植物由来の代替肉マーケティング展開

「代替肉」が急速に注目を集めている。その理由はどこにあるのだろうか?そして、代替肉のマーケットは、どのタイミングで大きく広がるのだろうか。

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モスバーガーにも代替肉バーガー登場

「代替肉」という言葉自体、耳慣れないが、植物由来の原料を使って肉の食感などを味わうことができるらしい。
モスバーガーでは、台湾で、植物由来の代替肉を手掛ける米「ビヨンドミート」の原材料を使ったハンバーガーをテスト販売している。
モスバーガーを運営するモスフードサービスは、台湾の一部店舗でビヨンド・ミートの代替肉パティを使用したハンバーガー「MOS Burger with Beyond Meat」を19年6月6日に5店舗で発売した。売り上げは予想以上で、販売店舗の拡大を目指す。「台湾では健康への意識が高いお客さまが多く、代替肉を使ったハンバーガーとの相性はいい。日本での販売も検討している」とモスフードサービスの安藤芳徳・執行役員マーケティング本部長は話す。
急速に広まりつつある代替肉。その市場の牽引役となっている「ビヨンドミート」はこの5月に株式を公開している。
台湾をはじめとして世界でも少しずつ導入が進んでいる。株式市場の期待感を織り込んで株価が上がる、事実は理解できるが、その期待感の正体は何なのだろうか。こんな記事があった。
 世界の人口増加による深刻な食糧危機が訪れることはニュースなどで報道されている通り。しかし、食糧危機は知っていても、「タンパク質危機」を知っている人はまだあまり多くない。2025〜30年、世界でタンパク質の供給が需要に追いつかなくなる可能性があるのだ。

 グローバルな人口増加と中間層の拡大により、世界規模で一人あたりの肉や魚の消費量が増加し続ける。その一方で、現状の畜産や養殖は生産物の何倍もの穀物や魚粉によって賄われており、供給スピードが需要に追いつかなくなっていく目算だ。
なるほど、代替肉関連事業は、既存の畜産業を補いうるものらしい。生産が難しくなる動物タンパク質を、植物や昆虫で補える、その期待感が現在高まっているのだろう。

代替肉マーケティングの成否は?

既存産業だけではまかないきれない、もしくは石油などもそうだが、原材料(この場合は原油)に限界量が存在するものに関しては、今まであったはずの産業に成り代わり新たな産業が発生する可能性がある。

今後新興国を中心に、経済発展が行われた場合、経済発展と比例するタンパク質消費量は、新興各国で飛躍的に増えるということになる。
リプレイスマーケティングと表現できるのかもしれないが、既存産業を新産業がリプレイスしていく過程では、大きくは以下のようなプロセスを経るのではないかと考えられる。
1.同種同等の商品の利用(この場合は食用)メリットが有ることが伝わる。
2.資源枯渇により旧来の肉の値段が上昇。
3.旧来の肉を食していた層も代替肉に流れる。
値段が同等、もしくは高ければあえて「代替肉」を選ぶ理由は多くないだろう。2019年現在、「代替肉」もそれなりの値段となっているが、これが生産規模の拡大を受けて低コスト化を実現できるようになり、そして、通常の「肉」の値段が上昇したときに、大きくリプレイスするタイミングになることは間違いないのかもしれない。