PayPayの100億円プロモーションの効果とは?

Yahoo!とソフトバンクが出資したPayPay(ペイペイ)が100億円プロモーションにより、13日までに190万アプリのダウンロードにつながったようだ。

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PayPayの100億円還元プロモーションとは??

PayPayは、銀行口座からチャージできるPayPay残高、Yahooマネー、クレジットカードと3つの支払い方法からアプリで支払えるサービスだ。

近頃話題となった「100億円還元プロモーション」は、約2年前からサービス先行している楽天ペイ等に追いつくために、PayPayが行った総額100億円をユーザーに還元するというキャンペーンだ。
今月4日に開始されたキャンペーンは、当初2019年3月末終了予定とされていたが、それを大幅に上回るスピードで100億円が還元され、13日には終了となった。

その間、アプリ調査会社の調べによると、190万ダウンロード(iOS、android合算)につながった模様だ。人気のキャラクターなどを活用したゲーム系アプリでは、数日~数週間で100万ダウンロード越えは時折発生するが、実用系やショッピング系アプリなどではこれまでにないスピードでの100万ダウンロード越えと言えるだろう。

今回のプロモーションの成功理由を考えてみたい。

PayPay(ペイペイ)のプロモーションの成功理由

1.スケールの大きさ

まずは、金額の大きさ。ユーザーへの還元原資として100億円を掲げてプロモーションを行える財源のある会社は多くない。また、財源があっても、そこまで大胆な投資を実行できる組織はさらに少ないと言える。後発から追いつくにあたっての覚悟とベンチャースピリッツを感じさせられる。

2.時期設定

大規模量販店などの年末セールのタイミングに当ててきたことも、成功の理由となるだろう。

3.限定演出

100億円がなくなり次第終了!と明確に打ち出したことで、焦燥感にとらわれたユーザーが殺到したようだ。
だが、上記3つは、通常のプロモーションでも十分に考えうるし、1にしても財源の問題はあるものの考えうる補足要素で、真の成功理由ではないと思われる。

PayPayのゲーミフィケーションを用いたプロモーション

もっとも大きな成功理由は、ゲーム演出にあると思われる。

キャンペーンでは、ユーザーが一律で20%の還元を得るだけでなく、一定の確率で全額が戻ってくる仕組みを取り入れていた。

ポイント付与状況を確認する画面は、スクラッチくじを引く感覚に似ている。SNS(交流サイト)上では、「ペイペイチャレンジ」「ペイペイガチャ」といったゲーム性を連想させる言葉も登場しており、それがさらに情報拡散につながった。
ペイペイチャレンジでPS4の購入原資に
ペイペイガチャがTweetに
少額の買い物の場合
購入額が多い場合、還元金額も多かった。

PayPay(ペイペイ)プロモーションの功罪と課題

大きな話題を集めたPayPay(ペイペイ)だが、キャンペーン後、クレジットカードの不正利用などがあったとのこと。これだけのお金を使い、注目度の高いプロモーションを行ったにもかかわらず残念な結果だ。

サービスの信用力を改めて取り戻すのはそう容易ではないだろうが、決済アプリの更なる改善や浸透にはPayPay(ペイペイ)というプレイヤーも欠かせないように思われる。

今後の動向に注目していきたい。