楽天ペイはなぜ今広まっているのか?今後の競合環境は?

楽天株式会社が鳴り物入りで始めた楽天ペイ(楽天スマートペイ)。最近JCBカードも取り扱えるようになり、店舗決済での主流派の一つになりつつあります。導入店舗が増えたのはなぜなのでしょうか?

目次

楽天ペイとは?

ユーザー目線での楽天ペイ

<メリット>

1.楽天ペイで決済すると、決済金額の0.5%分の楽天スーパーポイントがもらえる。

2.小銭・紙幣の管理が不要に (*ただし、これはクレジットやデビットカード、SUICAなども同様です。)

3.スキミング等のリスクが低減!セキュリティ面で安心
→ここは解説が必要ですが、クレジットカードやデビットカードの場合、少なからず、カード番号を控えられたり、スキミングなどで情報を盗まれるリスクがありますが、楽天ペイの場合、カード情報は楽天側で持ち、店舗にはQRコードなどを提示するだけですので、カード情報を盗まれるリスクは楽天から情報が漏洩しない限りありません。

楽天ペイ(アプリ決済)QRペイ編

楽天ペイのQRコードでの決済方法をまとめた動画です。
しかし、これらのメリットで、そこまで急速に広まるものなのでしょうか?多くの店舗が導入しているからこそ、使うユーザーも増える、というものではないでしょうか?

店舗側の大きなメリットとは?

楽天ペイを導入すると、何が店舗側のメリットなのでしょうか?

それは、クレジットカードやデビットカード決済などを手軽に導入できる、という部分が大きいのです。

これまではクレジットカードやデビットカードの決済ができるCAT端末などを導入する必要があり、かつそれはクレジットとデビットにしか使えないので、店舗側の教育やオペレーションがそれなりに大変です。(*日計表などはクレジットとデビットのものが別管理される。つまり経理の手間もかかります。)SUICAも同じです。

お店側のニーズからすれば、決済端末は、できるだけ多くの決済手段を取り扱い、かつオペレーションがわかりやすいものが良く、当然日計表なども一括管理できたほうがよいはずです。(*現金があるので、完全には難しいのですが…)

楽天ペイ端末

このような端末を入れることで、店舗側がカード決済も含めた対応ができます。SUICAなどにも対応しています。

カード決済の手数料率は、業界最安値ライン

VISA・MasterCard・American Express、Saison
決済手数料:3.24%

Diners Club、Discover、JCB
決済手数料:3.74%

※楽天カード(JCBブランド)、JCBブランドでも決済手数料は3.24%です。

カードリーダー販売価格:9,800円(全額キャッシュバックで実質0円)

電子マネーブランドやGoogle Pay等にも対応

店舗側としては、カード決済端末は別、電子マネー決済端末は別、ただでさえ、レジは現金のために別ですが、端末が増えれば増えるほど、スタッフ教育やオペレーションの手間、経理業務が煩雑になるなど、良いことがあるとは思えません。

それを解決したのが、楽天ペイだということです。そして店舗経営側から見逃せない大きなメリットがもう一つあります。
カード決済は、入金が翌月や翌々月になることも少なくありません。入金サイクルが遅くなることは資金繰りのマイナス要因となります。

しかし、楽天ペイであれば楽天銀行なら翌日に自動入金されます。

楽天銀行を入金先に設定しておけば、365日対応でいつでも翌日の入金となります。もちろんこれはオプションではなく、追加費用は一切不要です。

また、入金先を楽天銀行以外の金融機関に設定していても、翌営業日には入金されます。

これも、楽天ペイの隠れたメリットです。
大きなチェーン店などならば別でしょうが、単店や個店の店舗経営者としては、キャッシュフローの改善に役立つので、非常に大きなメリットと言えます。

楽天ペイには競合はいないのか?

今までは楽天ペイ優勢

中国のAlipayや米Squareには優位性あり

楽天ペイは、銀行がグループにあり、また大勢の店舗向け営業部隊(端末導入の促進を行える)を持ち、楽天スーパーポイントという国内でのポイントネットワークを持っているという点で、海外の競合に対しては明らかな強みがありました。

今後はどうなるのか?

興味深い記事がありました。
同じように、消費者とのネット接点をもち、ショッピング事業を行い、かつYahooウォレットなどの付加サービスを持つ、ヤフーであれば、海外競合よりは優位な可能性があります。
ただし、この手のサービスは、後発が追い付けないほどの価値レベルを達成していた場合、後発が敗ける可能性が高いと言えます。

また、実は楽天とヤフーの大きな違いが一つあります。

楽天は法人営業部門が強い、ということです。楽天市場の営業、楽天デリバリーなどのサービスによる店舗営業、それらの積み上げた営業部隊の価値が楽天ペイの広がりにも一役というか、大いに役立っていると推察されます。

実は、その一点において、ヤフーが勝つのが困難な気がしています。
ヤフーは、これまでの営業に関してはソフトバンクグループの力を借りたり、社外の営業会社の協力を得たりするケースが多く、営業部隊はまだ成熟期にはないと想定されるからです。

楽天ペイのプロモーションとは?

商品力と営業力によって、導入店舗を増やしてきた楽天ペイ。
これまでどんなプロモーションを行ってきたのでしょうか?

次回の記事で振り返ります。