2020年のITを活用したプロモーション企画・施策に関する考察

2020年には、5Gサービスも始まり、オリンピックと絡めたプロモーションなど様々な企画や施策が展開されそうです。ITの技術を活用したプロモーションに関して考察してみます。

目次

5Gによりプロモーション企画はどう変わるのか?

■日本での5Gサービス開始時期

総務省が2019年4月に発表した電波周波数の割り当てによると、各社のサービス開始予定時期は次の通りです。



NTTドコモ:2020年春

KDDI/沖縄セルラー電話:2020年3月

ソフトバンク:2020年3月頃

楽天モバイル:2020年6月頃
5Gにより大容量データをより高速で通信できるようになり、特に動画の再生などに絡めたプロモーション企画が増えそうです。
少々専門的ですが、5Gの普及ステップに関する記事がありました。
かつての3G⇒4Gの普及時と一緒ですが、やはり人工の密集地域、つまり人が集まる場所から始まり、サービスエリアが順次拡大していきます。

3G⇒4Gのときは、ちょうどスマートフォンがさらなる普及を見せた2016年に開始されています。当時は動画をスマホで見ると割高で、すぐに容量がなくなってしまうこともあり(特に20Gプランなど大容量プラン発表前)、動画中心でみるというよりは、動画は自宅などのWi-Fiで見ることが多かった時期だと思います。

それでも、飛躍的にヤフーや楽天などのアプリやサービスの読み込み速度は速くなりました。ゲームの普及もあり、4Gは画像を多く含んだウェブのブラウジング(閲覧)とゲームを中心としたアプリの読み込みで大きなユーザ利便性を提供してきたと言えるでしょう。

数年後の2018年前後より動画をメインコンテンツとしたTiktokやShowroomが登場、facebookやTwitterなどもアプリ内動画再生コンテンツが増えてきて、消耗する容量数が大きくなると、キャリア(通信事業者)は4Gの容量を増やしたプランを展開、それに加え、個々のユーザーにおいてもWi-Fi接続環境も自宅外などでも充実化し始め、動画を気軽に視聴できる環境が整ってきたと言えます。

3G⇒4G移行時にあったのが、同じく都市部の人が多く集まる場所から4Gサービスが開始されたときに、youtubeなどを見ていたときに、移動中で3G接続に切り替わり、遅くなったり見れなくなったりした経験を持っている人もいることでしょう。

今回は4G⇒5Gですので、加入プランにもよりますが、既に動画の視聴環境の素地はできているといえるのではないでしょうか?ただし、HD(高精細)動画などは5Gでないと難しいと思われます。見ている途中で4G⇒5Gに切り替わると、せっかくのコンテンツやプロモーションを楽しめません。

よって、サービスエリアがまだ小さい序盤は、プロモーション企画としてはできるだけ容量の少ないアニメーションや低精細でもその面白さや楽しさが分かる動画が特に2020年は流行るのではないでしょうか。

GPSを活用したプロモーション

昨年は、このGPSを使って、「今すれ違った」などがわかるマッチングアプリがヒットしました。

携帯のGPSは実はそれなりの誤差があり、小さい時で数十メートル、大きいときで100メートル前後の誤差が生じます。ですが、そのようなことは一般ユーザーはほとんど知るよしもありません。また、出会いのきっかけとした場合、むしろ近すぎても怖いかもしれません。
なので、アプリの企画として非常に上手く行ったと言えます。
当初は、お店に近づくとジーと音がするアプリとして、注目を集めたアプリですが、先ほどお伝えした携帯のGPSの精度の問題で、たとえば渋谷駅で山手線に乗っているのに、少し離れたマッサージ屋のプロモーションが届くなど、少々広告プロモーションアプリとしては難しい面がありました。

しかし、そこからジーという音をデータとして認識することで、手軽に連絡先を交換でき、ユーザー同士の情報を交換するアプリとなることで発展しています。

アプリとしての方向転換は上手く行った事例ですが、このようにGPSを使ったプロモーション企画は「近くにいる/ある」という企画よりも、クロスミーのように、「それなりにそばにいる人やモノ」と「ストーリーをもって出会える」という企画のほうが、GPS機能の大幅な発展がない場合は望ましいと思われます。

QRコードを活用したプロモーション

通信速度はこれからもどんどん上がり、ユーザーの認識的にもWi-Fiスポットを探す癖がついていたり、Pocket WiFiを持っている人などもいる状況を考えると、前時代的なQRコードですが、今一度着目してみるのも面白いかもしれません。iPhoneの新しい端末などは、端末のカメラからQRコードを認識できるようになりましたし、コードからのサイトや情報へのアクセスのしやすさは近年増しています。

QRコードからまず動画を見せ、その後キャンペーンページに遷移させたりするなど、理解やインパクトを深めてから広告企画に誘導するなどは、5G時代により可能性が出てくるのかもしれません。