2019年の上半期商品トレンド(食品編)

日経トレンディが2019年上半期ヒット商品を発表した。令和時代にはどのようなものが流行するのだろうか。今回は食品編を振り返ってみたい。

目次

日経トレンディ「上半期ヒット商品」

2019年上半期ヒット大賞は「悪魔のおにぎり」

震源地はコンビニのおにぎり棚。ローソンが18年10月16日に発売した「悪魔のおにぎり」が、発売13日で約265万個という異例の販売スピードで、20年間不動の王者・ツナマヨを抜き去る大番狂わせを起こした。天かすと天つゆを使った「カロリー、糖質、脂質の固まり」(ローソン)で、パッケージでは「やみつき」をうたう、この逆張り戦略が奏功し、「好きなものを好きなだけ食べたい」という人々の欲望を掘り起こした。次いで19年は、吉野家の「超特盛」が1カ月で100万食の大ヒットとなるなど、健康志向の揺り戻しヒットが続く。
「カロリー・糖質・脂質の塊」のはずだが、たまにポテトチップスをおなか一杯食べたい、という気分と同じような感覚で人気になったのだろうか。

次点に選ばれた商品の一つが「吉野家超特盛」

超特盛も人気らしい。「カロリー・脂質・糖質」の量が多い!という点は共通している。
「悪魔のおにぎり」も「超特盛」も男性ニーズなのだろうか。おそらくその可能性が高いが、もしかしたら意識高い系男性ニーズと、そうではないニーズがあり、後者のほうがコンビニの利用率は高そうな気もする。
そのほかにはどのようなものがヒットしたのだろうか。

他の上半期ヒット商品

いくつか興味深い商品があった。

【上半期ヒット】 「たっぷりたまねぎポン酢400mL」(徳島産業)

健康、時短ブームを追い風に、知る人ぞ知るヒット商品。ふんだんに入れ込んだタマネギが魅力で、シンプルなパッケージを採用。見た目のインパクトが消費者の心をつかんだ。18年9月発売で累計出荷数は早くも約140万本。メーカーの徳島産業も「こんなにSNSなどで話題になった商品は初めて」という。
タマネギをポン酢にいれるという、いかにも美味しそうなポン酢だが、量販店売りを行うにあたって、保存がきくような成分にしたりなど商品開発担当者の苦労は並大抵ではなかっただろう。

【上半期ヒット】 「トップバリュ お米のかわりに食べるカリフラワー」(イオン)

カリフラワーを小さくカットし、炒飯やリゾットなどに使える商品とのこと。糖質オフダイエットをしている女性の味方になりそうな商品だ。
他にも、相変わらず日清の「チキンラーメン」はランクインしているなど、息の長い商品も見受けられた。
総じて感じたのは、食の2極化が進んでいるような印象を受けた。

「悪魔のおにぎり」や「超特盛」は、「高カロリー・高脂質・高糖質」であるし、「たっぷりたまねぎポン酢」や「トップバリュ お米のかわりに食べるカリフラワー」はカロリーや高糖質・高脂質を気にする人たちが多く買っていそうだ。
今後出てくる令和時代のヒット食品も、食の2極化を踏まえて展開されるのかもしれない。