデザイナー)の良い仕事だと思う。

狙ったわけではないだろうが、プライスにもフレームがついている。
ちょっとした工夫で『質』自体が変わってくるし、『見え方』が変わる。
紙器加工では貼りが多いと価格が上がる。貼りをおさえて折りだけで対応できると、もちろん価格は上がるが貼りがあるよりもコストは抑えることができる。
『組み立て』段階での難易度は上がるが、このように『質』を上げて『見え方』を変える設計は
紙器設計を伴う店頭販促物の妙である。

㊹ 梱包ケースで行動変容させる『見せ方』の妙

すごいアイデアの「自転車パーツ梱包箱」。
箱の中身が自転車部品だからか、配送で雑に扱われて箱の破損などで困ってたところ、箱へテレビのイメージを配置したら丁寧に扱われるようになったとのこと。
これはパッと見、テレビに思ってしまう!
初めて実物を見た。
頭良すぎる解決方法。

ホダカ株式会社が展開するブランドの一つ、スポーツバイクブランドのKhodda Bloom(コーダーブルーム)。
日本に流通しているスポーツバイクは海外ブランドが多い中、日本人が企画開発しているスポーツバイクである。外装ケースの配慮にもきめ細かさが出ている。
ちなみにどうでもいい話だが、筆者はホダカ株式会社のNESTOというブランドを愛用している。

㊺ エンタメ感創出売場

ブルボンプチシリーズのエンド展開。
ガシャポンを中央に設置した、エンタメ感あるコーナー作り。
4個買うと一回ガシャできるらしい。小さな子がやりたそうなオーラを全力で出して見つめていました。
これは、家族連れには効きそう!

24種類あるプチシリーズ。
これだけの種類で売り場を取れるのが売れている商品の強さである。
あくまで推察であるが、人気の売れ筋商品は下段で大量陳列をはかり、
不人気商品と新商品は目線の位置で少ないFACE数で展開されている。

色々な味をトライアルしてもらえるように4個という複数買い施策を入れて、
景品をつけることで今買うべき理由をつくっている。
多くの種類がある場合、固定した好きな種類を買う人と、全種類試そうとする人、
どっちが多いのだろう。
商材にもよるが、一度調査をしてみたいところだ。

まとめ

人にはそれぞれ場面場面の状況がある。
基本的には意識していない時には、目に入っていても見えていない、耳に入っていても聞こえていない。
基本的にはスルーされることがほとんどである。

状況の一例で、物流の仕事をしている人は、モノを運ぶことが仕事である。
運ぶ対象は無事に届けられないといけないため、運ぶ対象のケアが必要である。
その認識ができるように外装ケースにはケアマークを入れる。

そもそもケアマークが入っていないモノは雑に扱っていいのかという話でもあるのだが。
状況によっては、意識をしていない場面があり目に入っていないのである。

ケアマークを入れていても、精密機器と入れていても、雑に扱われているということから、
テレビ(精密機器)と錯覚させるような印字が施されている。
根本的に、それはどうなんだ?とも思うが、考えた結果の策である。

店頭でも同じことが言える。
その時その時の場面で意識が違う。買い物商品を決めて店に入ると、他の商品には意識がいかない。だからこそ購買行動を変容させる仕掛けとして、アテンション力とリマインド力を持つ必要がある。うまく意識をキャッチしないといけない。
その上で、商品理解がしやすく、比較しやすいものは買われる可能性が上がる。
当然、容量や価格も加味される。

「意識の中に想起させる何かを仕込ませておく」ことがプロモーション施策では重要であるし、
広告の重要な役割である。

そして、リマインドには、何も広告だけではなく、「そういえば」という家の事情や、自分の事情などのissue(イシュー)からの想起もある。
この意識を瞬時にうまくつかむコピーやビジュアル、その他の手法も重要である。
了。