「ハイクオリティ家具」が愛着を知るという事を教えてくれる

モノがあふれ、簡単に手に入り、愛着が湧かずのままのモノに囲まれる生活に、愛せるモノを一つ二つと知ることも、人生にとって大切な様に思う。

目次

時間が経っても ‟ 新鮮 ” とは本物の証

家具のこと。

私は家具が好き。
不変のデザインで、いつ見ても飽きないフォルム、計算しつくされた唯一無二の洗練された家具が好き。

50年以上に渡りベストセラーの ‟ ハンスJウェグナー ” のYチェアを最近都内のカフェで見つけた。
なぜかとても新鮮に映った。50年以上前のものが。

Yチェアは、
座椅子は紙で作られた紐を巻いて形成されている。
劣化したら新しく紐を巻き替えてくれて生まれ変わる。

25年以上前に購入した私のそれは、劣化も未だ無く、新鮮にダイニングに鎮座している。
時間が経っても新鮮とは本物の証。

アメリカは消費社会で、国の歴史が浅い分、長年に渡り、代々受け継がれる家や家具はそう多くない。
よく目にするのは家の前での家具などのガレージセール。
アメリカの友人達の家はとても合理的で統一性を持たせて美しく暮らしている。しかし、暫くして訪れると、壁紙からソファまで、まるでシーツを変える様に様変わりしている。
逆に日本人は消費社会の中でもモノを大切にする文化を受け継いで、一度購入したものを、傷まない限り廃棄はしない。

長い歴史を持つヨーロッパに似ている。

しかしまた少しニュアンスが違う。
もともと畳生活をしていた日本人が洋風に暮らしはじめてから、そう長い歴史がないから。
いい職人が作った桐タンスとかではなく、部屋をデザインする観点に立ち、コーディネートを考えて、さらにブランドやディテイルデザインを吟味するヨーロッパ人の家具に対する思い入れをその子供たちに伝えるまでには、日本はまだまだ歴史が浅い。

某量販家具店はとても見た目の良い家具を陳列している。
簡単に一日でオシャレ空間をローコストで飾れる。
しかし、インスタントでゴージャスなモノは、劣化も早い気がする。

衣食住、良いモノを手に取ることは、決して贅沢ではなく、むしろ心が豊かになり、お金の遣い方にメリハリができて、本物を知り洗練されていく様に思う。
特に家具は愛情さえ湧いてくる。

子供が受け継ぐ頃には・・・

ここ最近、長年使ってきたアルフレックス社のソファカバーを変えた。
また新鮮に蘇った。

大好きなソファ。

脚もなく、クッションをくっつけただけの様なマレンコ ソファ。
購入時はクッションが固く、寝転ぶにも違和感があるソファ。
それは経年を計算して、使い込んで自分でよい状態にしていく為、マイナスからのスタートの様な。
ドイツ車のエンジンがなじむまで時間がかかるのと同じ。

子供が受け継ぐ頃には、とても良いコンディションで寝そべる姿を思い描きながら。

モノがあふれ、簡単に手に入り、愛着が湧かずのままのモノに囲まれる生活に、愛せるモノを一つ二つと知ることも、人生にとって大切な様に感じる。
ハイクオリティ家具が愛着を知るという事を教えてくれる為の月謝はむしろ高くはない様に感じる。

和洋折衷、どのステージにもシックにしっくり納まってくれる本物の家具。
次世代に渡り愛着として残っていくそれらに想いを込めて。