企業研究:ワークマンの強みはどこにあるのか?

ワークマンの株価の勢いが止まらない。その成功の秘密はどこにあるのだろうか。事業戦略から店舗戦略まで目につく特徴をまとめてみたい。

目次

ワークマンがどんな会社か、おさらいしてみよう

フランチャイズシステムで作業服及び作業関連用品を販売する専門店をチェーン展開する「ワークマン」の株価の上昇が止まらない。
過去、以下の記事でも紹介したワークマンだが、実施しているマーケティング戦略や店頭戦略について、さらに深堀りしてみたい。

ワークマンの事業戦略

インフルエンサーマーケティングに注力

16年9月に初めて「ブロガー向け商品説明会」を実施した。

参加条件は1と2だ。1:ブログで商品を紹介 2:ブログは開設から半年以上経過し定期的に更新。

100名程のブロガーを説明会に招待している。現在もインフルエンサー様向け説明会を実施しており、 実際にユーチューバーやインスタグラマーがワークマンの商品を紹介したことにより、 若い人にも知られるようになった。

大規模工場で計画的に大量生産

中国、ミャンマー、ベトナムなどの大規模工場で、閑散期に10万点単位で計画生産をすることで
低コストに抑えている。

セールなしのEDLPに徹する

同社は需要予測の精度向上に取り組み、予測と販売実績の差は±10%程度。
売れ残った場合でも値下げをせずに翌年に持ち越して販売。EDLP価格のため、 値引きロスを上乗せしない低価格販売が可能で、価格の信頼感にも繋がっている。

広告費を最低限に抑える

アパレルの原価に占める広告宣伝費の割合は4%と言われる中、同社は0.4%と低い。
また、出費を抑えるべく贈答や接待も基本的には禁止としている。
店頭販促物も効果的なものだけを使う戦略のようだ。

ワークマンの店舗戦略

「見せる」陳列を重視。女性も気軽に来店できる雰囲気を意識している。

2020年3月に新コンセプト店舗を埼玉県大宮 にオープン予定。朝・夕は建設作業等のプロ客、昼は一般客が訪れる特徴を踏まえ、店内の演出を時間帯により変更予定。 複数のデジタルスクリーンをメインに、照明や香りの仕掛けを時間帯で変更していく。
ワークマンでは客層として職人の方が多く、既に商品のことをよく知っており、POPが目障りという意見があったため訴求が少ない。ワークマン+では一般客への認知度を上げるため、商品機能の高さをアピールすることに力を入れている。

特性を活かしたPR戦略も巧だ

過酷ファッションショー

新作発表会の際に過酷ファッションショーを開催。雨や強風、雪等過酷な天候を人工的に発生。その中を同社の製品を着用 したモデルが歩くことで、撥水、防水、 防風、防雪などの品質や機能性をアピール。ショーに登場するコーディネートは 全て総額1万円以下に収めることで、 低価格も同時にアピールした。
今後もワークマンの企業分析を行い、役に立ちそうな情報は都度まとめてみたい。