港区女子。

彼女たちが、得体の知れない存在であることは、東カレ読者であれば気づいている。

華やかで、顔が広く、有名人とのコネクションも豊富。夜な夜な西麻布界隈に繰り出し、そこまで稼げる仕事をしているようには見えないが、なぜか煌びやかな生活を送っている印象が強い。

遊び場同様、住まいも港区。麻布、六本木、広尾、白金、そして芝。とても年収500万円で住めるようなエリアではない。

ベールに包まれたその生態を解明すると共に、彼女たちは“なぜ港区女子になった”のか、その原点を紹介する。

これまでに、育ちのコンプレックスから港区女子になった春香、エビージョ!に登場する楓、そしてゴルフで港区を渡り歩く由香子を紹介した。

今週は?




<今週の港区女子>

名前:玲子
年齢:32歳
職業:パーソナルコーディネーター
年収:不明
出身:京都
現在の住まい:三田


西麻布大学の留年生


港区女子の賞味期限は短い。27歳は“賞味”期限1日前、28・29歳は“消費”期限ギリギリ、そして30歳オーバーになるともはや誰も手を出さない。

そんな年齢に対して厳しすぎる港区だが、特に厳しいのが通称『西麻布大学』と言われる西麻布エリアだ。28歳までに西麻布を卒業できなかった女性たちは、西麻布大学の落第生、もしくは留年生と呼ばれる。

玲子は、典型的な“西麻布大学の留年生”である。

「自分でも、ちゃんと自覚しているんです。10年間ちやほやされ続けてきたのに、30歳を過ぎた途端に見向きもされなくなる。だから、30歳を過ぎても港区で生き残りたければ、それなりの“役割”が必要なんです。」

玲子曰く、その役割さえ果たせば30歳を過ぎても港区女子として生きていけるという。一体、その役割とは何なのだろうか?


港区特有の、奇妙なルール。30歳を過ぎたら行うこととは!?


現役生にはなれなくても、OGとして参加したい


「前まで、可愛いね、綺麗だねって褒められる立場でした。でも今の私の役割は、“この子可愛いでしょ?”と言うことなんです。」

西麻布近辺で飲み歩いている男性陣は、“若くて”綺麗で可愛い子と飲むのが最高のステータス。その男性陣に呼ばれた時に、いかに可愛い子を連れて行けるかが、勝負の鍵となるそうだ。

「もう、自分の方に目が向いていないのは分かっています。なので、年下の可愛い友達を多く作って、“玲子ちゃんの周りには可愛い子がいる”というイメージを植え付けさせるんです。そうすると、30歳過ぎても席に呼んでもらえるので。」

ずっと、港区女子として生きてきた玲子。港区特有の空気と世界に慣れてしまい、もはや他の場所でどうやって遊ぶのかも分からないという。




港区女子の原点はスーパー女子大生


元々、玲子は“スーパー女子大生”としてかなり人気だった。この界隈で遊んでいる人で玲子のことを知らない人はいないほど、一時は有名だった。

「こう見えて、昔は結構可愛かったんですよ(笑)どこに行っても持て囃されて、高級レストランのはしごなんて当たり前。タクシー代で、最低でも1日3万円は稼いでいましたね。」

元々、大学時代の女友達が西麻布界隈に知り合いが多く、その友人に連れられる形で玲子も港区で遊び始めたそうだ。そしてその時にもやはり、今の玲子のような“西麻布大学の留年生”のお姉さん・里子がいた。

そしてその里子のツテで、年上の彼を紹介してもらい、彼の支援で大学卒業と同時に南麻布に住み、玲子は港区女子になったそうだ。

「里子さんに、毎回色々なお食事会に呼んでもらって。彼女のお陰で、急速に港区界隈の知り合いが増えました。今から考えると、若くて気も遣える子は使い勝手が良い。今の私も、良い男性の食事会に呼ぶのは“使える子”です。」

毎年春になると西麻布大学には若くて可愛い港区女子予備軍が入学してくる。永遠に繰り返される、世代交代。今、玲子が可愛がっている女の子たちも、いつしか今の玲子のようになる可能性が高い。


売り時を完全に逃した玲子。何故留年生になってしまったのか...


鉄は熱いうちに打っておくべきだった


「20代前半でチヤホヤされて、散々芸能人や経営者と遊び尽くして。20代後半まで、何でも買ってくれる既婚者の人の援助を受けて暮らしていました。」

しかし、花の命は短くて儚い。玲子は女性として一番若くて可愛い時代を、西麻布という暗黒の場所で生きたために、普通の幸せを見失ってしまった。

「気がついた時には、時すでに遅しと言いますか...20代後半になると友達は次々に西麻布を卒業し、結婚したり、自分で新たな道を歩き始めたり。いつの間にか一人、また一人と羽ばたいて行ったんです。」

しかし毎晩飲み歩き、普通の金銭感覚を既に失っていた玲子。結婚できるチャンスは、今から考えるとたくさんあった。しかし“今が楽しい”と言い続け、“もっと良い人が現れるから”と過去の栄光にすがっていた結果、玲子は完全に婚期を逃してしまった。




盛者必衰の理をあらわす港区


港区は、人の入れ替わりが激しい。昨日までトップにいた人が、明日もトップだとは限らない。

特に女子は、次々に人が変わっていく。見た目、年齢、コネクション。色々なことが複雑に絡み合いながら日々移り変わっていく港区で、疲れて離脱する人や、自然に卒業していく人は多い。そんな中で、未だに残っている玲子。

周りから徐々に白い目で見られ始め、自分のプライドを捨ててまで玲子が港区にこだわる理由は何なのだろうか?

「純粋に、港区が好きなんですよね。東京の中心にいると感じることができて、いつまでも夢を見ていられるような感覚に浸れるこの場所が。」

玲子は今も、昔の持て囃された日々が忘れられずにいる。そして今日も、東京の醒めない夢を見続け、港区で生きる。

次週12月22日金曜日更新予定
港区の生きる伝説!お食事会を1日に5軒ハシゴする、港区女子の黒幕

【これまでの港区女子の原点】
vol.1:彼氏のランクで引き上げられる、女の価値と港区カースト
vol.2:一般家庭出身という劣等感。お金で買えない“育ちの良さ”が欲しかった
vol.3:得意顔でサロンを主宰しても、芝在住では入れない港区Sクラスの輪
vol.4:港区の特待生?婚活に必死な女子は可哀想と上から目線で嘲笑うお嬢様
vol.5:バーキンの数が幸せの指標。愛情を“モノ”でしか確認できない港区女子の原点
vol.6:ゴルフ・ネットワーキングこそが、上級港区女子へのショートカットのようである。