ルックの浴室用洗剤プロモーション考察

ルックの浴室用洗剤が売れ行きを伸ばしているらしい。どのようなプロモーションを行っているのだろうか?そしてその背景には消費者ニーズの変化がありそうだ。

目次

こすらず洗える新製品のプロモーション

ライオンが発売した「ルックプラス バスタブクレンジング」が好調のようだ。

花王のバスマジックリンシリーズを猛追し、販売ランキング10位以内に一気に関連4商品がランクインした。
浴槽に洗剤を吹きかけ、スポンジで「こすらず」洗い流すだけの革新性に消費者が飛び付き、好調なスタートダッシュを果たした。

湯あかのこびり付きの原因の一つは、水道水に含まれるカルシウム。新たに開発した洗浄液はこのカルシウムを除去し、汚れを浮かせるのが特徴だ。さらに、泡で出るタイプが定石のなか、ワンプッシュで従来の2倍の洗浄液がミスト状に出るヘッドを新開発し、広範囲にむらなく噴霧できるようになった。
マーケティングの考え方も変え,
新しい価値観の伝達に努めたようだ。
通常であれば、洗浄力のメカニズムをアピールしがちだが、あえて封印。「従来品より洗浄力が高くなっただけと思われては意味がない。浴槽をこすらず洗える、とにかくラクな新方式であることに焦点を絞り、テレビCMなどで訴求した」(宮川孝一ブランドマネージャー)。
「スポンジなどでこすらずとも洗える」という点を徹底的に訴求したようだ。

片付けが苦手な人が世界的に増えている?

「こんまり」さんのブレイク

話は少し変わるが、この人も話題だ。
Netflixでの番組配信により、アメリカはもとよりイギリスなどの英語圏でも急速に知名度を急拡大している。
近藤さんの著書『人生がときめく片づけの魔法』は2014年にアメリカで出版されベストセラーに。ネットフリックスの番組は近藤さんの著書を読んだアメリカの映像製作会社からのオファーを受けてできた企画だったという。
本も世界で累計1000万部発行され、英語圏の報道もかなりの露出量だが、世界的にも片付けられない人達が増えているという観点から「こんまり」さんの躍進を振り返る記事まであったりする。

社会背景にマッチしたことも、このようなブレイクにつながった原因かもしれない。
「こんまり」さんのビジネスは広がり、「片付けセラピー」「片付けコンサルティング」「講演依頼」など引きも切らない問い合わせがあるようだ。

ルックの新製品のバックグラウンドストーリー

翻って冒頭のルックの新商品だが、非常にマーケティング的に理にかなったものなのかもしれない。

・「(世界的にも)片付けられない人が増えている」
・「掃除が苦手な人も多い」
・日本でも「収納上手」や「掃除のプロ」がテレビに露出
・本来的には家事代行でも頼みたいが、多くの人たちにとってはコストが難点

ということから、浴槽洗剤を考えれば、極力「ラクに」「手間なく」行える商品というのが社会のニーズにマッチしていると言える。
筆者は、スポンジでこすらないと汚れが落ちないのではないかと思っている派だが、そのような考え方も随時アップデートしていくべきなのかもしれない。