人は自分の鏡

日本、アメリカ、中国で様々なビジネスに関わるとともに様々な人と関わってきた今、自分を鏡に映すよりも、自分に関わっている対人を観る方が自分の今を確認出来るように思う。

街を歩いているカップルを見ると、似た者同士だなと思うことがよくある。
お店の前で同時に足を止めたり、ファッションのテイストが似ていたり。・・・歩み寄った結果そうなったかはさておいて。

友人関係でも同様に、似た者同士が集まる様に思う。
どこかに無理があると続かないし、メリハリの価値観が近い者同士が交友関係を維持している。
親しい人に対して、1つの‟?”がついても気のせいと片付けられるかもしれないが、2つ以上の‟?”が付き出すと、結果、関係は疎遠になっていく。

自分を鏡に映すよりも、自分に関わっている人を観る方が自分の今を確認出来るように思う。
親しい人に対して自分が目指す自分で常に居れるよう努力を惜しまない事で向上し、常にポジティブで居られるようになり、自分に見合った交友関係を築く事ができる。

昔、京都のお寺関係の方達にご招待を受け、文学座の杉村春子さんとご一緒させて頂いた経験がある。杉村さんがお亡くなりになる3年前くらいで、お一人で動くこともままならないのに凛とした出で立ちに感銘を受けたのを今でも覚えている。
私が一番最年少で、もちろん下座に居て、食事を終え記念写真を撮る時に、杉村春子さんが他の方に対して「若い方を前にして写さないでどうするんですか!」と私を前に呼んで下さった時は涙が勝手にあふれ出した。
その日以来、杉村さんに憧れ、姿勢よく、常に緊張感を持ち、自分を整え、今現在は若い人を前に出し、今の時代にお邪魔させて頂いていると常に意識を持つようにしている。

人が自分の鏡だとしたら、自分が憧れる人物を観ることも大切だと思う。

もうお一方は、作家の安井かずみさん。旦那さんは加藤和彦さん。
彼女もお亡くなりになられたが、お二人が出されたアルバムの「パパヘミングウェー」は私に多大な影響を与え、後に私がマイアミに住んでいた頃には『フロリダ・キー』から『キーウェスト』にドライブする度に安井かずみさんを感じた。
1960年代に安井かずみさんは、加賀まりこさん達とドレスアップして夜毎六本木界隈で遊び、週末は渡仏し、敢えて白シャツにシャネルのブローチを付けて、リーバイスの501にエルメスのバーキンを持ち、フランスのパーティーに参加したという逸話がある。

とても刺激になり、そのまんまの真似をしたものだ。
今もバイブルになっている。

今の六本木は大きく様変わりしたけれど、その色が濃かったせいか、私はとても六本木が好きである。

人が自分の鏡だとしたら、自分と自分に関わっている人とがリスペクトし合える様、自分磨きをし、互いに成長し、確認し合っていきたい。